ホークス短編
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初めてホークスが家に遊びに来てくれた。これはお家デートと言う物だろうか。
本当は出かける予定だったけど、急な出動が入ったので待ち合わせ場所に行かず家で待っていて欲しいと連絡があったのだ。仕事のことは理解しているし、突発的な予定変更も気にしてはいない。
どうせ家で待っているなら、疲れもあるだろうしそのままお家ご飯にしようか、と提案したところ了承を得たので招待したと言う訳だ。
一人暮らしのワンルーム、大した家具はなくシンプルな部屋だと思う。招かれたホークスは落ち着かない様子でそわそわしていて、キッチンにいる私を何度も確認していた。
「どうしたの」
「他人のプライベートなテリトリーに入る事って、あんまりないんで……」
「テリトリーって、大げさな!」
まぁでも私が逆の立場だったら、ホークスの部屋でそわそわしてしまうかもしれないなと思いつつ、後は盛り付けるだけになった料理を見つめる。
「じゃあ折角だし手伝ってもらおうかな」
「いいんですか?」
「男子台所に入るべからず主義?」
「いいえ、喜んで手伝います!」
一人暮らしのせいでセットの食器だ足りずにちぐはぐになってしまうのは許してもらうとして、料理を盛り付けている間に箸やコップの場所を伝えて運んでもらう。
小さなローテーブルに並べるには少し窮屈だったけれど、乗らない訳ではない。
「……夕飯の手伝い、初めてしたんスよ」
何とも言えない表情を浮かべながら、出来上がった親子丼と味噌汁を眺めている。焼きたての油揚げに乗った鰹節が、ふわふわ揺れる。
「やってみて、どうだった?」
「嫌じゃないです、でも、不思議な感覚と言うか」
「今度は作るところから一緒にやってみる?」
「邪魔になるだけかも、自炊とかまともにやってないですし」
何となく、ぼんやりと。付き合っていく内に、知識だけではカバー出来ない一般的な体験に溝があることは分かっている。
きっと友達の家に遊びに行くこともなかったし、お母さんのお手伝いも経験がないのだろう。
「包丁の時は猫の手だよ、鷹でもね。知ってた?」
「ははっ、そこから教えてもらえると?」
「もちろん、任せてよ!」
からかうように話しかければ、肩に入れていた力を抜いて笑ってくれる。
少しずつ慣れてくれていったらいいな、と思いながら二人で両手を合わせた。
「「いただきます!」」
おかわりもしてくれて、食後に並んでテレビを眺める頃にはようやく緊張も解けたのかのんびり過ごしてくれていたホークスが、いつの間にか麦茶の作り置きを率先して手掛けるようになった頃。思わず泣きそうになってしまったのは、私だけの秘密の話。
(野生の鷹は、ご飯のリクエストも覚えました!)
本当は出かける予定だったけど、急な出動が入ったので待ち合わせ場所に行かず家で待っていて欲しいと連絡があったのだ。仕事のことは理解しているし、突発的な予定変更も気にしてはいない。
どうせ家で待っているなら、疲れもあるだろうしそのままお家ご飯にしようか、と提案したところ了承を得たので招待したと言う訳だ。
一人暮らしのワンルーム、大した家具はなくシンプルな部屋だと思う。招かれたホークスは落ち着かない様子でそわそわしていて、キッチンにいる私を何度も確認していた。
「どうしたの」
「他人のプライベートなテリトリーに入る事って、あんまりないんで……」
「テリトリーって、大げさな!」
まぁでも私が逆の立場だったら、ホークスの部屋でそわそわしてしまうかもしれないなと思いつつ、後は盛り付けるだけになった料理を見つめる。
「じゃあ折角だし手伝ってもらおうかな」
「いいんですか?」
「男子台所に入るべからず主義?」
「いいえ、喜んで手伝います!」
一人暮らしのせいでセットの食器だ足りずにちぐはぐになってしまうのは許してもらうとして、料理を盛り付けている間に箸やコップの場所を伝えて運んでもらう。
小さなローテーブルに並べるには少し窮屈だったけれど、乗らない訳ではない。
「……夕飯の手伝い、初めてしたんスよ」
何とも言えない表情を浮かべながら、出来上がった親子丼と味噌汁を眺めている。焼きたての油揚げに乗った鰹節が、ふわふわ揺れる。
「やってみて、どうだった?」
「嫌じゃないです、でも、不思議な感覚と言うか」
「今度は作るところから一緒にやってみる?」
「邪魔になるだけかも、自炊とかまともにやってないですし」
何となく、ぼんやりと。付き合っていく内に、知識だけではカバー出来ない一般的な体験に溝があることは分かっている。
きっと友達の家に遊びに行くこともなかったし、お母さんのお手伝いも経験がないのだろう。
「包丁の時は猫の手だよ、鷹でもね。知ってた?」
「ははっ、そこから教えてもらえると?」
「もちろん、任せてよ!」
からかうように話しかければ、肩に入れていた力を抜いて笑ってくれる。
少しずつ慣れてくれていったらいいな、と思いながら二人で両手を合わせた。
「「いただきます!」」
おかわりもしてくれて、食後に並んでテレビを眺める頃にはようやく緊張も解けたのかのんびり過ごしてくれていたホークスが、いつの間にか麦茶の作り置きを率先して手掛けるようになった頃。思わず泣きそうになってしまったのは、私だけの秘密の話。
(野生の鷹は、ご飯のリクエストも覚えました!)
