勝己短編
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雨の日は頭が痛いし体も重い。ついでに機嫌も悪くなってしまう気がして、私は雨の日が好きになれなかった。
「メシ」
出来たぞ、と言いかけた勝己が眉間にシワを寄せながらこっちを見ている。
「しんどいんか」
「……ちょっと」
返事をすると何も言わずにキッチンに戻っていく。何なの、と言いかけたところでまた自分の機嫌が悪くなっていることに気付いて自己嫌悪。雨の日は情緒不安定になりやすいからいけない。
思考回路をぐるぐるさせていると、レンジで温めるタイプのカイロとブランケットを持った勝己がソファーにどすんと腰かける。
「来い」
「なに」
「いいから来い」
ぐい、と引き寄せられ、腕の中に納まる。そうして私のお腹にカイロを置いて腕とブランケットに包まれてしまった。あったかい。
「クーラーの真下で凍えてっから天気痛も酷くなるんだろーが」
「……あっためてくれるの」
「ん」
鍛えられた両腕、背中から伝わる体温。言葉や態度とは裏腹に、それがひどく優しくて泣きそうになってしまう。
「ちょっとだけ、こうしててね」
すり寄っても拒否されない、不器用な優しさが愛おしい。
この腕の中なら、雨の日も少しは好きになれそうだった。
「メシ」
出来たぞ、と言いかけた勝己が眉間にシワを寄せながらこっちを見ている。
「しんどいんか」
「……ちょっと」
返事をすると何も言わずにキッチンに戻っていく。何なの、と言いかけたところでまた自分の機嫌が悪くなっていることに気付いて自己嫌悪。雨の日は情緒不安定になりやすいからいけない。
思考回路をぐるぐるさせていると、レンジで温めるタイプのカイロとブランケットを持った勝己がソファーにどすんと腰かける。
「来い」
「なに」
「いいから来い」
ぐい、と引き寄せられ、腕の中に納まる。そうして私のお腹にカイロを置いて腕とブランケットに包まれてしまった。あったかい。
「クーラーの真下で凍えてっから天気痛も酷くなるんだろーが」
「……あっためてくれるの」
「ん」
鍛えられた両腕、背中から伝わる体温。言葉や態度とは裏腹に、それがひどく優しくて泣きそうになってしまう。
「ちょっとだけ、こうしててね」
すり寄っても拒否されない、不器用な優しさが愛おしい。
この腕の中なら、雨の日も少しは好きになれそうだった。
