ホークス短編
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何だかんだ丁寧な男だな、と思う。
朝目を覚ますと私の肩までかけられた毛布は乱れておらず、先にベッドから抜け出した彼がかけなおしてくれたことが分かる。
昨夜脱いだ服は既に散らばっておらず、きっと洗濯カゴに入れられているだろう。側にはちょこんと新しい部屋着と下着が置かれていた。
「おはようございます、起こしちゃいました?」
「大丈夫、起きただけ」
「水置いてあるんで飲んでくださいね」
テーブルの上には冷えていないペットボトルのミネラルウォーター。有難く受け取って喉を潤した。
思い返せば、ブラのホックは伸ばさずに両手で外してくれるし、情事に耽っていても乱雑に扱われたことはない。程よい怠さに満たされることがあっても、痛みで翌日が辛いなんてことは一度もなかった。
「何かこう、がっついたことないよね」
「ご不満ですか、大事にされるのが」
「……別に、そんなことはない、けど」
了承を得ていないことは絶対にしないし、何度もキスをしてくれるし、求めればちゃんと止まってくれる。奥まで満たされて足りていない場所なんてないけれど。
それでもたまに見せる猛禽類のような鋭さと荒い吐息も欲しいと思ってしまうのは、我儘なのだろうか。
「今度さ」
「どうしました?」
「私が上になってみてもいい?」
ぽつりと呟いた言葉を拾った彼は、焼けたばかりのトーストにバターを塗りながら興味深そうに笑っている。弧を描いた唇はやけに妖艶で、さわやかな朝に似つかわしくなかった。
「今度と言わず、今夜でも」
「……すけべな顔しないでよ」
「それはこっちのセリフですよ」
たっぷりのバターがしみ込んだトーストと目玉焼き、カリカリのベーコンが並ぶテーブルは休日の午前中にぴったりなのに、それを囲むふたりだけが色濃く夜を残していた。
「お望みなら、食後の運動でも」
「うぅ、言わなきゃよかった」
「撤回します?」
「……しません」
さて、本日のご予定は如何に。
朝目を覚ますと私の肩までかけられた毛布は乱れておらず、先にベッドから抜け出した彼がかけなおしてくれたことが分かる。
昨夜脱いだ服は既に散らばっておらず、きっと洗濯カゴに入れられているだろう。側にはちょこんと新しい部屋着と下着が置かれていた。
「おはようございます、起こしちゃいました?」
「大丈夫、起きただけ」
「水置いてあるんで飲んでくださいね」
テーブルの上には冷えていないペットボトルのミネラルウォーター。有難く受け取って喉を潤した。
思い返せば、ブラのホックは伸ばさずに両手で外してくれるし、情事に耽っていても乱雑に扱われたことはない。程よい怠さに満たされることがあっても、痛みで翌日が辛いなんてことは一度もなかった。
「何かこう、がっついたことないよね」
「ご不満ですか、大事にされるのが」
「……別に、そんなことはない、けど」
了承を得ていないことは絶対にしないし、何度もキスをしてくれるし、求めればちゃんと止まってくれる。奥まで満たされて足りていない場所なんてないけれど。
それでもたまに見せる猛禽類のような鋭さと荒い吐息も欲しいと思ってしまうのは、我儘なのだろうか。
「今度さ」
「どうしました?」
「私が上になってみてもいい?」
ぽつりと呟いた言葉を拾った彼は、焼けたばかりのトーストにバターを塗りながら興味深そうに笑っている。弧を描いた唇はやけに妖艶で、さわやかな朝に似つかわしくなかった。
「今度と言わず、今夜でも」
「……すけべな顔しないでよ」
「それはこっちのセリフですよ」
たっぷりのバターがしみ込んだトーストと目玉焼き、カリカリのベーコンが並ぶテーブルは休日の午前中にぴったりなのに、それを囲むふたりだけが色濃く夜を残していた。
「お望みなら、食後の運動でも」
「うぅ、言わなきゃよかった」
「撤回します?」
「……しません」
さて、本日のご予定は如何に。
