一年
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11月。
本格的に冬を感じる季節がきた。
「カレン、ポッキーゲームしよっ」
「イヤよ。」
アジトに行く途中で、ポッキーを大量買いした。
11月と言えばコレだ。
「ムースポッキーあるよ。」
「何で既に加えてるの。」
「反対側食べて。」
「いらない。」
もう、カレンったら照れちゃって。
可愛いんだから。
「…ん?それ、勉強?」
「えぇ。もうすぐ期末テストでしょ?」
カレンは確かに成績が良い。
でも、黒の騎士団の活動が活発になってからは少し疎かになっているみたい。
「20位以内に入らなかったら家庭教師雇うって脅されてるのよ。」
「あぁ…成る程。」
きっと義母の方だな。
好き放題するなら、成績はしっかり維持しろという事か。
「私、今回結構自信あるよ。」
「え、本当!?」
「うん。教えようか?」
「教えて。」
「わかった。はい。」
「え?」
カレンにポッキーを差し出す。
私はまだ加えていない。
でも勘の良いカレンは気づいているみたいだ。
「……今回だけよ。」
「うん。」
「絶対ギリギリで離すからね。」
「うん、分かった。」
「ちゃんと勉強教えなさいよね。」
「任せて。」
「……」
カレンがポッキーの端を加える。
私も反対側を加えた。
「っ、」
カレンの顔を見れば、真っ赤だ。
思わず笑ってしまいそうになったけど、ポッキーを食べ始める。
カレンもゆっくり食べ始めた。
―ポリポリ―
カレンの顔が近付く。
興奮して早く食べてしまいたい気持ちもあるし、この時間をもっと感じたくてゆっくりしたい気持ちもある。
カレンは目を閉じているから、今がどれくらいの距離か分からないらしい。
あ、もう少しでキス出来そう。
「カレン居るか?次の作戦で話したい事が……」
「っ!?」
―ドンッ―
「ぶっ!!」
ゼロが突然部屋に入ってきた。
カレンが驚いたように目を見開き、私を押し飛ばす。
「いたた…」
「ゼ、ゼロ!何ですか?」
「お、お前ら何をやっていた!」
「誤解ですゼロ!私はただ、勉強を教わろうと…」
「何の勉強だ!!」
あーあ。
ゼロのせいでキス出来なかった。
口に残っているポッキーを見ると、あと2センチも無かった。
「ゼロ!邪魔しやがって!」
「バカめ!こんな場所で変な事するな!」
「羨ましいんでしょ?女の子とポッキーゲームなんてしたこと無いくせに!」
「なっ…!お前は女としての慎みを持て!」
「(本当にテスト大丈夫かしら…)」
(カレンのテスト結果は、バッチリでした。)