短編
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『着信が八件ありました』
飲み会で泥酔して終電を逃した。
友人の家まで歩いて、部屋入って…。そこからの記憶がない。友人によると、「そのまま突っ伏して爆睡してた」らしい。何も覚えていなかった。
「終わったら迎えに行くから連絡しろって言ったよね」
「あ、はい……」
今私の目の前に立っている彼はすこぶる機嫌が悪いようだ。
当然だ。連絡もせず酔い潰れて電話も出ず、連絡がないまま帰ってこなかったんだから。
メッセージを遡ってみると、『生きてる?』やら『なんで連絡寄越さないの』やら。仕舞いには十連続ぐらいで『メッセージの送信を取り消しました』と書かれてある。見ていると本当に心から申し訳なくなる。
「全くどれだけ心配かけたと思ってるんだよ…はぁ……」
「すみませんでした…」
「確認だけど泊まらせてもらった友人って誰」
「それは女子だから大丈夫」
「ならいいけどさ…」
次どっか行く時は絶対ついて行くからな、と釘を刺される。ちょっと心配しすぎじゃないかと感じるが、彼の愛情だと思うとなんだか心臓がぽかぽかと温かくなった気がした。いつもの二倍ぐらい大きな溜め息をして、彼がソファに腰を下ろした。
「疲れた……。君の料理が食べたい」
和食がいいと呟く彼の肩に腕を回し、すぐ作るね、と言って頬に口づけた。
その後、彼女の不意打ちに彼が「今夜は覚悟してろよ…」と小さな声でぼやいたのは、上機嫌で魚を焼いている彼女には聞こえていなかったのであった。
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