ホークス短編
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「初詣?毎年警備はしてましたけど」
そんなことを言う彼を、初めての初詣に連れ出した。三が日と言うこともあって、神社はとても賑わっている。
「そう言えば除夜の鐘は寺なのに、初詣は神社なんですね」
「お寺でも良いと思う、けど。多分。」
何となく近くの神社を選んだだけなので、私も詳しく知っている訳ではない。
疑問を解消出来なくて申し訳ないが、神社に到着してしまったので仕方ないと思って貰おう。
長蛇の列に並び、小銭を渡して、作法を教える。神社によって手を叩く回数が違ったりするからだ。
「何で住所を唱えるんです?」
「分かんないけど、そう言えっておばあちゃんが」
住所から名前、最後にお願いごと。少なくとも私はそう教わったので、彼にも同じように伝える。
「どこの住所なら分かって貰えますかね」
「あー、セーフハウス。1番居ることが多い家にしたら?」
「1番……なら貴女の家で良いですよね」
「ほんっとそーゆーとこ!」
結局どの住所にしたのかは分からないけれど、私がお参りを済ませると既に終わっていた彼が隅っこで待っていた。
「熱心に祈ってましたね」
「そう?こんなもんじゃないかな」
彼が怪我をしませんようになんて、それくらいだ。
「あの、もしかしてこれで終わりですか」
「あとはおみくじとかお守りとか、買ったり買わなかったりかな」
「これだけのためにみなさん元旦は夜中から並んでたんですか?!」
「そうだよ、いつも警備してくれてありがとう」
「神頼みのために夜中から……」
理解出来ない、と言いたいのだろう。
確かにたったこれだけのために寒い中、と言われればそうなのかもしれない。けれどまぁ、習慣みたいな物だ。
「記念にお守りでも買おうか、えっと、……交通安全?」
「俺につける気です?」
「普通は車とかだろうけど」
笑いながらお守りの列に並んで、健康と交通のお守りを買って渡す。
彼は少し悩んでから家内安全を買って私に渡してくれた。
「くれるの?」
「交換ってことで」
配られていた甘酒を飲みながら帰路につく。
「……こう言う一般的なセオリーを知らない事が多いんです、知識と経験は別ですし」
ぽつり、と呟く彼は少し遠いところを見ているようで、楽しそうだ。
「だからこれからも、色々連れ回してくださいね」
手を握って、にっこり笑う。
「今年もよろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくね」
当たり前を君と過ごしたい。それだけできっと、毎日が幸せだから。
そんなことを言う彼を、初めての初詣に連れ出した。三が日と言うこともあって、神社はとても賑わっている。
「そう言えば除夜の鐘は寺なのに、初詣は神社なんですね」
「お寺でも良いと思う、けど。多分。」
何となく近くの神社を選んだだけなので、私も詳しく知っている訳ではない。
疑問を解消出来なくて申し訳ないが、神社に到着してしまったので仕方ないと思って貰おう。
長蛇の列に並び、小銭を渡して、作法を教える。神社によって手を叩く回数が違ったりするからだ。
「何で住所を唱えるんです?」
「分かんないけど、そう言えっておばあちゃんが」
住所から名前、最後にお願いごと。少なくとも私はそう教わったので、彼にも同じように伝える。
「どこの住所なら分かって貰えますかね」
「あー、セーフハウス。1番居ることが多い家にしたら?」
「1番……なら貴女の家で良いですよね」
「ほんっとそーゆーとこ!」
結局どの住所にしたのかは分からないけれど、私がお参りを済ませると既に終わっていた彼が隅っこで待っていた。
「熱心に祈ってましたね」
「そう?こんなもんじゃないかな」
彼が怪我をしませんようになんて、それくらいだ。
「あの、もしかしてこれで終わりですか」
「あとはおみくじとかお守りとか、買ったり買わなかったりかな」
「これだけのためにみなさん元旦は夜中から並んでたんですか?!」
「そうだよ、いつも警備してくれてありがとう」
「神頼みのために夜中から……」
理解出来ない、と言いたいのだろう。
確かにたったこれだけのために寒い中、と言われればそうなのかもしれない。けれどまぁ、習慣みたいな物だ。
「記念にお守りでも買おうか、えっと、……交通安全?」
「俺につける気です?」
「普通は車とかだろうけど」
笑いながらお守りの列に並んで、健康と交通のお守りを買って渡す。
彼は少し悩んでから家内安全を買って私に渡してくれた。
「くれるの?」
「交換ってことで」
配られていた甘酒を飲みながら帰路につく。
「……こう言う一般的なセオリーを知らない事が多いんです、知識と経験は別ですし」
ぽつり、と呟く彼は少し遠いところを見ているようで、楽しそうだ。
「だからこれからも、色々連れ回してくださいね」
手を握って、にっこり笑う。
「今年もよろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくね」
当たり前を君と過ごしたい。それだけできっと、毎日が幸せだから。