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新一とコナン④

先日の新一と協力した事件の資料を預かっていた服部は、新一に資料を渡す用があり工藤家へ訪れた。

何故か和葉も一緒に着いてきたのだが…。

「何でお前まで着いてきてんねん?ただ資料渡すだけってゆーたやろ?」
「ええやんか、東京にはごっつ美味いカレーのお店ある言うて、あんたんとこのおばちなんに頼まれたんやから…ついでや、ついで!」
「どうでもええけどな、この家にはごっつやかましガキが居るからな、覚悟しときや?」

そう言って、工藤家のインターフォンを押す服部に、和葉はその家を見て歓声をあげた。

「うわー、でっかい家やな~。工藤君って人こんなおっきな家に住んでるんや?」
「静かにしろよ、資料渡したらすぐ帰るよってお前はここにおれ」
「なんなん?あたしもいく~」

そう言って、門をくぐる服部の後ろを着いていく和葉。玄関の扉を開けると、下の方から大きな声が聞こえた。

「あっ!平次兄ちゃん!」
「おっ、久しぶりやなー!工藤おるか?」
「うん!いるよ!」
「ちょー、呼んできてくれや」
「分かった~」

そう言って、ドタバタと走りながら新一を呼びながら叫んだ。

「兄ちゃん!服部の兄ちゃんが恋人連れてきたよ~」
「「え!?」」
「恋人!?」
「ちゃ、ちゃうわ、ぼけ!」

悪意のないコナンの発言に二人はお互い目を逸らしながら奥から出てきた新一に挨拶をする。

「よー、服部かあ~その子が恋人か?」
「せやから…こいつは恋人ちゃうねん。ほんま兄弟揃って、もう~」
「だけど、コナンが…」

そう言いながら、新一の足にしがみついてるコナンに目をやると、ニコニコしていた。服部から和葉の紹介を受け、なるほどと理解しコナンを見ると、悪意なく笑っていた。

「そっか、幼馴染みか~」
「そうなんよ、このガキが勝手に言い出しよって…」
「ガキじゃないもん」

そう口喧嘩するコナンと服部を交互に見て、新一は服部に聞く。

「で?何しに来たんだ?服部…」
「おお、そうやそうや…ほれ、この間の事件の資料預かってん。ほんで、こっちに用がおおてな、ついでに渡しにきたったんや」

そう言って、資料を差し出す服部の手から受け取る新一。"サンキュ"といい、受け取ると、寄っていくか?と提案した。

「せやな…ほんならちょー邪魔すんで~」
「あかん、平次!これから行くとこあるゆーたやろ?」
「そんなん、お前一人で行けや…ただのカレーやんけ」
「カレー?」

服部と和葉の会話のカレーに反応するコナン嬉しそうにニコニコしていた。

「カレー屋って、すぐ近くのか?」
「せや!工藤君、そのカレー屋知ってんのん?」
「ああ、たまに食いに行くから…よかったら、案内しようか?」
「ほんま?」

新一の提案に目を輝かせる和葉にまたしても服部は横から口を出した。

「ええねん、ええねん。お前だけ勝手に行っとけっちゅーんじゃ」
「けど…」

そう言って、三人が一斉にコナンの方に目を向けると、和葉よりも目を輝かせてカレー屋に行きたそうにしているコナンがいた。

「コナン、昼はカレーにしようか?」
「うん!!」

新一にそう声をかけられるコナンは両手をグーにしてガッツポーズを胸の前で作って喜んでいた。

そんなコナンを見て、服部ははぁ~とため息をついてしゃーないなーと諦めてカレー屋に行く事にした。

「じゃあ、父さんと母さんに言ってくるから、ちょっと待っててくれ」
「おう!」

そう言って、コナンを連れて一旦奥へ引っ込み準備する新一を待つ間、服部と和葉は静かに待っていた。

「弟君、可愛い子やんか…」
「何言うてんねん、ごっつやかましいガキやっちゅーねん!」

そう言って、以前工藤邸へ訪れた時コナンに連れ回された事を思い出し、苦笑いを浮かべる服部。あの日の次の日どっと疲れが出て、家に帰って来るなりベットに飛び込んだのは新一にも言ってなかった。

「お待たせ」

そう言って、出かける準備が終わってコナンを連れて再びやって来た新一に、ふと思い…服部は聞く。

「けど、ええんか?工藤んとこ、昼飯の準備しとったんちゃうか?」
「ああ、大丈夫大丈夫!今日は二人とも忙しいみたいでさ、二人でどこか食べに行ってこいって言われてたんだ…それじゃ、行こうぜ!」
「わーい、カレーカレー!」

そう言って、バンザイしながら嬉しそうなコナンを連れて服部和葉、新一の四人は玄関を出て、カレー屋に向かった。
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