蘭嶺小説
-おまえが他の奴の事を思っているのを知っている-
そいつのせいでおまえが傷ついている事も…。
おれはそんなおまえを守ってやる事は出来ないのか?
時計を見ると七時を過ぎていた。
(まずい、寝坊をした…)
蘭丸は部屋の扉を開けるとリビングへと向かう。
丁度、嶺二が『おはやっほーニュース』を観ていたところだった。
蘭丸の存在に気付いた嶺二が言う。
「おはようランラン、いくら今日がオフでも少々お寝坊さんじゃないかな?」
「はよー、そうだな…」
面倒くさいとばかりに返事をする。
(ったく、朝っぱらから説教すんなよ)
ハヤト達が誘ってくれたからこうして一緒に暮らしているが矢張り二人きりになると何か気まづい。
好きな人間と一緒だからだろうか。
「あ、ランランもコーヒー飲む?」
「いらね、そういやハヤトは分かるがトキヤはどうした?」
『おはやっほーニュース』を観ながら蘭丸が尋ねる。
「トッキーはねひじりんとの旅番組の早朝ロケだよ、天気が悪いから心配だね」
「そうか」と言いながら蘭丸は洗面所への方へと向かう。
洗面所で顔を洗うと意識がどんどんとハッキリしてきた。
(ったく、人の気も知らねぇで)
そう思いながら髪を整えたりカラーコンタクトを填める。
(もしもおれの気持ちを知ったらおまえはどう思うのだろうな)
今日は蘭丸はオフなので部屋の中で寛いでいた。
日課となっているベースを弾いている。
ただ、こうして音楽を奏でている時が一番幸せだった。
ふと、時計を見るとお昼近くになっていた。
蘭丸はベースを置くと部屋を出て行く。
コンコン。
嶺二の部屋の扉をノックする。
暫くしてドアを開ける。
「おい嶺二、昼飯何が食いてぇ?」
「あ、あれ?もうお昼?」
目を丸くする嶺二を呆れて見る蘭丸。
(何言ってやがんだコイツ)
「ん~、ランランに任せる。シクヨロ」
にっこりとした笑顔で蘭丸に言う。
「分かった、適当に作る」
「宜しくマッチョッチョ☆」
パタン。
扉を閉めると蘭丸はイラついた。
あの、ヘラヘラとした笑顔が嫌いだった。
人一倍傷ついているクセに、本心を見せないクセに笑う嶺二に腹を立てていた。
「馬鹿野郎…」
そう呟くと蘭丸はキッチンへと向かったのだった。
昼食を取ってから一時間半後。
今日は『おはやっほーニュース』の後にハヤトはCMの撮影があって帰って来ていない。
トキヤもまだロケ中である。
再び蘭丸は部屋でベースを弾いていたが止めてリビングに来る。
嶺二がテーブルに突っ伏して眠っていた。
どうやら何時の間にか眠ってしまった様だ。
その嶺二の瞼から涙が零れ落ちる。
一体、どんな夢を見ているのだろうか。
取り敢えず近くにあった薄物を掛けてあげる。
ふと、あの時の笑顔の少年の姿が甦る。
それは蘭丸の初恋だった。
「泣くなよ、れいちゃん…」
そして嶺二の頭を優しく撫でると蘭丸は部屋へと戻った。
コンコン。
台本を読んでいると暫くして部屋の扉をノックする音が聞こえた。
どうやら嶺二が起きた様だ、いやもしかしたら起こしてしまったのかも知れない。
「どうした?入れよ」
ガチャ。
扉が開くと嶺二が中に入って来る。
「これ掛けてくれたのランランだよね、お礼を言っときたくて」
そう言って薄物を見せる。
(何だ、そんな事か)
「別に大した事はしてねぇ、話はそれだけか?」
礼を言われる事でもないので蘭丸はそう答える。
「あ、うん邪魔しちゃって本当にゴメンね?」
何故か嶺二はそそくさと部屋から出て行こうとする。
その態度がより一層蘭丸の癪に障った。
「待てよ、おまえ何でおれを避けているんだ」
「!」
蘭丸の台詞に嶺二の動きが止まる。
「別に避けてなんか…」
必死に声を出すがその声は微かに震えていた。
「いいや、おれがおまえの過去を知ったあの時からずっと避けている」
それは嶺二が傷ついている原因の過去だった。
自分は過去を振り返るのが嫌いだった、常に前だけを見ている。
だけど嶺二は過去だけに捕らわれていて前を見ようとしない。
そんな嶺二に腹が立ちながらも蘭丸は心惹かれていた。
(もう、この気持ちに嘘はつけねぇな…)
「……」
嶺二は無言のまま俯いている。
「嶺二」
嶺二の腕を掴むと蘭丸は自分の方に引き寄せる。
「ラ、ランラン?」
とまいどいながらも嶺二は蘭丸の顔を見る。
そして嶺二を見つめると。
「好きだ」
「!ランラン、何を言って…」
突然の告白に嶺二は戸惑っている。
まぁ、当然の態度だろう。
「ずっとおまえの事が好きだった」
正直に自分の気持ちを伝える。
「嘘…そんな…だってこんなぼくは…」
嶺二は戸惑っている、どうせ過去の事を気にしているのだろう。
「言っただろ?おまえにも幸せになる権利はあるって」
前に言った台詞を嶺二に再び言う。
「ぼくは幸せがどういうものなのか分からないよ」
少し寂しそうに嶺二は微笑んだ。
(頼むからそんな顔をするな)
「おまえの事はおれが幸せにする…年下とか関係なしにおれを頼ってくれ、おまえの心の中に居るそいつごと受け止めてやるから」
そう蘭丸は心に誓っていた。
「ランラン、カッコよすぎだよ」
先程とは違い、嶺二がはにかんだ笑顔をする。
「本当はぼくもね…」
嶺二は蘭丸にそっと耳打ちをした。
「君の事がずっと好きだったんだよ」
その言葉に蘭丸は嬉しそうに微笑んだ。
「何か、あの二人の様子おかしくありませんか?」
トキヤが顎に手を添えながら考える。
「え~?とっても仲良しに見えるけど?」
きょとんとした表情でハヤトが言う。
「それがおかしいと言うのです、私達が居ない間に一体何が…」
「ボクは二人が仲良しで凄い嬉しいけどなー」
ぽんぽん。
トキヤは思わずハヤトの頭を撫でる。
「まぁ、そうですね漸く進展したと言う事ですかね…お互いに惹かれ合っていたのは見ていてバレバレでしたし」
「今度ダブルデートしようね♪」
双子がそんな話をしているとも知らずに蘭丸と嶺二は-
「えっ!ランランってば愛音に嫉妬していたの?!」
「あったり前だろ!何でおれ等は渾名なのにそいつだけ名前呼びなんだよ」
「そっかー、ランランってば可愛い♡♡
でも龍也先輩は名前で呼んでいるよ?」
「あの人は別だろうが!」
ぷいっと蘭丸はそっぽを向く。
(コイツ、絶対におれの事をからかっているだろう!)
「で、ランランは何時からぼくの事を好きになってくれてたの?」
「てめぇ、今それを言わせる気か?」
(しかもおれだけなんてずりぃだろうが)
蘭丸は怒っているが嶺二は気にせず先を促す。
「ほらほら~、照れずにお兄さんに教えてごらん☆」
「ずっと昔からだ。なっ、トマトを食うのが下手クソなれいちゃん」
そう言うと立ち上がり自分の部屋の方へと向かう。
「へっ?今のってどういう意味?
ちょっと待ってよランラーン」
嶺二が不思議そうな声を出しながら後を追って来る。
「本当に二人共仲が良いよねー」
「ああいうのをバカップルと言うのでしょうね」
去り際にハヤトとトキヤの会話が聞こえたが蘭丸は聞こえないフリをした。
部屋の中に入ると嶺二も慌てて入る。
扉を閉めると
「さっきのどういう事?」
と、しつこく聞いてくる。
仕方なく蘭丸はクローゼットを開けると中から何かを取り出しそれを嶺二の手の上に乗せた。
それは一度は手放したが何故かカミュが持っていて引き取ったクマのぬいぐるみだった。
「あ、あれ?この子ってひょっとして
くーちゃん?」
因みに本名はクリストファーという名前である。
蘭丸はガクッとコケそうになる。
「おまえ、何でおれの事は忘れていてコイツの事は覚えているんだ?!」
(マジで凹むぞ…)
「何でランランが持って…」
「あっ!」と嶺二が大きな声を出す。
漸く理解をしたらしい。
「約束、守れなくて悪かったな」
「ううん、またこうして逢えた…本当に嬉しい」
涙を零す嶺二の涙を優しく掬うと蘭丸は唇にキスをした。
(おまえの笑顔はおれが守るから)
-これからも共に歩んで行こう-
そいつのせいでおまえが傷ついている事も…。
おれはそんなおまえを守ってやる事は出来ないのか?
時計を見ると七時を過ぎていた。
(まずい、寝坊をした…)
蘭丸は部屋の扉を開けるとリビングへと向かう。
丁度、嶺二が『おはやっほーニュース』を観ていたところだった。
蘭丸の存在に気付いた嶺二が言う。
「おはようランラン、いくら今日がオフでも少々お寝坊さんじゃないかな?」
「はよー、そうだな…」
面倒くさいとばかりに返事をする。
(ったく、朝っぱらから説教すんなよ)
ハヤト達が誘ってくれたからこうして一緒に暮らしているが矢張り二人きりになると何か気まづい。
好きな人間と一緒だからだろうか。
「あ、ランランもコーヒー飲む?」
「いらね、そういやハヤトは分かるがトキヤはどうした?」
『おはやっほーニュース』を観ながら蘭丸が尋ねる。
「トッキーはねひじりんとの旅番組の早朝ロケだよ、天気が悪いから心配だね」
「そうか」と言いながら蘭丸は洗面所への方へと向かう。
洗面所で顔を洗うと意識がどんどんとハッキリしてきた。
(ったく、人の気も知らねぇで)
そう思いながら髪を整えたりカラーコンタクトを填める。
(もしもおれの気持ちを知ったらおまえはどう思うのだろうな)
今日は蘭丸はオフなので部屋の中で寛いでいた。
日課となっているベースを弾いている。
ただ、こうして音楽を奏でている時が一番幸せだった。
ふと、時計を見るとお昼近くになっていた。
蘭丸はベースを置くと部屋を出て行く。
コンコン。
嶺二の部屋の扉をノックする。
暫くしてドアを開ける。
「おい嶺二、昼飯何が食いてぇ?」
「あ、あれ?もうお昼?」
目を丸くする嶺二を呆れて見る蘭丸。
(何言ってやがんだコイツ)
「ん~、ランランに任せる。シクヨロ」
にっこりとした笑顔で蘭丸に言う。
「分かった、適当に作る」
「宜しくマッチョッチョ☆」
パタン。
扉を閉めると蘭丸はイラついた。
あの、ヘラヘラとした笑顔が嫌いだった。
人一倍傷ついているクセに、本心を見せないクセに笑う嶺二に腹を立てていた。
「馬鹿野郎…」
そう呟くと蘭丸はキッチンへと向かったのだった。
昼食を取ってから一時間半後。
今日は『おはやっほーニュース』の後にハヤトはCMの撮影があって帰って来ていない。
トキヤもまだロケ中である。
再び蘭丸は部屋でベースを弾いていたが止めてリビングに来る。
嶺二がテーブルに突っ伏して眠っていた。
どうやら何時の間にか眠ってしまった様だ。
その嶺二の瞼から涙が零れ落ちる。
一体、どんな夢を見ているのだろうか。
取り敢えず近くにあった薄物を掛けてあげる。
ふと、あの時の笑顔の少年の姿が甦る。
それは蘭丸の初恋だった。
「泣くなよ、れいちゃん…」
そして嶺二の頭を優しく撫でると蘭丸は部屋へと戻った。
コンコン。
台本を読んでいると暫くして部屋の扉をノックする音が聞こえた。
どうやら嶺二が起きた様だ、いやもしかしたら起こしてしまったのかも知れない。
「どうした?入れよ」
ガチャ。
扉が開くと嶺二が中に入って来る。
「これ掛けてくれたのランランだよね、お礼を言っときたくて」
そう言って薄物を見せる。
(何だ、そんな事か)
「別に大した事はしてねぇ、話はそれだけか?」
礼を言われる事でもないので蘭丸はそう答える。
「あ、うん邪魔しちゃって本当にゴメンね?」
何故か嶺二はそそくさと部屋から出て行こうとする。
その態度がより一層蘭丸の癪に障った。
「待てよ、おまえ何でおれを避けているんだ」
「!」
蘭丸の台詞に嶺二の動きが止まる。
「別に避けてなんか…」
必死に声を出すがその声は微かに震えていた。
「いいや、おれがおまえの過去を知ったあの時からずっと避けている」
それは嶺二が傷ついている原因の過去だった。
自分は過去を振り返るのが嫌いだった、常に前だけを見ている。
だけど嶺二は過去だけに捕らわれていて前を見ようとしない。
そんな嶺二に腹が立ちながらも蘭丸は心惹かれていた。
(もう、この気持ちに嘘はつけねぇな…)
「……」
嶺二は無言のまま俯いている。
「嶺二」
嶺二の腕を掴むと蘭丸は自分の方に引き寄せる。
「ラ、ランラン?」
とまいどいながらも嶺二は蘭丸の顔を見る。
そして嶺二を見つめると。
「好きだ」
「!ランラン、何を言って…」
突然の告白に嶺二は戸惑っている。
まぁ、当然の態度だろう。
「ずっとおまえの事が好きだった」
正直に自分の気持ちを伝える。
「嘘…そんな…だってこんなぼくは…」
嶺二は戸惑っている、どうせ過去の事を気にしているのだろう。
「言っただろ?おまえにも幸せになる権利はあるって」
前に言った台詞を嶺二に再び言う。
「ぼくは幸せがどういうものなのか分からないよ」
少し寂しそうに嶺二は微笑んだ。
(頼むからそんな顔をするな)
「おまえの事はおれが幸せにする…年下とか関係なしにおれを頼ってくれ、おまえの心の中に居るそいつごと受け止めてやるから」
そう蘭丸は心に誓っていた。
「ランラン、カッコよすぎだよ」
先程とは違い、嶺二がはにかんだ笑顔をする。
「本当はぼくもね…」
嶺二は蘭丸にそっと耳打ちをした。
「君の事がずっと好きだったんだよ」
その言葉に蘭丸は嬉しそうに微笑んだ。
「何か、あの二人の様子おかしくありませんか?」
トキヤが顎に手を添えながら考える。
「え~?とっても仲良しに見えるけど?」
きょとんとした表情でハヤトが言う。
「それがおかしいと言うのです、私達が居ない間に一体何が…」
「ボクは二人が仲良しで凄い嬉しいけどなー」
ぽんぽん。
トキヤは思わずハヤトの頭を撫でる。
「まぁ、そうですね漸く進展したと言う事ですかね…お互いに惹かれ合っていたのは見ていてバレバレでしたし」
「今度ダブルデートしようね♪」
双子がそんな話をしているとも知らずに蘭丸と嶺二は-
「えっ!ランランってば愛音に嫉妬していたの?!」
「あったり前だろ!何でおれ等は渾名なのにそいつだけ名前呼びなんだよ」
「そっかー、ランランってば可愛い♡♡
でも龍也先輩は名前で呼んでいるよ?」
「あの人は別だろうが!」
ぷいっと蘭丸はそっぽを向く。
(コイツ、絶対におれの事をからかっているだろう!)
「で、ランランは何時からぼくの事を好きになってくれてたの?」
「てめぇ、今それを言わせる気か?」
(しかもおれだけなんてずりぃだろうが)
蘭丸は怒っているが嶺二は気にせず先を促す。
「ほらほら~、照れずにお兄さんに教えてごらん☆」
「ずっと昔からだ。なっ、トマトを食うのが下手クソなれいちゃん」
そう言うと立ち上がり自分の部屋の方へと向かう。
「へっ?今のってどういう意味?
ちょっと待ってよランラーン」
嶺二が不思議そうな声を出しながら後を追って来る。
「本当に二人共仲が良いよねー」
「ああいうのをバカップルと言うのでしょうね」
去り際にハヤトとトキヤの会話が聞こえたが蘭丸は聞こえないフリをした。
部屋の中に入ると嶺二も慌てて入る。
扉を閉めると
「さっきのどういう事?」
と、しつこく聞いてくる。
仕方なく蘭丸はクローゼットを開けると中から何かを取り出しそれを嶺二の手の上に乗せた。
それは一度は手放したが何故かカミュが持っていて引き取ったクマのぬいぐるみだった。
「あ、あれ?この子ってひょっとして
くーちゃん?」
因みに本名はクリストファーという名前である。
蘭丸はガクッとコケそうになる。
「おまえ、何でおれの事は忘れていてコイツの事は覚えているんだ?!」
(マジで凹むぞ…)
「何でランランが持って…」
「あっ!」と嶺二が大きな声を出す。
漸く理解をしたらしい。
「約束、守れなくて悪かったな」
「ううん、またこうして逢えた…本当に嬉しい」
涙を零す嶺二の涙を優しく掬うと蘭丸は唇にキスをした。
(おまえの笑顔はおれが守るから)
-これからも共に歩んで行こう-
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