学校と王子様
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やたらグイグイくる忍足
しばらく前電車内で見かけてから、図書室で本読んでる時も、昼休みの教室でも話しかけてくる忍足くん。違うクラスなのに。昼休みの今、同じテニス部だという私のクラスメイトの向日くんに話を聞いてもらっている。
「確かに、侑士がそんな興味持つの珍しいかも」
「ね、なんでなのかな」
でもあいつ意外とやばいから気をつけろよ、と向日くんは言う。なんで?と聞くと、だって…と話しかけた頃で誰かが彼の口を塞いだ。
「岳人、いらんこと話さんといてえな」
「この…っ、侑士!息苦しいからやめろ!」
向日くんが勢いよく立ち上がって忍足くんの眼鏡を取り上げた。忍足くんはまるで恥ずかしいとでもいったように顔を少し覆った。
「はぁ…。あ、名字。今日図書室行かんの?」
「…うん。今日はここで本読むつもり。」
「どうしたん。顔色悪いで…?」
そう言って顔をぐっと近づける忍足くん。息がかかりそうなぐらい近い。眼鏡を外しても尚綺麗な顔面が視界を埋め尽くす。びっくりして後ずさるとまた距離を詰めてきた。
「眼鏡ないからよう見えんわ…」
「え、いや、ちょっと……」
「侑士お前伊達だろ変態!名字から離れろよ!」
一生懸命向日くんが引っ張ってくれてやっと彼の顔は離れていった。それにしても忍足くん伊達眼鏡だったの?
「……冗談やん」
「セクハラだぞ侑士」
「あはは、騙されちゃった」
名字…何笑ってんだよ…と向日くんは呆れている。その一方で忍足くんもにこにこしている。すると彼はいつもより更に聞こえにくい小さな声でぼそりと、
「意識…してくれるかな思て」
と呟いた。
おい侑士聞こえねーよ、と忍足くんの背中をバシバシと叩く向日くん。聞こえてしまった。がっつり聞こえてしまった。流石にそんなこと言われたら意識してしまいそうになる。身体がちょっとだけ熱い。
また来るわ、と行って立ち去る彼。私からも今度何か仕掛けてやろう。意識させよう。そう心に強く思った。