蘭嶺小説
「うー、腰が痛い…」
腰を擦りながら歩く嶺二に蘭丸が申し訳なさそうな顔をする。
「悪ぃ、昨夜は激しくし過ぎた…」
蘭丸の台詞に昨夜の出来事を思い出して嶺二の顔は赤くなる。
「なっ、こんな所で何を言っているのランラン!」
「そうですよ、此処を何処だと思っているのですか」
「何処ってテレビ局の廊下…」
『?!』
突然、聞こえた声に二人は驚いて後ろを振り返る。
そこにはトキヤとHAYATOが立って居た。
HAYATOの顔は心做しか赤い。
「トッキー、ハヤハヤ…もしかして今の話聞いてた?」
嶺二の顔が青ざめる。
トキヤとHAYATOは無言で頷く。
(は、恥ずかしい~っ!今すぐ二人の前から消えたい!)
慌てる嶺二に対して蘭丸は冷静だ。
「今日のまいらすはおまえ等がゲストだったな」
「ええ、宜しくお願い致します」
「蘭ちゃん、嶺ちゃん、宜しくね」
「宜しくマッチョッチョ…」
何時もの調子で言うが嶺二の声はか細い。
「では、先にスタジオに行っていますね」
「あ、嶺ちゃん。今日も寿弁当の唐揚げ弁当とっても美味しかったよ♪」
「有難う☆」
軽くポージングを取る嶺二。
漸く何時もの嶺二に戻ったと蘭丸は安心したのだった。
収録は無事に終了した。
トキヤとHAYATOはまだ仕事が残っているからと次の現場へと向かって行った。
「あはは、今日の収録凄く楽しかったね?」
「確かにな、面白かった」
「ぼくがトッキー達の事を今、大人気の双子ユニットって紹介したらさー」
くりくりとしたタレ目を細めて。
「『止めて下さい、別に私達は双子として売り出している訳ではありません』って」
それはトキヤの真似なのか声を低くして嶺二が言う。
(全然似てねぇ…)
そう蘭丸は思ったが敢えて口にはしなかった。
「嶺二、話がある。おれん家に来ないか?」
「うん、いいよ。
じゃあ車の準備して来るね」
この後、二人はオフだった。
(どう、切り出そうか…)
蘭丸はある事を考えていた。
嶺二の車が着くと蘭丸が助手席に乗り込む。
これは二人にとって当たり前の光景だ。
既に外は暗くなっていた。
人通りが少ない道を選んで走る。
何か蘭丸は考え込んでいる様子だが、嶺二は何も言わなかった。
暫く車を走らせているといきなり蘭丸が
「あーっ!こんなのおれらしくもねぇ!」
と、髪をガシガシと掻きながら言い出した。
「わっ!」
その声に嶺二が驚いて車を止める。
一本道で他に車も人もいなかったのが幸いだ。
「ラ、ランラン?いきなり何事?!」
「あー、悪ぃ…」
バツが悪そうに蘭丸は言う。
「話があるって言っただろ」
「うん」
蘭丸が嶺二を見つめる。
「おまえさえ良かったら一緒に暮らさないか?」
「えっ、それって…」
突然の蘭丸の台詞に嶺二はポカンとする。
「つまり、同棲しないかって言ってんだよ」
ぷいっと蘭丸は横を向く、耳まで真っ赤になっていた。
「おまえも知っている通り、おれは借金まみれで苦労をかけるかも知れねぇが…」
「それは別にランランのせいじゃ…」
蘭丸が没落した財閥の嫡男だっていう事を嶺二は知っていた。
きちんと借金を返済している事も。
再び蘭丸は嶺二に向き合う。
「それでもおれは…」
そっと嶺二の顔に手を当てる。
「何時でもおまえの傍に居たい」
嶺二はとても幸せそうに微笑むと。
「はい、喜んで」
と、言った。
「嶺二愛してる」
「ラ、蘭丸…ぼくもだよ」
二人は見つめ合うとキスをした。
「ランランってば起こしてくれたっていいじゃん!ケチっ」
「ケチとはなんだ、起きるのが遅いてめぇが悪い!」
ぎゃあぎゃあと言い合いながらテレビ局の廊下を歩く二人。
それを遠目で見るトキヤとHAYATO。
「トキヤ止めなくていいの、あれまずくない…?」
「バカップルは放って置くのが一番です。さ、HAYATO行きますよ」
スタスタと歩いて行くトキヤをHAYATOは慌てて追う。
まだ言い合っている二人をHAYATOは嬉しそうに見つめたのだった。
腰を擦りながら歩く嶺二に蘭丸が申し訳なさそうな顔をする。
「悪ぃ、昨夜は激しくし過ぎた…」
蘭丸の台詞に昨夜の出来事を思い出して嶺二の顔は赤くなる。
「なっ、こんな所で何を言っているのランラン!」
「そうですよ、此処を何処だと思っているのですか」
「何処ってテレビ局の廊下…」
『?!』
突然、聞こえた声に二人は驚いて後ろを振り返る。
そこにはトキヤとHAYATOが立って居た。
HAYATOの顔は心做しか赤い。
「トッキー、ハヤハヤ…もしかして今の話聞いてた?」
嶺二の顔が青ざめる。
トキヤとHAYATOは無言で頷く。
(は、恥ずかしい~っ!今すぐ二人の前から消えたい!)
慌てる嶺二に対して蘭丸は冷静だ。
「今日のまいらすはおまえ等がゲストだったな」
「ええ、宜しくお願い致します」
「蘭ちゃん、嶺ちゃん、宜しくね」
「宜しくマッチョッチョ…」
何時もの調子で言うが嶺二の声はか細い。
「では、先にスタジオに行っていますね」
「あ、嶺ちゃん。今日も寿弁当の唐揚げ弁当とっても美味しかったよ♪」
「有難う☆」
軽くポージングを取る嶺二。
漸く何時もの嶺二に戻ったと蘭丸は安心したのだった。
収録は無事に終了した。
トキヤとHAYATOはまだ仕事が残っているからと次の現場へと向かって行った。
「あはは、今日の収録凄く楽しかったね?」
「確かにな、面白かった」
「ぼくがトッキー達の事を今、大人気の双子ユニットって紹介したらさー」
くりくりとしたタレ目を細めて。
「『止めて下さい、別に私達は双子として売り出している訳ではありません』って」
それはトキヤの真似なのか声を低くして嶺二が言う。
(全然似てねぇ…)
そう蘭丸は思ったが敢えて口にはしなかった。
「嶺二、話がある。おれん家に来ないか?」
「うん、いいよ。
じゃあ車の準備して来るね」
この後、二人はオフだった。
(どう、切り出そうか…)
蘭丸はある事を考えていた。
嶺二の車が着くと蘭丸が助手席に乗り込む。
これは二人にとって当たり前の光景だ。
既に外は暗くなっていた。
人通りが少ない道を選んで走る。
何か蘭丸は考え込んでいる様子だが、嶺二は何も言わなかった。
暫く車を走らせているといきなり蘭丸が
「あーっ!こんなのおれらしくもねぇ!」
と、髪をガシガシと掻きながら言い出した。
「わっ!」
その声に嶺二が驚いて車を止める。
一本道で他に車も人もいなかったのが幸いだ。
「ラ、ランラン?いきなり何事?!」
「あー、悪ぃ…」
バツが悪そうに蘭丸は言う。
「話があるって言っただろ」
「うん」
蘭丸が嶺二を見つめる。
「おまえさえ良かったら一緒に暮らさないか?」
「えっ、それって…」
突然の蘭丸の台詞に嶺二はポカンとする。
「つまり、同棲しないかって言ってんだよ」
ぷいっと蘭丸は横を向く、耳まで真っ赤になっていた。
「おまえも知っている通り、おれは借金まみれで苦労をかけるかも知れねぇが…」
「それは別にランランのせいじゃ…」
蘭丸が没落した財閥の嫡男だっていう事を嶺二は知っていた。
きちんと借金を返済している事も。
再び蘭丸は嶺二に向き合う。
「それでもおれは…」
そっと嶺二の顔に手を当てる。
「何時でもおまえの傍に居たい」
嶺二はとても幸せそうに微笑むと。
「はい、喜んで」
と、言った。
「嶺二愛してる」
「ラ、蘭丸…ぼくもだよ」
二人は見つめ合うとキスをした。
「ランランってば起こしてくれたっていいじゃん!ケチっ」
「ケチとはなんだ、起きるのが遅いてめぇが悪い!」
ぎゃあぎゃあと言い合いながらテレビ局の廊下を歩く二人。
それを遠目で見るトキヤとHAYATO。
「トキヤ止めなくていいの、あれまずくない…?」
「バカップルは放って置くのが一番です。さ、HAYATO行きますよ」
スタスタと歩いて行くトキヤをHAYATOは慌てて追う。
まだ言い合っている二人をHAYATOは嬉しそうに見つめたのだった。
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