荼毘(燈矢)短編
名前変換が必要な場合はどうぞ
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
増えて行く火傷、どれだけ抱かれても一番にはなれないと分かっている。思い知らされるほど、手離したくなくなるのは何故だろう。
ボロボロになりながら息をしている彼に、私が出来ることなんか何もない。
それでも寝食を共にしていれば湧き上がる情の類いに明確な肩書きを付けることを嫌がるのはお互い様だった。一番を欲しがってはいけない。
だからと言って二番に成り下がりたい訳でもない。だったら土俵に上がらなければ良いだけの話だ。
キスをして、体を重ねて、共に朝日を見たところで、私たちは何にもなれやしない。
彼のパパにも、ママにもなれない。
「……ばかだなぁ」
だから彼は何も言わないし、何も残さなかった。
さよならも、またねも言わずに、どこかへ消えてしまった。灰色の空だけが私を見ている。
「好きか嫌いかだけでも、聞いておけばよかったな」
さようなら、つぎはぎのワルツ。どうか私の知らないところで、笑っていてね。
ボロボロになりながら息をしている彼に、私が出来ることなんか何もない。
それでも寝食を共にしていれば湧き上がる情の類いに明確な肩書きを付けることを嫌がるのはお互い様だった。一番を欲しがってはいけない。
だからと言って二番に成り下がりたい訳でもない。だったら土俵に上がらなければ良いだけの話だ。
キスをして、体を重ねて、共に朝日を見たところで、私たちは何にもなれやしない。
彼のパパにも、ママにもなれない。
「……ばかだなぁ」
だから彼は何も言わないし、何も残さなかった。
さよならも、またねも言わずに、どこかへ消えてしまった。灰色の空だけが私を見ている。
「好きか嫌いかだけでも、聞いておけばよかったな」
さようなら、つぎはぎのワルツ。どうか私の知らないところで、笑っていてね。
1/1ページ