学校と王子様
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【幸村】
「やっべ〜、あ!名字先輩〜!!」
立海のマネージャーに駆け寄る彼は、コート上では『悪魔』と呼ばれている二年生、切原赤也だ。
「ちょっと今真田副部長に追われてるんで適当に誤魔化して下さーい!」
さーい…という語尾が校舎を反響し辺りに響き渡る。また何かやらかして怒られたのか。
赤也君が走ってきた方向から、誰かが走ってくる音が聞こえる。だが、それは真田くんとは違って少し軽やかなものに思える。もっと真田くんは存在感のある走り方だったような…。
「おっと、名字か。赤也見てない?真田が探しててさ」
角から現れたのはこの立海硬式テニス部の部長、幸村精市。綺麗な見た目に反して物凄いパワーの持ち主である。
「赤也君なら右に走ってったよ」
「…」
幸村くんは私が指した方向を見て、また私の方に向き直った。
「ハーゲンダッツ」
「左です」
「いい子だね」
そう言って幸村くんは私の頭を撫でて、左の方向へと走っていった。「部活終わったら門で待ってる」と言い残して。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「名字先輩。なんで……」
そう言って涙目で上目遣いの赤也君の後ろから、真田くんが「たるんどる!!」といつものように叫んでいる。
「ごめんね赤也君、幸村がハーゲン奢ってくれるって言うから教えちゃった」
「え〜名字先輩〜」
「名字は俺が買収したからね」
「買収言うな」
結局赤也君は真田くんに説教を受ける羽目になってしまった。ごめん赤也君。でもちゃんと反省してください。
「ふふっ、名字はアイスを積めば何でもやってくれるのかな」
「そんな軽くないよ」
「コートの整備と後片付けでプラス一個」
「はーい全部一人でやりまーす皆帰ってー」
冗談だよ、と言って彼は笑う。いやその仕事別にアイスなんかくれなくてもマネージャーだしやるよ?とは思ったが、黙っておく。
「やっぱり何でもやってくれるんだね」
「出来る範囲しか無理だよ」
「じゃあ、俺と付き合ってくれる?」
「は?」
「こういうの、アイスで釣るのは嫌だな。お前の素直な気持ちが聞きたい」
頭が追いつかない。付き合う?幸村と?アイス?釣る?素直な気持ち??
「さ、」
「…さ?」
「三種のアソートボックスなら、いいよ…?」
幸村が吹き出した。かと思いきやすごい勢いで笑い出した。
「あははっ…名字…話聞いてた…?」
「え、うん、聞いてた…?多分…」
「絶対聞いてないじゃん……ふふ…」
あまりにも笑いすぎではないだろうか。すると幸村くんは笑い終わっていつもの顔に戻った。
「付き合ったらいくらでも食べられるよ」
「じゃあ…お願いします……?」
「結局アイス目当てか」
幸村くんも何だか嬉しそうだし、まあいいや。
「やっべ〜、あ!名字先輩〜!!」
立海のマネージャーに駆け寄る彼は、コート上では『悪魔』と呼ばれている二年生、切原赤也だ。
「ちょっと今真田副部長に追われてるんで適当に誤魔化して下さーい!」
さーい…という語尾が校舎を反響し辺りに響き渡る。また何かやらかして怒られたのか。
赤也君が走ってきた方向から、誰かが走ってくる音が聞こえる。だが、それは真田くんとは違って少し軽やかなものに思える。もっと真田くんは存在感のある走り方だったような…。
「おっと、名字か。赤也見てない?真田が探しててさ」
角から現れたのはこの立海硬式テニス部の部長、幸村精市。綺麗な見た目に反して物凄いパワーの持ち主である。
「赤也君なら右に走ってったよ」
「…」
幸村くんは私が指した方向を見て、また私の方に向き直った。
「ハーゲンダッツ」
「左です」
「いい子だね」
そう言って幸村くんは私の頭を撫でて、左の方向へと走っていった。「部活終わったら門で待ってる」と言い残して。
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「名字先輩。なんで……」
そう言って涙目で上目遣いの赤也君の後ろから、真田くんが「たるんどる!!」といつものように叫んでいる。
「ごめんね赤也君、幸村がハーゲン奢ってくれるって言うから教えちゃった」
「え〜名字先輩〜」
「名字は俺が買収したからね」
「買収言うな」
結局赤也君は真田くんに説教を受ける羽目になってしまった。ごめん赤也君。でもちゃんと反省してください。
「ふふっ、名字はアイスを積めば何でもやってくれるのかな」
「そんな軽くないよ」
「コートの整備と後片付けでプラス一個」
「はーい全部一人でやりまーす皆帰ってー」
冗談だよ、と言って彼は笑う。いやその仕事別にアイスなんかくれなくてもマネージャーだしやるよ?とは思ったが、黙っておく。
「やっぱり何でもやってくれるんだね」
「出来る範囲しか無理だよ」
「じゃあ、俺と付き合ってくれる?」
「は?」
「こういうの、アイスで釣るのは嫌だな。お前の素直な気持ちが聞きたい」
頭が追いつかない。付き合う?幸村と?アイス?釣る?素直な気持ち??
「さ、」
「…さ?」
「三種のアソートボックスなら、いいよ…?」
幸村が吹き出した。かと思いきやすごい勢いで笑い出した。
「あははっ…名字…話聞いてた…?」
「え、うん、聞いてた…?多分…」
「絶対聞いてないじゃん……ふふ…」
あまりにも笑いすぎではないだろうか。すると幸村くんは笑い終わっていつもの顔に戻った。
「付き合ったらいくらでも食べられるよ」
「じゃあ…お願いします……?」
「結局アイス目当てか」
幸村くんも何だか嬉しそうだし、まあいいや。