待ちわびたその日
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『おーい、ラギーせんぱーい!』
待ち合わせ場所で待っていると手を振って帝くんがやってくる。
『はぁ…っ。お待たせしちゃいましたか?グリムに見つからないように出てくるのが大変で…』
「いや、オレも今来たんで大丈夫ッスよ」
『あっ、それなら良かったです。…えへへっ、ゴーストにはあとでお礼言わなくちゃ』
嬉しそうに笑う帝くんがオレの隣に座る。
「んっ…と」
本当は10分以上前に着いていたけど、それはオレが帝くんに会えるのが楽しみで早く着いただけ。
~~
揚げたてなのかふんわりと甘い匂いがする。
そわそわ…
いつ渡してくれるのか帝くんが持っている紙袋の中身が待ち遠しい。
『あっ。今日、星が凄くキレイですね』
「ん…?あ、ああ…昼間晴れてたからかな」
『寒くて空気が澄んでるっていうのもあるかも』
見れば帝くんの鼻の頭が赤くなっている。
「…これ、いる?君を待つ間、飲もうと思って買ったやつなんスけど」
制服のポケットに入れておいたホットチョコレートを取り出す。
『えっ…?』
「その…飲みかけなんだけど。まだ温かいんで」
『…っ』
帝くんが何を思ったのか目をパチパチとさせる。
「あ、あのね、こういうのは自然に受け取ってくれなきゃ。こっちも…恥ずかしいんッスよ」
『あ…っ、そ、そうですよね…ごめんなさい』
そう言って帝くんはそれを手にするとしばらく見つめて手に取る。
『ん…っ』
飲み口に唇を充てると一気に飲み干す。
「(へへっ…飲みっぷりが潔い)」
そう見ていると口を離すと一気に赤くなる顔。
「なに…意識しちゃった?」
『!』
「シシシッ。図星なんスね」
『…もう』
少しむくれる帝くん。
「でもこれ、美味しいでしょ?最近ハマッてるんスよ」
『…あ、味なんて分からなかったです!』
「ふーん…」
帝くんは口を尖らせて益々可愛い態度になる。
「顔、真っ赤」
『なっ…!そんな』
頬を触る帝くん。
「ね?」
『……言い返せないのが悔しいです』
むくれて手に持ったそれを膝に乗せる。
「ところで何でここで待ち合わせなんスか?室内だったらもっと暖かかったのに」
そこは学園裏の森・大樹の傍。
「今日は当たり前だけど星送りはないし、願い星が配られるのだってまだまだ先ッスよ」
『分かってます…。でも、それでも今日は…願い事がしたくて』
「ん…?何をお願いするんスか?」
『……ら、来年のバレンタインもラギー先輩と一緒に、たくさんドーナツが食べられますようにって』
「は…はぁっ?」
『私の作ったドーナツでラギー先輩がお腹いっぱいになって。一緒にいられますようにって』
「な、なんなんスか。その願い事」
その純粋な願い事に今度はこっちが熱くなってくる。
『だ、だめですか?』
「ちっ…違!ダメな訳ないだろ!じゃなくて、そ、その」
『?』
「…っ、君はその、来年だけでいいんスか?」
その赤くなった頬に手を伸ばすと
『えっ?あの』
「オレはこの先も帝くんとずっと一緒にいたい。そう願うッス」
『…っ!』
近付けた顔は先に強く目を閉じる。
チュッ
『っ…!』
触れるだけのキスをする。
その反応に
「あっ、その…オレが初めてッスか?」
『う、うん』
聞いた後、帝くんは目を合わせてくれない。
「オレとするの…嫌じゃない?」
聞いてるこっちまでドキドキしてくる。
『う、うん』と頷く。
『ラギー先輩の…あ、甘かったです。チョコの味でした』
恥ずかしそうにそう呟く。
「…シシシッ。オレも同じ味」
今までよりも愛おしく思えるその表情に
「…ねえ、こっち見て」
『?』
「もう一回…」
チュッ
「うん、ドーナツより美味しいのもーらいっ」
シシシッと笑うと恥ずかしそうにポカポカと肩を叩かれる。
『じゃ、じゃあ…これはあげない!』
「ええっ?」
まあ、そんなこと言ってたけど。
帝くんが持ってきてくれたドーナツは全部オレの胃袋に収まったんスけどね?
『ら、来年はもっと…ラギー先輩が求めたくなるようなドーナツを用意しますっ!』
「それは嬉しいッスけど…どっちも同じぐらい求めちゃダメ?」
『あっ!』
身を乗り出すと。
『…っ、だ、だめ』
首を横に振り目を潤ませた帝くんと何度もキスをかわす。
『せ、せんぱ…』
それは甘ったるいチョコの味がして。
「帝くん。ダメって顔はしてないッスよ」
『っ!』
甘すぎて、甘すぎて、全部が溶ける味がした。
「…また、真っ赤になっちゃって。もっと食べたくなっちゃうなあ」
『それ、どっちの話ですか…?』
「そんなの、帝くんもドーナツもどっちもッスよ」
『っん』
外は寒いけど少しだけ熱くて。
腹は満たされたようでもっと欲しくて。
ドーナツじゃなく君の全部が欲しいから。
「来年のバレンタインも、その先も、オレだけの帝くんでいて」
待ち合わせ場所で待っていると手を振って帝くんがやってくる。
『はぁ…っ。お待たせしちゃいましたか?グリムに見つからないように出てくるのが大変で…』
「いや、オレも今来たんで大丈夫ッスよ」
『あっ、それなら良かったです。…えへへっ、ゴーストにはあとでお礼言わなくちゃ』
嬉しそうに笑う帝くんがオレの隣に座る。
「んっ…と」
本当は10分以上前に着いていたけど、それはオレが帝くんに会えるのが楽しみで早く着いただけ。
~~
揚げたてなのかふんわりと甘い匂いがする。
そわそわ…
いつ渡してくれるのか帝くんが持っている紙袋の中身が待ち遠しい。
『あっ。今日、星が凄くキレイですね』
「ん…?あ、ああ…昼間晴れてたからかな」
『寒くて空気が澄んでるっていうのもあるかも』
見れば帝くんの鼻の頭が赤くなっている。
「…これ、いる?君を待つ間、飲もうと思って買ったやつなんスけど」
制服のポケットに入れておいたホットチョコレートを取り出す。
『えっ…?』
「その…飲みかけなんだけど。まだ温かいんで」
『…っ』
帝くんが何を思ったのか目をパチパチとさせる。
「あ、あのね、こういうのは自然に受け取ってくれなきゃ。こっちも…恥ずかしいんッスよ」
『あ…っ、そ、そうですよね…ごめんなさい』
そう言って帝くんはそれを手にするとしばらく見つめて手に取る。
『ん…っ』
飲み口に唇を充てると一気に飲み干す。
「(へへっ…飲みっぷりが潔い)」
そう見ていると口を離すと一気に赤くなる顔。
「なに…意識しちゃった?」
『!』
「シシシッ。図星なんスね」
『…もう』
少しむくれる帝くん。
「でもこれ、美味しいでしょ?最近ハマッてるんスよ」
『…あ、味なんて分からなかったです!』
「ふーん…」
帝くんは口を尖らせて益々可愛い態度になる。
「顔、真っ赤」
『なっ…!そんな』
頬を触る帝くん。
「ね?」
『……言い返せないのが悔しいです』
むくれて手に持ったそれを膝に乗せる。
「ところで何でここで待ち合わせなんスか?室内だったらもっと暖かかったのに」
そこは学園裏の森・大樹の傍。
「今日は当たり前だけど星送りはないし、願い星が配られるのだってまだまだ先ッスよ」
『分かってます…。でも、それでも今日は…願い事がしたくて』
「ん…?何をお願いするんスか?」
『……ら、来年のバレンタインもラギー先輩と一緒に、たくさんドーナツが食べられますようにって』
「は…はぁっ?」
『私の作ったドーナツでラギー先輩がお腹いっぱいになって。一緒にいられますようにって』
「な、なんなんスか。その願い事」
その純粋な願い事に今度はこっちが熱くなってくる。
『だ、だめですか?』
「ちっ…違!ダメな訳ないだろ!じゃなくて、そ、その」
『?』
「…っ、君はその、来年だけでいいんスか?」
その赤くなった頬に手を伸ばすと
『えっ?あの』
「オレはこの先も帝くんとずっと一緒にいたい。そう願うッス」
『…っ!』
近付けた顔は先に強く目を閉じる。
チュッ
『っ…!』
触れるだけのキスをする。
その反応に
「あっ、その…オレが初めてッスか?」
『う、うん』
聞いた後、帝くんは目を合わせてくれない。
「オレとするの…嫌じゃない?」
聞いてるこっちまでドキドキしてくる。
『う、うん』と頷く。
『ラギー先輩の…あ、甘かったです。チョコの味でした』
恥ずかしそうにそう呟く。
「…シシシッ。オレも同じ味」
今までよりも愛おしく思えるその表情に
「…ねえ、こっち見て」
『?』
「もう一回…」
チュッ
「うん、ドーナツより美味しいのもーらいっ」
シシシッと笑うと恥ずかしそうにポカポカと肩を叩かれる。
『じゃ、じゃあ…これはあげない!』
「ええっ?」
まあ、そんなこと言ってたけど。
帝くんが持ってきてくれたドーナツは全部オレの胃袋に収まったんスけどね?
『ら、来年はもっと…ラギー先輩が求めたくなるようなドーナツを用意しますっ!』
「それは嬉しいッスけど…どっちも同じぐらい求めちゃダメ?」
『あっ!』
身を乗り出すと。
『…っ、だ、だめ』
首を横に振り目を潤ませた帝くんと何度もキスをかわす。
『せ、せんぱ…』
それは甘ったるいチョコの味がして。
「帝くん。ダメって顔はしてないッスよ」
『っ!』
甘すぎて、甘すぎて、全部が溶ける味がした。
「…また、真っ赤になっちゃって。もっと食べたくなっちゃうなあ」
『それ、どっちの話ですか…?』
「そんなの、帝くんもドーナツもどっちもッスよ」
『っん』
外は寒いけど少しだけ熱くて。
腹は満たされたようでもっと欲しくて。
ドーナツじゃなく君の全部が欲しいから。
「来年のバレンタインも、その先も、オレだけの帝くんでいて」