出られない部屋シリーズ
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
壁に書かれた文字を見て、ぎょっとした。
何これ、と伊武くんが呟いた。こんな状況でもいつも通り怪訝そうな顔をしている。彼は動揺していないのだろうか。
もう一度冷静になって壁の文字を読んでみたものの、恥ずかしくなってうずくまる。どういうシチュエーションだよ…と思いながら自分の膝の間に顔を埋めてしゃがみ込む。
「はあ…なんで俺が……本当嫌になるよなあ…」
意味分かんないよな……と言いながらドアを叩く伊武くん。ドアはびくともしない。
「誰かいませんかー」と私も呼びかけてみるが、ドアの向こうから返事はない。
「てか何で私達こんなところにいるの」と伊武くんに尋ねてみる。
「さあ、俺も目が覚めたらここにいたし……その前の記憶ない」
そうだとしたら誰が…?と言いたいところだが、今はこの部屋から抜け出す方法を考えないといけない。
教室くらいの部屋には、一人用の簡素なベッドだけがぽつんと置いてある。何もない部屋が、余計に私たちを気まずくさせる。
流れる沈黙。
「はぁー…覚悟決めるか……」と急に伊武くんがぼそりと言った。びっくりして振り向くと、私の手を握って、「行こ」と部屋の片隅のベッドに向かって歩き出す。
「いや待って待って伊武くん」勿論全力で引き止める。
「何、嫌なの」「え、、別に、嫌って訳じゃ、、」それなら構わないだろ、と言って伊武くんはそのまま進む。ベッドに腰かけてこちらを向くと、
「じゃあこの部屋で一生二人きりだけど」
その方が嫌だろ、と言いたげな目でこちらを向かれる。
まっすぐにこちらを見つめる、深くてブラックホールのような瞳。しばらく見つめていると、なんだか吸い込まれそうで怖くなった。
でも、こうしていると、ずっと二人きりでもいいな、なんて考えてしまう。
「私も、覚悟、決めた」
そう告げると、伊武くんがずい、と目の前に近づいて、
「じゃあ、容赦しないから」
と言うと、突然唇を塞がれる。
「!?……んんっ…………!」
驚いて仰反ると身を乗り出してきて、不意に緩んだ口の隙間から何か生温かいものを捩じ込まれる。あまりにも突然だったので、口内を暴れ回る何かが舌だと気づくのに時間がかかった。そのまま押し倒されたので、混乱して反抗しようとすると手首を掴まれ、どんどん力を強くされる。
息苦しさを感じたところで、やっと伊武くんが離れてくれた。
「っは………伊武くん………なんでっ……」
「覚悟決めたって言ったのそっちだし」
全く疲れていない様子の伊武くん。大きく肩で息をしている私とは大違いだ。
今度はまた距離を詰められて、上半身に腕を回される。そのまま首筋を噛まれる。力が強いので、全く抵抗できない。今度は彼が首元を舐め始めたのでつい抑えていた声が飛び出す。
そのまま首、背中、と細い人差し指でなぞられる。ぞっ、と全身に鳥肌がたつ。
すると突然首にじわ、と走る柔らかな痛み。
普段と違って少しだけ口元に弧を描いた彼は、上体を起こすと、静かに言った。
「俺の気が済むまで帰さないから」
何これ、と伊武くんが呟いた。こんな状況でもいつも通り怪訝そうな顔をしている。彼は動揺していないのだろうか。
もう一度冷静になって壁の文字を読んでみたものの、恥ずかしくなってうずくまる。どういうシチュエーションだよ…と思いながら自分の膝の間に顔を埋めてしゃがみ込む。
「はあ…なんで俺が……本当嫌になるよなあ…」
意味分かんないよな……と言いながらドアを叩く伊武くん。ドアはびくともしない。
「誰かいませんかー」と私も呼びかけてみるが、ドアの向こうから返事はない。
「てか何で私達こんなところにいるの」と伊武くんに尋ねてみる。
「さあ、俺も目が覚めたらここにいたし……その前の記憶ない」
そうだとしたら誰が…?と言いたいところだが、今はこの部屋から抜け出す方法を考えないといけない。
教室くらいの部屋には、一人用の簡素なベッドだけがぽつんと置いてある。何もない部屋が、余計に私たちを気まずくさせる。
流れる沈黙。
「はぁー…覚悟決めるか……」と急に伊武くんがぼそりと言った。びっくりして振り向くと、私の手を握って、「行こ」と部屋の片隅のベッドに向かって歩き出す。
「いや待って待って伊武くん」勿論全力で引き止める。
「何、嫌なの」「え、、別に、嫌って訳じゃ、、」それなら構わないだろ、と言って伊武くんはそのまま進む。ベッドに腰かけてこちらを向くと、
「じゃあこの部屋で一生二人きりだけど」
その方が嫌だろ、と言いたげな目でこちらを向かれる。
まっすぐにこちらを見つめる、深くてブラックホールのような瞳。しばらく見つめていると、なんだか吸い込まれそうで怖くなった。
でも、こうしていると、ずっと二人きりでもいいな、なんて考えてしまう。
「私も、覚悟、決めた」
そう告げると、伊武くんがずい、と目の前に近づいて、
「じゃあ、容赦しないから」
と言うと、突然唇を塞がれる。
「!?……んんっ…………!」
驚いて仰反ると身を乗り出してきて、不意に緩んだ口の隙間から何か生温かいものを捩じ込まれる。あまりにも突然だったので、口内を暴れ回る何かが舌だと気づくのに時間がかかった。そのまま押し倒されたので、混乱して反抗しようとすると手首を掴まれ、どんどん力を強くされる。
息苦しさを感じたところで、やっと伊武くんが離れてくれた。
「っは………伊武くん………なんでっ……」
「覚悟決めたって言ったのそっちだし」
全く疲れていない様子の伊武くん。大きく肩で息をしている私とは大違いだ。
今度はまた距離を詰められて、上半身に腕を回される。そのまま首筋を噛まれる。力が強いので、全く抵抗できない。今度は彼が首元を舐め始めたのでつい抑えていた声が飛び出す。
そのまま首、背中、と細い人差し指でなぞられる。ぞっ、と全身に鳥肌がたつ。
すると突然首にじわ、と走る柔らかな痛み。
普段と違って少しだけ口元に弧を描いた彼は、上体を起こすと、静かに言った。
「俺の気が済むまで帰さないから」
1/2ページ