勝己短編
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こんな関係よくない、と思ってはいるけれど。さみしくなると連絡をしてしまう私が悪い。でも都合がつけば例えそれが夜中でも来てくれる勝己も悪いし、まるであやすように優しく抱いてくれる彼はもっと悪い、と思う。
けど絶対に朝まで一緒にいてくれない。今日も私が起きた時にはローテーブルに書置きが残っているだけだった。「寒いらしいから厚着しろ」とだけ残されたメモに悪気はないだろう。でも何となく悔しくてくしゃくしゃに丸めてゴミ箱へ放り投げた。
抱かれた後はどうしてもひどく眠くなってしまう体質のせいで、いつも勝己が出て行く瞬間を見れたことがない。
「……好きだ」
だから眠った私を背に着替えた勝己が、出て行く前に優しい顔で私に愛を囁いて、キスをしていたなんて、知らなかった。
「いかない、で」
「……起きとったンか」
やっちまった、と言わんばかりの態度で頭をくしゃくしゃと掻いた勝己は、観念したのか自分のスペースが空いたベッドに腰かけた。必ず壁側を私にしていたのも、抜け出しやすくするためだったんだな、と思う。
「なんでいつも帰っちゃうの」
「離せなくなるから」
深い息を吐きながら、私の髪を撫でる。言うつもりはなかったと語る態度は崩さない。
「俺のモンだって、閉じ込めたくなっちまう」
好きだから一緒にいたくないと言う勝己は、苦虫を潰したような顔をしている。ここで勝己への言葉を間違えたら、二度と顔が見られなくなる気がした。
「私もすきだって言ったら、ここにいてくれる?」
「好きなんかよ」
さみしくなると会いたくなって、朝いないとさみしくなって。
つまり私はいつだって、会いたいのだ。これを好意と言わずして、何と呼べばいいのか、分からなかった。
「いつも朝、さみしかった」
「……ん、そうか」
「離さないで」
優しく撫でられて、とろとろと瞼が落ちて行く。
翌朝、初めて見れた寝顔が愛おしくて、気付いた勝己に抱き寄せられて、初めてさみしくなかった。
けど絶対に朝まで一緒にいてくれない。今日も私が起きた時にはローテーブルに書置きが残っているだけだった。「寒いらしいから厚着しろ」とだけ残されたメモに悪気はないだろう。でも何となく悔しくてくしゃくしゃに丸めてゴミ箱へ放り投げた。
抱かれた後はどうしてもひどく眠くなってしまう体質のせいで、いつも勝己が出て行く瞬間を見れたことがない。
「……好きだ」
だから眠った私を背に着替えた勝己が、出て行く前に優しい顔で私に愛を囁いて、キスをしていたなんて、知らなかった。
「いかない、で」
「……起きとったンか」
やっちまった、と言わんばかりの態度で頭をくしゃくしゃと掻いた勝己は、観念したのか自分のスペースが空いたベッドに腰かけた。必ず壁側を私にしていたのも、抜け出しやすくするためだったんだな、と思う。
「なんでいつも帰っちゃうの」
「離せなくなるから」
深い息を吐きながら、私の髪を撫でる。言うつもりはなかったと語る態度は崩さない。
「俺のモンだって、閉じ込めたくなっちまう」
好きだから一緒にいたくないと言う勝己は、苦虫を潰したような顔をしている。ここで勝己への言葉を間違えたら、二度と顔が見られなくなる気がした。
「私もすきだって言ったら、ここにいてくれる?」
「好きなんかよ」
さみしくなると会いたくなって、朝いないとさみしくなって。
つまり私はいつだって、会いたいのだ。これを好意と言わずして、何と呼べばいいのか、分からなかった。
「いつも朝、さみしかった」
「……ん、そうか」
「離さないで」
優しく撫でられて、とろとろと瞼が落ちて行く。
翌朝、初めて見れた寝顔が愛おしくて、気付いた勝己に抱き寄せられて、初めてさみしくなかった。
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