勝己短編
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さむくなったな、と思う。
土曜日の朝、目が覚めると毛布から出ている頬はひんやりしていた。けれど不思議とぽかぽかしているのは、素肌で寄り添ってくれている勝己が私の背に腕を回してくれているからだろう。寝息を立てている彼はいつもより幼く見える。
傷だらけの腕は私にとっても勲章で。こんな時に私だけを守るようにある彼の存在は、どうしようもなく愛おしかった。
「……起きたンか」
「起こしちゃった?ごめんね」
もぞもぞと動いていたのに気付いたのか、彼は薄く目を開ける。苛烈な赤い瞳も、今はゆるく微睡んでいた。
「腹減ってんなら何か作る」
スマホに手を伸ばして時間を確認している彼は、朝ごはんには問題ない時間だと判断したのだろう。起き上がる準備を始めたので、擦り寄ってそれを拒否する。
「もうちょっと、こうしてたい。……だめ?」
「駄目じゃねーわ」
くすくすと笑った彼が、胸元に引き寄せてくれる。どくん、どくん、と規則正しく鳴る心臓の音は、私をまた夢の世界へと連れて行ってくれそうだった。
世界一安心する、勝己のしんぞうの、おと。生きてるんだな、って思える瞬間がすき。
「あのね」
「ん、」
「今日も、好きだなぁって」
「わぁってる」
ぽんぽんと背中を叩かれてゆっくりと眠りに落ちていく。休みの午前中を最高に贅沢な使い方をして、私たちは両目を伏せた。
土曜日の朝、目が覚めると毛布から出ている頬はひんやりしていた。けれど不思議とぽかぽかしているのは、素肌で寄り添ってくれている勝己が私の背に腕を回してくれているからだろう。寝息を立てている彼はいつもより幼く見える。
傷だらけの腕は私にとっても勲章で。こんな時に私だけを守るようにある彼の存在は、どうしようもなく愛おしかった。
「……起きたンか」
「起こしちゃった?ごめんね」
もぞもぞと動いていたのに気付いたのか、彼は薄く目を開ける。苛烈な赤い瞳も、今はゆるく微睡んでいた。
「腹減ってんなら何か作る」
スマホに手を伸ばして時間を確認している彼は、朝ごはんには問題ない時間だと判断したのだろう。起き上がる準備を始めたので、擦り寄ってそれを拒否する。
「もうちょっと、こうしてたい。……だめ?」
「駄目じゃねーわ」
くすくすと笑った彼が、胸元に引き寄せてくれる。どくん、どくん、と規則正しく鳴る心臓の音は、私をまた夢の世界へと連れて行ってくれそうだった。
世界一安心する、勝己のしんぞうの、おと。生きてるんだな、って思える瞬間がすき。
「あのね」
「ん、」
「今日も、好きだなぁって」
「わぁってる」
ぽんぽんと背中を叩かれてゆっくりと眠りに落ちていく。休みの午前中を最高に贅沢な使い方をして、私たちは両目を伏せた。