結局、ナマエが普段使用しているシャツを着せた。
下はいらなそうだ。


「ろいど、ころす。」

「まだ連絡つかないから、多分セシルさんに殺されてるよ。」


思ったよりも不便だと感じたらしい。
ロイドさんへの殺意に溢れている。
でも、何度かけ直しても電話は繋がらない。



「ナマエ。元の姿に戻るまで、家事はしないで。」

「んー…」

「分かったね？」

「……うん。」


渋々納得、したのかな？


―ピンポーン―


「誰だろう。」

「あーにゃかも。」


モニターを見ると、ナマエの予想通りそこにはアーニャが居た。
…ジノも居るけど。


「うわ、面倒くさいのも居るなぁ。どうする？」

「あーにゃ！」

「はいはい。」


玄関の鍵を開ける。
すると笑顔のジノが一番に目に入った。



「よぉ、スザク！遊びに来たぞ！」

「…ナマエは？」


どうしてこんな時に。
頭が痛くなる。


「今ちょっと大変なんだ。だから、」

「あーにゃ！こんにちは！」


帰ってもらおうと思ったのに。
ナマエが僕の後ろから出て来てしまった。


「あれ？スザク、隠し子？」

「有り得ないだろ。」


ジノの冗談に付き合っていられる余裕は無い。
冷たく言い放ち、事情を説明した。



「実は――…」











「へぇ、ロイド伯爵ってすげーな。」

「面白い。記録。」


納得した２人は面白がってナマエを見ている。


「ナマエ、お茶捨てるよ。」

「うん。」


こんな危険な物を残しておくわけにはいかない。


「なぁー、ちょっと抱かせておくれよ。」

「……」

「やだ、さわるなっ」

「小さいなぁ。いつも小さいって思ってたけど、ナマエも成長してたんだなぁ。」

「うわっ、やめろ！」

「……」

「ははっ、胸も無いや。」

「ばか！どこさわってんだ！」



―カチャッ―


「ジノ。死にたいならそう言いなよ。」

「すまなかった。ちょっとふざけすぎたな。」


ジノの頭に銃を突きつけ、ナマエを解放する。
ナマエは一直線にアーニャに抱きついた。