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新一とコナン①

俺の背中でグッスリ眠っているコナンを背負いながら、俺はゆっくり家までの帰路を歩いていた…。

「油断しちまったな…」

俺は昨日のコナンの行動を思い…コナンにあげた本の事を後悔していた…。

「うーん…」

俺の背中に身体を預けながら、手をダラーんとさせて寝ていたコナンが漸く眠りから覚めたのを、自分の背中で感じ取りながら声をかけた…。

「コナン、気がついたのか??」
「兄ちゃん…」
「まだ寝てていいぞ…」

そう言う俺に、コナンはキョロキョロしながら訪ねて来た…。

「どこ行くの?」

そういうコナンに俺は軽く笑い…少し下がって来たコナンの体を背負い直しながら言った…。

「よっ…どこって…家に帰るんだよ…だから安心して寝てろよ…」
「兄ちゃん…あの……」

そう言う俺の言葉に対し…コナンは何か言いたげな様子で、小さな声を絞り出してきた…。

「どうした?」
「怒られるかな?お父さんとお母さんに…」

昨日の夜更かしが原因で倒れた事を理解しているコナンは、その事で父さんや母さんに怒られる事を心配しているようだった…。

その事を悲しげに言うコナンを背中で感じ取りながら、俺はコナンに安心させるかの様に言った…。

「大丈夫さ…夜更かしした事は言わねーよ…俺とコナンだけの二人の秘密だ…」
「よかった…」
「その代わり、もう絶対夜更かしするなよな?いいか?」
「うん…分かった…兄ちゃん、ごめんなさい……」

熱のせいか…素直に謝るコナンに俺は微笑しながら言った…。

「いいから、寝てろよ、コナン…熱さがんねーぞ…」
「うん…」

そう声をかけた後…コナンは再び俺の背中で寝息を立て始めた…。

「新一~~」

コナンが眠って暫くすると、コナンのランドセルを取りに行った蘭が走りながら追いついて来た…。

「しー…今コナン眠った所だから…」
「あっ、そっか…ごめん…」

流石に、人差し指は立てられなかったが…コナンをちらっと見ながら教えた…。

「あっ、コナンのランドセル…ありがとな…」
「大丈夫よ…このぐらい…それに、心配なのよ…コナン君の事…」

目線を下に落としながら…これ以上熱が上がらないようにと…俺の背中からコナンの身体を覆うようにして、自分のコートをコナンにかける蘭に不思議になりながら、俺は黙って蘭の顔を見つめていた…。

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