蘭嶺小説
嶺二はショックを受けていた。
恋人の蘭丸が女性と居た所を見てしまったのだ。
しかもなんか親密だった。
(ランランに限ってそんな事がある筈ない…)
もしかしたら仕事関係の人間なのかも知れない、嶺二はそう考える事にした。
だったのだが…。
(でも、ランランって凄くカッコイイからモテるのよく分かるし…
女の子なら誰だってほっとかないよね…)
「……」
ごろんと枕を抱えて横になる。
「あーっ、もう色々と考えるの止めた!」
「何がだよ」
「?!」
突然の声に嶺二はガバッと起き上がる。
すぐ傍に蘭丸の顔があった。
「ラ、ランラン…何時の間に帰って…」
嶺二の顔が青くなる。
「今さっき、声掛けたけどおまえ気付いていねぇみてぇだったから」
恥ずかしさのあまり嶺二は枕で顔を隠す。
「こら、隠すな。で、何を考えるのを止めたって?」
「……」
先程見た光景が思い出される。
嶺二はぷいっと横を向いた。
「おい、嶺二何怒ってんだよ?」
蘭丸は横を向いた嶺二の首筋にキスを落とす。
それは蘭丸が何時もする行為だった。
「ひゃあっ、ランランそこは止めてって言っているじゃん!恥ずかしい」
耳まで真っ赤になる。
「おまえがそっぽを向くからだろう?」
「どうした?」と蘭丸が優しい声で嶺二に尋ねる。
「女の人と居た…」
「あ?」
「ランランが女の人と一緒に居るの見ちゃった…」
「……」
暫く蘭丸は考え事をしていたが、ハッ!と表情を変えた。
「あー、あれか…」
参ったという風に蘭丸は頭を押さえる。
「ラン、ラン…?」
嶺二は更に不安な声を出す。
「あの女は宝飾デザイナーだ」
「へっ?」
蘭丸の口から意外な職業の名前が出てきて嶺二は拍子抜けをする。
矢張り仕事の関係だったのだろうか。
「本当は出来てから渡して言うつもりだったが…」
真剣な瞳で蘭丸は嶺二を見る。
「おまえに渡す指輪を頼んでいた」
「え…っ、ぼくの?」
嶺二はポカンとする。
「何度も言わせんな!おまえとおれの指輪を頼んでいただけだ」
そう言った蘭丸の顔は赤かった。
意味が分かると嶺二は嬉しくて次から次へと涙が零れ落ちる。
「おれと一緒になってくれ」
蘭丸は嶺二の涙をそっと掬う。
「はい…」
嶺二は必死に涙を堪えると頷いた。
そして二人はキスをする。
少しして蘭丸は唇を離すと再び嶺二の首筋にキスをした。
「あ、だから…駄目だってば…」
擽ったそうに嶺二は身を捩る。
ふと、嶺二は前から疑問に思っていた事を蘭丸に尋ねる。
「何でランランって何時も首筋にキスをしてくるの?何か意味があるの?」
「…教えねぇ」
ちゅっ。
またしても首筋にキスを落とす。
「あ…もう狡いよ」
(言えるかよ、おれの印を付けられない代わりだなんて、おまえはおれのモノだって事を)
「兎に角、今は教えねぇ。
全ては指輪が出来てからだ」
「うん、楽しみにしてる」
そして数ヶ月後、嶺二と蘭丸の左手の薬指には指輪が嵌っていた。
-キスの意味を知った嶺二が赤面をしたのは言うまでもない-
恋人の蘭丸が女性と居た所を見てしまったのだ。
しかもなんか親密だった。
(ランランに限ってそんな事がある筈ない…)
もしかしたら仕事関係の人間なのかも知れない、嶺二はそう考える事にした。
だったのだが…。
(でも、ランランって凄くカッコイイからモテるのよく分かるし…
女の子なら誰だってほっとかないよね…)
「……」
ごろんと枕を抱えて横になる。
「あーっ、もう色々と考えるの止めた!」
「何がだよ」
「?!」
突然の声に嶺二はガバッと起き上がる。
すぐ傍に蘭丸の顔があった。
「ラ、ランラン…何時の間に帰って…」
嶺二の顔が青くなる。
「今さっき、声掛けたけどおまえ気付いていねぇみてぇだったから」
恥ずかしさのあまり嶺二は枕で顔を隠す。
「こら、隠すな。で、何を考えるのを止めたって?」
「……」
先程見た光景が思い出される。
嶺二はぷいっと横を向いた。
「おい、嶺二何怒ってんだよ?」
蘭丸は横を向いた嶺二の首筋にキスを落とす。
それは蘭丸が何時もする行為だった。
「ひゃあっ、ランランそこは止めてって言っているじゃん!恥ずかしい」
耳まで真っ赤になる。
「おまえがそっぽを向くからだろう?」
「どうした?」と蘭丸が優しい声で嶺二に尋ねる。
「女の人と居た…」
「あ?」
「ランランが女の人と一緒に居るの見ちゃった…」
「……」
暫く蘭丸は考え事をしていたが、ハッ!と表情を変えた。
「あー、あれか…」
参ったという風に蘭丸は頭を押さえる。
「ラン、ラン…?」
嶺二は更に不安な声を出す。
「あの女は宝飾デザイナーだ」
「へっ?」
蘭丸の口から意外な職業の名前が出てきて嶺二は拍子抜けをする。
矢張り仕事の関係だったのだろうか。
「本当は出来てから渡して言うつもりだったが…」
真剣な瞳で蘭丸は嶺二を見る。
「おまえに渡す指輪を頼んでいた」
「え…っ、ぼくの?」
嶺二はポカンとする。
「何度も言わせんな!おまえとおれの指輪を頼んでいただけだ」
そう言った蘭丸の顔は赤かった。
意味が分かると嶺二は嬉しくて次から次へと涙が零れ落ちる。
「おれと一緒になってくれ」
蘭丸は嶺二の涙をそっと掬う。
「はい…」
嶺二は必死に涙を堪えると頷いた。
そして二人はキスをする。
少しして蘭丸は唇を離すと再び嶺二の首筋にキスをした。
「あ、だから…駄目だってば…」
擽ったそうに嶺二は身を捩る。
ふと、嶺二は前から疑問に思っていた事を蘭丸に尋ねる。
「何でランランって何時も首筋にキスをしてくるの?何か意味があるの?」
「…教えねぇ」
ちゅっ。
またしても首筋にキスを落とす。
「あ…もう狡いよ」
(言えるかよ、おれの印を付けられない代わりだなんて、おまえはおれのモノだって事を)
「兎に角、今は教えねぇ。
全ては指輪が出来てからだ」
「うん、楽しみにしてる」
そして数ヶ月後、嶺二と蘭丸の左手の薬指には指輪が嵌っていた。
-キスの意味を知った嶺二が赤面をしたのは言うまでもない-
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