勝己短編
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彼と休みが合う事は滅多にない。一般的な休日やイベント日こそ仕事になるのがヒーローの役目だからだ。
それでも成人式くらいは一緒に出たかったなと思う。まぁ、そんな我儘は言えないけれど。チャートに乗り始めた彼はヒロスで登壇するらしい。
成人式が始まって、市長の長い挨拶の後
ベストジーニストさんと並んで出てきた彼は不貞腐れているのかにこりともしていない。
ジーニストさんの挨拶の後に促されて読み上げる挨拶は恐らくジーニストさんが作った原稿だろう。彼にしては比較的まともな成人代表挨拶だな、と思ったら少し笑ってしまった。
全ての来賓の挨拶が終わる頃、式典のためにマナーモードにしていたスマホが震える。退場する人混みを待ちながら確認すると、爆豪からだった。
すぐ帰るな、とだけ書かれた短いメッセージを不思議に思いながらどこで待てば良いのか分からず、そのまま会場に留まることにした。
「悪ィ、待たせた」
爆豪の声が聞こえた方に振り向けば、紋付袴姿の彼が立っていた。
「えっ、さっきまでヒロスだったのに」
「お前が着物なのは分かっとった」
髪のセットは免れた、と笑っている辺り、ジーニストさんが色々と時間を作ってくれたのだろう。
「まぁまぁ良いんじゃねぇの」
「綺麗だねとか言ってくれないの」
「ばぁか、どっちかっつーとかわいいだ、ろ……」
と、そこまで言って思わず出てしまっただけなのか、少し照れている爆豪がかわいくて。
思わず抱き着いてしまいそうになるけど、着物が邪魔をした。せめて写真を一緒に撮りたくてスマホを構えると、今日は嫌がらずに画面に入ってくれた。
アプリは嫌がるのでノーマルカメラで撮った写真は、2人とも何となくにこにこしている気がした。
「ジーパン呼んで良いか」
「用事なら待ってるよ」
「ちげぇ、写真」
そう言って電話をかけると近くで待機してくれていたのか、彼を待っていたのか、すぐに来てくれた。
「どうしたんだい爆豪、時間ならまだ」
「写真」
「あぁ、2人の写真が欲しい、と」
にこにこ笑うジーニストさんに文句を言いつつ、爆豪は私の隣に並ぶ。優しそうに笑うジーニストさんは、爆豪のスマホで何枚か写真を撮ってくれた。
後で送ってくれ、嫌だ、の押し問答をしながら、写真が私のスマホに送られてくる。
「まるで家族写真のようだね、いや、ウェディングフォトか」
「あの、そんな……!」
私が否定しようと爆豪の顔を伺うと、得意げな顔で笑っている。
「だからジーパンにはやらねぇ」
「おやおや、ブルーデニムにあてられてしまうよ」
時間まではゆっくりしなさい、と言われてジーニストさんは行ってしまう。
「ねぇ、爆豪……?」
「着飾ったお前も悪くねぇ」
「否定しないの?」
「予行練習だろ、本番はドレスでも着物でも選ばしたる」
「じゃあタキシードの爆豪が見たい、です」
「楽しみにしとけや」
「……うん!」
それでも成人式くらいは一緒に出たかったなと思う。まぁ、そんな我儘は言えないけれど。チャートに乗り始めた彼はヒロスで登壇するらしい。
成人式が始まって、市長の長い挨拶の後
ベストジーニストさんと並んで出てきた彼は不貞腐れているのかにこりともしていない。
ジーニストさんの挨拶の後に促されて読み上げる挨拶は恐らくジーニストさんが作った原稿だろう。彼にしては比較的まともな成人代表挨拶だな、と思ったら少し笑ってしまった。
全ての来賓の挨拶が終わる頃、式典のためにマナーモードにしていたスマホが震える。退場する人混みを待ちながら確認すると、爆豪からだった。
すぐ帰るな、とだけ書かれた短いメッセージを不思議に思いながらどこで待てば良いのか分からず、そのまま会場に留まることにした。
「悪ィ、待たせた」
爆豪の声が聞こえた方に振り向けば、紋付袴姿の彼が立っていた。
「えっ、さっきまでヒロスだったのに」
「お前が着物なのは分かっとった」
髪のセットは免れた、と笑っている辺り、ジーニストさんが色々と時間を作ってくれたのだろう。
「まぁまぁ良いんじゃねぇの」
「綺麗だねとか言ってくれないの」
「ばぁか、どっちかっつーとかわいいだ、ろ……」
と、そこまで言って思わず出てしまっただけなのか、少し照れている爆豪がかわいくて。
思わず抱き着いてしまいそうになるけど、着物が邪魔をした。せめて写真を一緒に撮りたくてスマホを構えると、今日は嫌がらずに画面に入ってくれた。
アプリは嫌がるのでノーマルカメラで撮った写真は、2人とも何となくにこにこしている気がした。
「ジーパン呼んで良いか」
「用事なら待ってるよ」
「ちげぇ、写真」
そう言って電話をかけると近くで待機してくれていたのか、彼を待っていたのか、すぐに来てくれた。
「どうしたんだい爆豪、時間ならまだ」
「写真」
「あぁ、2人の写真が欲しい、と」
にこにこ笑うジーニストさんに文句を言いつつ、爆豪は私の隣に並ぶ。優しそうに笑うジーニストさんは、爆豪のスマホで何枚か写真を撮ってくれた。
後で送ってくれ、嫌だ、の押し問答をしながら、写真が私のスマホに送られてくる。
「まるで家族写真のようだね、いや、ウェディングフォトか」
「あの、そんな……!」
私が否定しようと爆豪の顔を伺うと、得意げな顔で笑っている。
「だからジーパンにはやらねぇ」
「おやおや、ブルーデニムにあてられてしまうよ」
時間まではゆっくりしなさい、と言われてジーニストさんは行ってしまう。
「ねぇ、爆豪……?」
「着飾ったお前も悪くねぇ」
「否定しないの?」
「予行練習だろ、本番はドレスでも着物でも選ばしたる」
「じゃあタキシードの爆豪が見たい、です」
「楽しみにしとけや」
「……うん!」