ホークス短編
名前変換が必要な場合はどうぞ
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「弁当を作って欲しい?」
突然話がありますなんて真剣な顔で言うから何事かと思えば、何てことないお願い事だった。
「折角だから弁当箱買おうか、タッパーじゃ味気ないでしょ」
「いいんですか?」
ネットショップの画面を開いて見せると、瞳を輝かせて覗き込んでいる。
二段になっている物や保温機能のある物など、様々な弁当箱を前に悩んでいるようだった。
「700か800mlくらいでいいんじゃないかな」
「じゃあこの二段で、箸がついてるやつにします」
何で突然弁当を欲しがったのか、聞けば職員が手作りの弁当を持参して昼食をとっているのを見て羨ましくなったから、らしい。
「親の弁当を持って学校へ、なんてやったことないですし。弁当箱って憧れもあるんですよね」
「寄り弁の経験もないんだ?」
「なんです、それ」
「えっと、持ち運ぶ時に傾けちゃってたのに気づかなくて開けたら中身が片寄ってるか、ぐちゃっと崩れてるやつ」
「……気を付けて持ち運びます!」
唐揚げを入れて欲しいだとか、ふりかけを買いに行こうだとか、楽しそうに中身を考えている彼を見ると作り甲斐が湧いてくる。
折角なのでたこさんウインナーとちくわのヒヨコも入れてあげようと心に決める。開けた瞬間の反応が見られないのが残念だなと思ったが、それは仕方ないだろう。
「春になったらお弁当を持ってお花見に行こうか」
「いいですね、桜の下で。楽しみにしてます!」
それから時間がある時はお弁当を持たせるようになったけど、そのたびに写真を撮って保管していることを知るのは、もう少し先の話。
突然話がありますなんて真剣な顔で言うから何事かと思えば、何てことないお願い事だった。
「折角だから弁当箱買おうか、タッパーじゃ味気ないでしょ」
「いいんですか?」
ネットショップの画面を開いて見せると、瞳を輝かせて覗き込んでいる。
二段になっている物や保温機能のある物など、様々な弁当箱を前に悩んでいるようだった。
「700か800mlくらいでいいんじゃないかな」
「じゃあこの二段で、箸がついてるやつにします」
何で突然弁当を欲しがったのか、聞けば職員が手作りの弁当を持参して昼食をとっているのを見て羨ましくなったから、らしい。
「親の弁当を持って学校へ、なんてやったことないですし。弁当箱って憧れもあるんですよね」
「寄り弁の経験もないんだ?」
「なんです、それ」
「えっと、持ち運ぶ時に傾けちゃってたのに気づかなくて開けたら中身が片寄ってるか、ぐちゃっと崩れてるやつ」
「……気を付けて持ち運びます!」
唐揚げを入れて欲しいだとか、ふりかけを買いに行こうだとか、楽しそうに中身を考えている彼を見ると作り甲斐が湧いてくる。
折角なのでたこさんウインナーとちくわのヒヨコも入れてあげようと心に決める。開けた瞬間の反応が見られないのが残念だなと思ったが、それは仕方ないだろう。
「春になったらお弁当を持ってお花見に行こうか」
「いいですね、桜の下で。楽しみにしてます!」
それから時間がある時はお弁当を持たせるようになったけど、そのたびに写真を撮って保管していることを知るのは、もう少し先の話。