ホークス短編
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「空も良いですが、地上も悪くないですよ」
含みを持った笑顔で隣を歩く彼は、ずっとご機嫌だ。少しだけ普段より着飾って冬の雑踏を歩く。人にぶつかりそうになる街中は、寒さのせいもあって身が縮まってしまい、余計に歩きにくい。
「何でそんなに楽しそうなの」
「あなたがいるから」
軽やかな足取りを崩さない彼は何でもないことのようにそう言って、きょろきょろと辺りを見回している。
「冬のイルミネーションも良いです」
「大した物じゃないのに」
豪奢な電飾はなく、多少店先が飾られている程度の物だ。
それを楽しそうにあれが綺麗、あっちはかわいい、と一つずつ見て笑っている。そんなにイルミネーションが好きなら、駅前の大きなツリーでも見に行くかと問えば、そうじゃないと首を振った。
「俺ね、夢だったんです」
「……夢?」
「好きな人とこうして、何でもない時間を過ごすことが」
だから楽しいんです、とまるで子供のような笑顔を浮かべる彼はきっと引く手あまたで。やろうと思えばこんな時間、誰とでも過ごせただろう。
それなのに、その相手に私を選んだのか。何だかむず痒くなって、顔が見れなくなる。
「……ほ、他は?」
「他?」
「夢。ないの?」
「買い物の荷物持ちしてみたいです。どっちが似合う?とか言われてみたい。あとファミレスでパフェとか?」
「何それ」
思わず笑ってしまうくらいの、些細な夢。当たり前のような、日常の、ゆめ。
「ファミレスでパフェなら今日叶えてあげる」
顔を見合わせて笑う。するり、と指を絡めれば手を握ってくれる。そんな当たり前を、日常だと思えるように。そんな日々を受け取ることが、特別にならないように。
君の些細な夢を、私が全部叶えてあげたい。
含みを持った笑顔で隣を歩く彼は、ずっとご機嫌だ。少しだけ普段より着飾って冬の雑踏を歩く。人にぶつかりそうになる街中は、寒さのせいもあって身が縮まってしまい、余計に歩きにくい。
「何でそんなに楽しそうなの」
「あなたがいるから」
軽やかな足取りを崩さない彼は何でもないことのようにそう言って、きょろきょろと辺りを見回している。
「冬のイルミネーションも良いです」
「大した物じゃないのに」
豪奢な電飾はなく、多少店先が飾られている程度の物だ。
それを楽しそうにあれが綺麗、あっちはかわいい、と一つずつ見て笑っている。そんなにイルミネーションが好きなら、駅前の大きなツリーでも見に行くかと問えば、そうじゃないと首を振った。
「俺ね、夢だったんです」
「……夢?」
「好きな人とこうして、何でもない時間を過ごすことが」
だから楽しいんです、とまるで子供のような笑顔を浮かべる彼はきっと引く手あまたで。やろうと思えばこんな時間、誰とでも過ごせただろう。
それなのに、その相手に私を選んだのか。何だかむず痒くなって、顔が見れなくなる。
「……ほ、他は?」
「他?」
「夢。ないの?」
「買い物の荷物持ちしてみたいです。どっちが似合う?とか言われてみたい。あとファミレスでパフェとか?」
「何それ」
思わず笑ってしまうくらいの、些細な夢。当たり前のような、日常の、ゆめ。
「ファミレスでパフェなら今日叶えてあげる」
顔を見合わせて笑う。するり、と指を絡めれば手を握ってくれる。そんな当たり前を、日常だと思えるように。そんな日々を受け取ることが、特別にならないように。
君の些細な夢を、私が全部叶えてあげたい。