初恋の相手
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翌日は最悪だった。
マジフトの朝練にはギリギリになって起こしに行ったレオナさんには怒られるし、
突っ伏して寝たからなのかヴィルさんには「顔が浮腫んでるわよ」って言われて顔をグリグリされるし、
飛行術の授業なのに箒忘れるし…
とにかくなーんにも手につかない。
頭をよぎるのは昨日の帝くんの顔だけ。
『おい、ラギー。てめぇ、今日はもういいから帰れ』
「えっ?何でッスか。レオナさん、オレのこと帰らせて午後の授業サボる気でしょ?」
『ちげぇよ。いいからもう帰れ。今日のてめぇは使い物にならねぇ』
「…っ!」
植物園で昼飯を食べた後のレオナさんに言われる。
『何考えてるか俺の知ったことじゃねぇが、対価を貰うにはそれなりに働かねぇと与えられねぇよな?』
「…そッスね」
レオナさんは寝転がると
『俺はもう寝るからお前はどっか行け』
と言って手をシッシッと払う。
「もー……午後の授業、ちゃんと出てくださいよね」
『…グゥ……グゥ』
「もう寝ちまったんスか…はぁ」
その場を立ち去ろうと植物園を出ると帝くんがひとりで歩いている。
『っ!?』
目が合うと帝くんはオレから逃げるように走り出す。
「あっ、ちょっと待っ…」
追い掛けるとすぐにその後ろ姿を掴まえることが出来る。
帝くんの手首を引くとオレの方に振り返る。
『…っ!離してよラギー!お友達やめるって昨日言ったでしょ!』
「昨日のこと謝りたくて…つか、オレの話聞いてほしいッス!」
『私は話すことなんてない!それに今から昨日の人にお付き合いの返事しに行くんだから…邪魔しないで!』
「…っ…………ダメッスよ」
『何がダメなの!?……ラギーにそんなこと言われる筋合、ないよ!』
「違う……ダメなんじゃなくて…嫌だ」
『っ?』
「帝くんが誰かと付き合うとか…考えるとすげぇ嫌」
「期待なんてしてないけど、でも…今更誰かに横取りされるとかふざけんな!」
ビクッ
『ラ…ラギー?言ってることがよく分からな…んっ』
帝くんの口を塞ぐ。
『…なっな、な……え、えっ?』
「…これでも分からないんスか?」
「オレ、帝くんのことずっと好きで。……初めて会った日から大好きなんスよ」
帝くんが目を丸くして、オレを見る顔が段々と赤くなっている。
「でも君とオレとじゃ釣り合わないのも分かってるし。だからどうにかして忘れたいってのもあってここに入学したのに…帝くんが入学してくるから」
「君のこと、忘れられなくなっちゃったんスよ」
「でも、今日で本当に終わりにするんで…さっきのキスは今までのバイト代の帳尻合わせってことで。……ゴメン」
きっと怒られるんだろう。
これで本当に全部が終わるんだろう。
オレの顔を見ながら何か言いたそうにしている帝くんの言葉を待つ。
『…バカ。ラギーのバカァ!』
「…っ」
さっきはあんなこと言ったけどやっぱり強引に…多分、帝くんのファーストキスをしてしまったことに少し後悔をする。
『…私も……ラギーのこと好きなのに』
「………えっ?」
『ラギーのこと、私もずっと好きなの…』
聞き逃しそうな程小さな声で告白される。
『昨日ラギーが応援してくれたら、私もこの気持ち諦めようとしてたのに…っ』
帝くんはプルプルと震えながらスカートの裾を握り締める。
『応援もしてくれないし、意地悪なこと言うからどうしていいか分からなくて』
『それに、何も言わないで居なくなっちゃったからホリデーに帰ってくるの楽しみに待ってたのに会えないし』
『入学しても私から話しかけないとラギーからはお話してくれないし…』
相当悩んだのか、今までのことを爆発させるように話される。
『昨日ユウさんにも相談したけど解決しないし…』
「(ん?)」
「ちょっと待った。ユウさんってレオナさんの彼女の?」
『ん?…うん』
「あーそうッスか。そういうことッスか…」
「(くっそ、あの人それで…)」
『?』
「あ、何でもないッスよ」
『あ、あと何があったっけ…?とにかく、たくさんラギーのこと考えたの!』
「うん、分かったッスよ。……帝くん」
自分の腕の中に帝くんを抱き寄せてもう一度軽くキスをする。
『っん…』
触れるだけのキスで恥ずかしそうにしている帝くんに意地悪をしたくなる。
「……あっ、でもオレたちお友達やめたんでしたっけ?」
『そ、それは!』
チュッ
『っ!?』
「へへっ、それなら今からはオレの彼女になってほしいッス」
おデコにキスをした後、帝くんを見ると「…はい」と照れながら微笑んでくれた。
『やっ、やだ…ラギ…ッ』
ピチャピチャ…
『も、もういいっ…もう、やめて…っ』
「でも、あとで痛いって言われても知らないッスよ?」
『だ、だって…こんなの恥ずかしくて』
帝くんの足を開いてそこに顔を埋め、指で中を弄ったり舌を入れる。
『あっ、だからやだ…やだぁ』
顔を隠しながら小さな声で喘ぐ帝くん。
キュッと指を締め付けられると呼吸をする息が荒々しくなっている。
「…イッたんスか?」
『…はぁ…はぁっ、はぁ………ィく…?』
「あっ、いや…何でもないッス」
今まで触りたくても触れなかった部分に、想像でしかなかった部分に触れる。
「ちなみにこういうこと、ひとりでシたことあるんスか?」
『えっ…、な、ないよ。だってどうやってひとりでするの?』
「あー、えっと……」
返事に口ごもっていると
『ラ、ラギーはその…ひとりでしたことあるの?』
と、帝くんから聞かれる。
「オレ?そりゃ、まあ…それなりには。……オレだって男ッスから」
『じゃ、じゃあこういうことも誰かとしたことあるの…?』
「バイトで途中までなら…あったかな」
『えっ…!?』
「あっ、いや!最後までするのは初めてッスよ。今日が……帝くんが初めてッス」
『…そうなんだ』
「?」
帝くんの顔を見ると嬉しそうにしている。
「えっと、どうしたんスか?」
『だってラギーって昔から何でも知ってるから、ラギーが初めてすることが一緒に出来て嬉しいなぁって思って…』
「なっ!」
「(何でそんなに可愛いこと言うんッスか!)」
そう口から出そうになった言葉を噛み殺す。
「もー、そんなこと言って。どうなっても知らないからな」
『んっ、んん…』
慣れないキスをしながら指を絡める。
「(…ほっそ、折れそう)」
華奢な指先に、脱がせてから改めてわかる体つきは幼い頃のものとは当然違って、今している行為自体がいけないことをしているような気分になる。
キスをしながら自分のものを出すと
『っ!!?』
「…ん?」
『そ、それって…』
帝くんが驚いた表情でオレの顔とそこを目で往復させる。
「帝くんの中に挿入れるんスよ」
『…は、はいるの?』
「んー、…多分」
『…っ』
少し泣きそうな顔をしている帝くんにオレもちょっとだけ怖じ気づく。
怖い思いはさせたくない。
「でも嫌ならしないッス」
『…っ!だ、大丈夫だよ!』
「本当…ッスか?」
『う、うん!』
「それなら…挿入るッスよ。……んっ」
帝くんの中にゆっくりと反応を見ながら挿入れていく。
『っ…!』
「…くっ」
『ぁっ…!』
『んっ…!んんっ!……い、いた…っ』
「…あ、ご、ごめ……やっぱ今日は止めておきま」
オレが先だけ挿入ったものを抜こうとすると
『だ、だめ!やめないで…っ』
帝くんの足がオレの腰を挟む。
「で、でも、帝くん…辛そうッスよ」
『それでもっ、いいからやめないで…。初めてはラギーがいいの…っ』
「帝くん…」
頭をふわっと触られるとちょっと泣いてるくせにオレに笑いかける。
『…ね、お願いだから』
「……本当に無理だったら我慢しないで言うんッスよ」
『ん…うん』
少しでもそこの意識を遠ざけようとキスをする。
『んっ、ふ…ふぁっ……んん』
「く、ぁっ」
舌を絡め、唾液を流しながらわざと音を出す。
ジュルジュル…
『ふ、うっ…うぅ、っあ』
受け止めきれていない唾液が帝くんの口の端を伝っていく。
「っ…帝くん、全部挿入ったッスよ」
『ほ、ほんと…?』
「…んっ、これから動くけど…気持ちよすぎてオレすぐィくかも…っ」
『ん、うん…っ』
「あ、はぁっ、う…っ」
挿入たものを少しずつ抜いてはまた奥まで挿入る。
帝くんが辛くならないようにするつもりだったけど、途中からきっと自分勝手に動いてしまった。
『ラギ…っ、ラギー……はぁっ、もうちょっ、と優しく…っして』
そんな声が聞こえた気がする。
「う……はぁっ、はぁっ…!」
『んんん…っ』
気持ちいいのか苦しいのかその目にはまた涙を溜めている。
「つ…辛いッスか?」
『う、ううん。大丈夫だから…ラギ、ラギーが気持ちよくなるまで…して』
ギュッと抱き付かれると出来るだけ優しくしてあげたいって気持ちが溢れる。
ペロペロと唇を舐めて
「帝くん、舌…出して?」
と言うとちょこんと出された舌先をペロペロと舐める。
『ん…やぁっ…、ラギ…ィ』
「帝くん…帝くんっ……してる」
『…っ』
「…、愛してる!」
『ふえっ…?』
「今までも、これから先も…ずっとずっとオレには帝くんだけッスから」
唇が触れるか触れないかのところで呟く。
『わ、私も…ラギーのこと、ずっとずっと大好き』
「うん」
『これからもラギーとずっと一緒にいたい…』
「…本当に?オレ、ハイエナッスよ?」
少し茶化しながらそう聞くと『そんなの関係ないよ』と彼女は笑う。
オレを受け止めてくれたその言葉に「ありがとう」と言った。
「っ…ん、あっ、帝くん、オレそろそろ…」
『っ…ん、うんっ』
しばらくしてガクガクとなると帝くんの中で果てる。
『っ…ん、ふ…ぁっ』
帝くんも途中で何度か軽くイッてたみたいだけど同時に果てたらしい。
息も絶え絶えで喋る余裕もなく宙を見ている。
『ねぇ、ラギー』
「何スか?」
『入学式の日のこと覚えてる?』
隣で寝ている帝くんは顔を半分だけ布団から覗かせている。
「あぁ…君が鏡の間まで行けなかったことッスか?」
『それもあるけど…中庭で会ったこと』
「あー、そうッスね…」
忘れる訳がない。
久しぶりに会えたことがどれだけ嬉しくて、そのことを隠すのにオレが必死だったこと…君は知らないでしょ?
『あのときね、中庭でキレイなお花を見つけたの』
「…花ッスか?」
『そう。それでね、何でか惹かれて近付いて行ったら思い出したんだけど…』
「うん」
『ラギーが初めて会った日に作ってくれた冠のお花だったんだよ』
「えっ…」
「(覚えてたんスか…)」
『あっ、もう覚えてない?ラギーと初めて会った日、ラギーが私にお花の冠作ってくれたんだよ』
「…」
『お、覚えてないなら大丈夫!私にとっての初恋だったから…その、忘れられないだけだから…』
そう言うと帝くんは布団に潜って顔を隠す。
『でも…そんなこと思い出してたらラギーが来てくれたんだよ』
「…っ」
その布団を剥ぐと顔を真っ赤にしている。
『えっ!…あ、あの』
「!」
帝くんを引き寄せて抱き締める。
「忘れる訳ないじゃないッスか……だってオレもあの日、初めて恋したんスから。オレも入学式の日に帝くんに会えて、すっごく嬉しかったんスよ」
『…そ、そうなの……?』
帝くんがオレの顔を見上げてビックリしている。
「そうなのっ!…シシシッ」
ギュッと抱き締めるとその温もりを返してくれる。
今はそれが幸せで、ずっとこうしていたくて。
「帝くんのこと、大好きって言ったら信じてくれます?」
『…う、うん!私もラギーのこと大好き』
その言葉を噛みしめるように少しの間が空くと
『ラギー、ありがとう!すっごく嬉しい!』
「っ!」
そう笑った君はあの日と変わらなく眩しい笑顔。
マジフトの朝練にはギリギリになって起こしに行ったレオナさんには怒られるし、
突っ伏して寝たからなのかヴィルさんには「顔が浮腫んでるわよ」って言われて顔をグリグリされるし、
飛行術の授業なのに箒忘れるし…
とにかくなーんにも手につかない。
頭をよぎるのは昨日の帝くんの顔だけ。
『おい、ラギー。てめぇ、今日はもういいから帰れ』
「えっ?何でッスか。レオナさん、オレのこと帰らせて午後の授業サボる気でしょ?」
『ちげぇよ。いいからもう帰れ。今日のてめぇは使い物にならねぇ』
「…っ!」
植物園で昼飯を食べた後のレオナさんに言われる。
『何考えてるか俺の知ったことじゃねぇが、対価を貰うにはそれなりに働かねぇと与えられねぇよな?』
「…そッスね」
レオナさんは寝転がると
『俺はもう寝るからお前はどっか行け』
と言って手をシッシッと払う。
「もー……午後の授業、ちゃんと出てくださいよね」
『…グゥ……グゥ』
「もう寝ちまったんスか…はぁ」
その場を立ち去ろうと植物園を出ると帝くんがひとりで歩いている。
『っ!?』
目が合うと帝くんはオレから逃げるように走り出す。
「あっ、ちょっと待っ…」
追い掛けるとすぐにその後ろ姿を掴まえることが出来る。
帝くんの手首を引くとオレの方に振り返る。
『…っ!離してよラギー!お友達やめるって昨日言ったでしょ!』
「昨日のこと謝りたくて…つか、オレの話聞いてほしいッス!」
『私は話すことなんてない!それに今から昨日の人にお付き合いの返事しに行くんだから…邪魔しないで!』
「…っ…………ダメッスよ」
『何がダメなの!?……ラギーにそんなこと言われる筋合、ないよ!』
「違う……ダメなんじゃなくて…嫌だ」
『っ?』
「帝くんが誰かと付き合うとか…考えるとすげぇ嫌」
「期待なんてしてないけど、でも…今更誰かに横取りされるとかふざけんな!」
ビクッ
『ラ…ラギー?言ってることがよく分からな…んっ』
帝くんの口を塞ぐ。
『…なっな、な……え、えっ?』
「…これでも分からないんスか?」
「オレ、帝くんのことずっと好きで。……初めて会った日から大好きなんスよ」
帝くんが目を丸くして、オレを見る顔が段々と赤くなっている。
「でも君とオレとじゃ釣り合わないのも分かってるし。だからどうにかして忘れたいってのもあってここに入学したのに…帝くんが入学してくるから」
「君のこと、忘れられなくなっちゃったんスよ」
「でも、今日で本当に終わりにするんで…さっきのキスは今までのバイト代の帳尻合わせってことで。……ゴメン」
きっと怒られるんだろう。
これで本当に全部が終わるんだろう。
オレの顔を見ながら何か言いたそうにしている帝くんの言葉を待つ。
『…バカ。ラギーのバカァ!』
「…っ」
さっきはあんなこと言ったけどやっぱり強引に…多分、帝くんのファーストキスをしてしまったことに少し後悔をする。
『…私も……ラギーのこと好きなのに』
「………えっ?」
『ラギーのこと、私もずっと好きなの…』
聞き逃しそうな程小さな声で告白される。
『昨日ラギーが応援してくれたら、私もこの気持ち諦めようとしてたのに…っ』
帝くんはプルプルと震えながらスカートの裾を握り締める。
『応援もしてくれないし、意地悪なこと言うからどうしていいか分からなくて』
『それに、何も言わないで居なくなっちゃったからホリデーに帰ってくるの楽しみに待ってたのに会えないし』
『入学しても私から話しかけないとラギーからはお話してくれないし…』
相当悩んだのか、今までのことを爆発させるように話される。
『昨日ユウさんにも相談したけど解決しないし…』
「(ん?)」
「ちょっと待った。ユウさんってレオナさんの彼女の?」
『ん?…うん』
「あーそうッスか。そういうことッスか…」
「(くっそ、あの人それで…)」
『?』
「あ、何でもないッスよ」
『あ、あと何があったっけ…?とにかく、たくさんラギーのこと考えたの!』
「うん、分かったッスよ。……帝くん」
自分の腕の中に帝くんを抱き寄せてもう一度軽くキスをする。
『っん…』
触れるだけのキスで恥ずかしそうにしている帝くんに意地悪をしたくなる。
「……あっ、でもオレたちお友達やめたんでしたっけ?」
『そ、それは!』
チュッ
『っ!?』
「へへっ、それなら今からはオレの彼女になってほしいッス」
おデコにキスをした後、帝くんを見ると「…はい」と照れながら微笑んでくれた。
『やっ、やだ…ラギ…ッ』
ピチャピチャ…
『も、もういいっ…もう、やめて…っ』
「でも、あとで痛いって言われても知らないッスよ?」
『だ、だって…こんなの恥ずかしくて』
帝くんの足を開いてそこに顔を埋め、指で中を弄ったり舌を入れる。
『あっ、だからやだ…やだぁ』
顔を隠しながら小さな声で喘ぐ帝くん。
キュッと指を締め付けられると呼吸をする息が荒々しくなっている。
「…イッたんスか?」
『…はぁ…はぁっ、はぁ………ィく…?』
「あっ、いや…何でもないッス」
今まで触りたくても触れなかった部分に、想像でしかなかった部分に触れる。
「ちなみにこういうこと、ひとりでシたことあるんスか?」
『えっ…、な、ないよ。だってどうやってひとりでするの?』
「あー、えっと……」
返事に口ごもっていると
『ラ、ラギーはその…ひとりでしたことあるの?』
と、帝くんから聞かれる。
「オレ?そりゃ、まあ…それなりには。……オレだって男ッスから」
『じゃ、じゃあこういうことも誰かとしたことあるの…?』
「バイトで途中までなら…あったかな」
『えっ…!?』
「あっ、いや!最後までするのは初めてッスよ。今日が……帝くんが初めてッス」
『…そうなんだ』
「?」
帝くんの顔を見ると嬉しそうにしている。
「えっと、どうしたんスか?」
『だってラギーって昔から何でも知ってるから、ラギーが初めてすることが一緒に出来て嬉しいなぁって思って…』
「なっ!」
「(何でそんなに可愛いこと言うんッスか!)」
そう口から出そうになった言葉を噛み殺す。
「もー、そんなこと言って。どうなっても知らないからな」
『んっ、んん…』
慣れないキスをしながら指を絡める。
「(…ほっそ、折れそう)」
華奢な指先に、脱がせてから改めてわかる体つきは幼い頃のものとは当然違って、今している行為自体がいけないことをしているような気分になる。
キスをしながら自分のものを出すと
『っ!!?』
「…ん?」
『そ、それって…』
帝くんが驚いた表情でオレの顔とそこを目で往復させる。
「帝くんの中に挿入れるんスよ」
『…は、はいるの?』
「んー、…多分」
『…っ』
少し泣きそうな顔をしている帝くんにオレもちょっとだけ怖じ気づく。
怖い思いはさせたくない。
「でも嫌ならしないッス」
『…っ!だ、大丈夫だよ!』
「本当…ッスか?」
『う、うん!』
「それなら…挿入るッスよ。……んっ」
帝くんの中にゆっくりと反応を見ながら挿入れていく。
『っ…!』
「…くっ」
『ぁっ…!』
『んっ…!んんっ!……い、いた…っ』
「…あ、ご、ごめ……やっぱ今日は止めておきま」
オレが先だけ挿入ったものを抜こうとすると
『だ、だめ!やめないで…っ』
帝くんの足がオレの腰を挟む。
「で、でも、帝くん…辛そうッスよ」
『それでもっ、いいからやめないで…。初めてはラギーがいいの…っ』
「帝くん…」
頭をふわっと触られるとちょっと泣いてるくせにオレに笑いかける。
『…ね、お願いだから』
「……本当に無理だったら我慢しないで言うんッスよ」
『ん…うん』
少しでもそこの意識を遠ざけようとキスをする。
『んっ、ふ…ふぁっ……んん』
「く、ぁっ」
舌を絡め、唾液を流しながらわざと音を出す。
ジュルジュル…
『ふ、うっ…うぅ、っあ』
受け止めきれていない唾液が帝くんの口の端を伝っていく。
「っ…帝くん、全部挿入ったッスよ」
『ほ、ほんと…?』
「…んっ、これから動くけど…気持ちよすぎてオレすぐィくかも…っ」
『ん、うん…っ』
「あ、はぁっ、う…っ」
挿入たものを少しずつ抜いてはまた奥まで挿入る。
帝くんが辛くならないようにするつもりだったけど、途中からきっと自分勝手に動いてしまった。
『ラギ…っ、ラギー……はぁっ、もうちょっ、と優しく…っして』
そんな声が聞こえた気がする。
「う……はぁっ、はぁっ…!」
『んんん…っ』
気持ちいいのか苦しいのかその目にはまた涙を溜めている。
「つ…辛いッスか?」
『う、ううん。大丈夫だから…ラギ、ラギーが気持ちよくなるまで…して』
ギュッと抱き付かれると出来るだけ優しくしてあげたいって気持ちが溢れる。
ペロペロと唇を舐めて
「帝くん、舌…出して?」
と言うとちょこんと出された舌先をペロペロと舐める。
『ん…やぁっ…、ラギ…ィ』
「帝くん…帝くんっ……してる」
『…っ』
「…、愛してる!」
『ふえっ…?』
「今までも、これから先も…ずっとずっとオレには帝くんだけッスから」
唇が触れるか触れないかのところで呟く。
『わ、私も…ラギーのこと、ずっとずっと大好き』
「うん」
『これからもラギーとずっと一緒にいたい…』
「…本当に?オレ、ハイエナッスよ?」
少し茶化しながらそう聞くと『そんなの関係ないよ』と彼女は笑う。
オレを受け止めてくれたその言葉に「ありがとう」と言った。
「っ…ん、あっ、帝くん、オレそろそろ…」
『っ…ん、うんっ』
しばらくしてガクガクとなると帝くんの中で果てる。
『っ…ん、ふ…ぁっ』
帝くんも途中で何度か軽くイッてたみたいだけど同時に果てたらしい。
息も絶え絶えで喋る余裕もなく宙を見ている。
『ねぇ、ラギー』
「何スか?」
『入学式の日のこと覚えてる?』
隣で寝ている帝くんは顔を半分だけ布団から覗かせている。
「あぁ…君が鏡の間まで行けなかったことッスか?」
『それもあるけど…中庭で会ったこと』
「あー、そうッスね…」
忘れる訳がない。
久しぶりに会えたことがどれだけ嬉しくて、そのことを隠すのにオレが必死だったこと…君は知らないでしょ?
『あのときね、中庭でキレイなお花を見つけたの』
「…花ッスか?」
『そう。それでね、何でか惹かれて近付いて行ったら思い出したんだけど…』
「うん」
『ラギーが初めて会った日に作ってくれた冠のお花だったんだよ』
「えっ…」
「(覚えてたんスか…)」
『あっ、もう覚えてない?ラギーと初めて会った日、ラギーが私にお花の冠作ってくれたんだよ』
「…」
『お、覚えてないなら大丈夫!私にとっての初恋だったから…その、忘れられないだけだから…』
そう言うと帝くんは布団に潜って顔を隠す。
『でも…そんなこと思い出してたらラギーが来てくれたんだよ』
「…っ」
その布団を剥ぐと顔を真っ赤にしている。
『えっ!…あ、あの』
「!」
帝くんを引き寄せて抱き締める。
「忘れる訳ないじゃないッスか……だってオレもあの日、初めて恋したんスから。オレも入学式の日に帝くんに会えて、すっごく嬉しかったんスよ」
『…そ、そうなの……?』
帝くんがオレの顔を見上げてビックリしている。
「そうなのっ!…シシシッ」
ギュッと抱き締めるとその温もりを返してくれる。
今はそれが幸せで、ずっとこうしていたくて。
「帝くんのこと、大好きって言ったら信じてくれます?」
『…う、うん!私もラギーのこと大好き』
その言葉を噛みしめるように少しの間が空くと
『ラギー、ありがとう!すっごく嬉しい!』
「っ!」
そう笑った君はあの日と変わらなく眩しい笑顔。