ネト廃と王子様
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「みて侑士」
「どしたん?」
「朝の丸焦げクッキー1000バズした」
「すごいやんか。良かったなあ」
朝の丸焦げクッキーとは私が焼いたものである。元は可愛いひよこの形だったが、焼き時間を間違えて焦げついてしまい、なんだかグロテスクなひよこになってしまった。「焦げすぎた」と打って投稿したところ、プチバズしたのである。
「次はもうちょっと面白いの作らなきゃね」
「ちゃんと食べられるん作ってほしいわ」
「コゲコゲひよこちゃんも食べられたじゃん」
「ちょっと渋かったけどな」
コメントに「他のクッキーも見たい」と書いてあったのを見た。これはやるっきゃない。
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「で、いつまで朝飯のクッキー終わるんや」
「皆が飽きるまで」
「俺はもう飽きとるんやけど」
今日はキャラクターを形どったクッキーを作った。ほとんど上手くできてしまったので、一個だけ長めに焼いておいて悲惨な出来にしておいた。多分世間の人達はこういうのを求めている。飽きたんだったら食べなくていいよ、と侑士には言っておいた。
「いや…なまえが作るんやったら食べる」
「どっちなんだよ」
「美味いし。飽きる味やけど」
「最後のひと言余計」
じゃあ侑士が飯作れやい、と言ったら「ほんまにすみませんでした。飽きない味です。世界一美味いです」と焦って言ってきた。料理が面倒そうなのと、嫌われたくないところ、可愛い。私はすかさず両腕を広げた。
「ぎゅってしたら許してあげます」
「……はいはい」
いつもの侑士なら「何やそれ」とか言いながらこっちに来るよう促すけれど、私が優位に立っている時は素直になる。腰辺りに腕を回して、大きな身体をこちらに預けてくる姿勢が好きだ。彼は私の耳元で告げた。
「朝見たら前のひよこ万バズしとったで」
「まじか」
「ネットニュースにもなってたわ」
「それを先に言いなさいよ!!!」
なまえは彼の拘束を解くとすぐにスマホを取りに行ってしまった。自ら抱きしめてと言ってきたのに自分からどこかに行ってしまう。相変わらずななまえの背中を、彼は穏やかな目で眺めていた。