「おい、コナン…コナン！！朝だぞ…」
「うーん…もうちょっと…」

朝になり、俺が起こしに行った時コナンはいつも以上にぐずっていた…。

「もうちょっとじゃねーだろっ…起きろよ…」

この日は、俺が何度起こしてもなかなか起きようとしなかった…。

ふとみると…布団の中にあるものを見た俺は目を丸くした…。

「コナン！！お前…」

俺はそれを手に取ると、コナンを見た…そんなコナンもヤバイと言う顔をしながら、布団で顔を出し隠していた…。

「コナン、これずっと読んでたのか？？」
「だって…」
「だってじゃねーだろ？たくっ…」

どうやらコナンは、俺が部屋から出て行った後、こっそり昨日俺があげた本を読んでいたらしい…。

「はぁ～、コナン！何時まで読んでたんだよ？？」
「わかんない…何時の間にか寝ちゃったから…」

そう言うコナンに呆れながら、俺はコナンの握ってる布団をめくる…。

「あっ…」

そう言って、コナンは起き上がると大きな瞳を輝かせて俺の顔を覗いた…。

「ねぇ、新一兄ちゃん？今日学校休んじゃダメ？」
「…ダーメ、ほら早く着替えろっ…」

そう、俺が促すと…コナンは怠そうに目を擦りながらも、ゆっくりと着替え始めた…。



「コナンちゃん、どうしたのよ？…コナンちゃん！！」
「ん？」

コナンに睡魔が襲っているのか、食事中にも居眠りをしていた…。

母さんが、大きな声でコナンに呼びかける位で漸く目を覚ますコナンに流石に心配になってくる…。

このまま学校に行かせて大丈夫かと思っていると、玄関のチャイムが鳴った…。

「おい、コナンきっと蘭だぞ…」
「うん…」

いつもは一目散にに駆けつけるコナンが、今朝は元気のない返事に食事もそこそこで怠そうにランドセルを背負う…。

「風邪でも引いたか？」

父さんの問いに、俺はコナンの背中をランドセル越しに押しながら背を向けた…。

「大丈夫だって…じゃ、行って来ます…」

心配な様子な父さんと母さんの心配をよそに、俺は蘭が待つ玄関に向かった…。


「おっす…」
「おはよう…おはよう、コナン君…」
「おはよう…」

玄関のドアを開けると、蘭がいつもの様に元気良く挨拶して来る…。

そして…いつもの様にコナンにも…。

「どうしたの？コナン君…」
「なんでもない…」

そういうコナンの気持ちを汲み取り、俺は学校へ促した…。

「大丈夫なの？」
「多分な…」

そういう俺に蘭はムッとして言い返して来た…。

「多分て…新一、無責任なことばっか言って…具合い悪かったらどうするのよ？」
「大丈夫だから…」

朝から口喧嘩しながら工藤邸の門を開けるとそこにも、いつもの様に灰原さんがいた…。

「あら、おはよう…どうしたの？元気ないけど…」

コナンを見て、不思議な顔をしていた灰原さんに俺は耳打ちする…。

「あのさ…昨日コナンあんま寝てねーみてーだから、今日一日様子見ててくれねーか？」
「寝てないって…」

俺の言葉に、眠たそーにしているコナンに目線を送る灰原さんも流石に驚いていた…。

とりあえず、コナンを灰原さんに任せて見送るが…俺の心配は消えなかった…。