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哀とコナンと…

それから……時は経ち、コナンは三歳になった。

未熟児として、産まれたコナンは……他の子より、病院に行く回数も多く……熱を出す事もあって、母さんや父さん、そして俺は多少なり心配していた。

病院の先生からは、成長すればそれも無くなると言われたので……良かったのだけど。

俺は、コナンが熱を出す度……コナンの側に付いてやっていた。

コナンの頭を摩りながら、辛そうな弟を眠れるまで側を決して離れなかった。

時々、''にーちゃん"と……俺が側にいるか確認する為に目を開けていたが、"大丈夫……ちゃんとここにいるから、安心して寝てろ"そう言うと、コナンはその内安心したのか眠りについた……。

熱が下がり、元気になったらなったで……部屋中飛び跳ねながら、はしゃぐコナンの相手をされる俺だが……元気になった弟を見ると、微笑ましくなった。

俺の背中に乗り、お馬さんごっこして笑っているコナンの顔を見ると、未熟児で産まれた事が不思議な位……大きく成長していた。







そして、ある日曜日の午後……家族皆で食事をしていると、玄関のチャイムが鳴った。

「ん?誰か来たみたいだな……どれ、父さんが出よう……」
「あら、珍しい……」
「僕も行く!」

父さんの珍しい対応に、母さんは宜しくと言って……来客を父さんに任せた。

そして、その後ろからコナンがついて行く…。

「ああ、博士だったんですか?」

その声に、コナンを連れてどこか遊びに行く相談でもしに来たのかなって思っていると……父さんについて行ったコナンが困った顔をしながら、戻ってきた。

「コナン……どうした?博士だったんだろ?」
「うん……でも、知らない女の子が…………」
「ん?知らない女の子!?」

コナンから、そう聞いた俺と母さんはコナンを連れて玄関に駆け寄った。

「博士!いらっしゃい……」
「ああ、有希子さんに新一君……」
「どうしたんだ?博士!?」
「それがの……」

勢揃いで玄関に向かった俺たちに少し怯えた女の子が、博士の後ろから顔を出した……。

「今日から、ワシの家で預かる事になったんでな……紹介しておこうと思って連れてきたんじゃ……多分、幼稚園もコナン君と一緒だと思うから……仲良くしてやってくれんかの!?コナン君??」

俺の足の後ろからチラチラと覗いていたコナンは、博士に声をかけられ……一瞬、ビクッと肩を震わせた。

目をパチパチして、その女の子を見ていたが……博士に向かって"うん"と頷いて返事をしていた。

「名前なんて言うの!?」

母さんが、その子に顔を近づけて声を掛けると……博士の後ろで隠れていた女の子は、前に出てくるとポツリと自分の名前を名乗った。

「あ、あい……」
「哀ちゃんって言うの?可愛い名前ね……」

母さんが、その子に笑顔を向けると…悲しい表情をさせていた。

その光景を俺の後ろで隠れて見ていたコナンの背中を押す俺だったけど、どうしても恥ずかしがって…やだやだと、首を振っていた。

「コナン……挨拶くらい、しろよ……」
「こんにちは……」

そう、俺が促すと挨拶はするものの、すぐ俺の足に顔を隠して隠れてしまった。

博士は、そんなコナンに笑顔を見せると、母さん達に真剣な顔を向けた。

「それで、今日はの……この子の事情も話しておこうかと思っての……邪魔していいかの~?」
「ええ、どうぞ……」

そうして、母さん達は博士と多分長い話になるであろう事情を博士から聞くべく、奥の部屋へ向かった。

俺に、この小さな恥ずかしがり屋の二人を押し付けて……。


この二人の出会いは、最初はこんなものだったけど……いずれ、喧嘩するまで仲良くなる事は……そんな先にはならなかった。

俺は、この二人を交互に見た後……俺とコナンの部屋にこの女の子を連れて行った。
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