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新一とコナン③

翌朝……。


目を真っ赤に晴らしたコナンが、鏡の前で叫ぶ声に驚いて駆けつけた……。


「どーした、コナン!?」
「兄ちゃん……目~、真っ赤になっちゃった……学校行けないよ……」


鏡に映された自分の顔を見て、大騒ぎをしているコナンに俺は言った……。


「大丈夫だよ、そのくらい……ほら、支度するぞ!!」
「やだーー!!」


真っ赤な目を俺の方へ向け晒したコナンは、大きく首を振りながら俺に助けを求めていた……。


そんな騒ぎをしている時、隣の家の灰原さんがやってきた……。


「ほら、これで目の腫れなんて見えないわよ……」
「灰原……」


灰原さんに、眼鏡を無理矢理かけさせられたコナンは唖然とした顔で灰原さんの顔を見ていた……。


「今日行かなかったら、絶対行きにくくなるんだから……さっさと支度して行くわよ……」


厳しい口調で言われたコナンは俺と共に、部屋に戻り…一緒に急いで着替えを始めた……。


「コナン……灰原さん、結構厳しんだな……」
「怒ると怖いんだよ……」


俺の問いかけに、苦笑いをしながら答えるコナンに笑いかけながら……俺達は、素早く着替えを済ませて、そそくさと学校へ向かって歩き出した……。




「コナンくーん」
「灰原さん、おはようございます!!」


しょんぼりしているコナンを引き連れ歩いていると……元太君達が元気良く声をかけてきた……。


「おはよ……」
「あっ、眼鏡……」


そう言われ、顔を上げられず下を向いているコナンに、三人は笑いかけながら言った……。


「かっこいい!!」
「ええ、案外似合ってます!!」


そう言われたコナンは、みるみるうちに笑顔になって明るい顔を見せていた……。


「いこーぜ!!コナン、皆心配してるしよ……」


元太君がコナンの背中を押して、声をかける言葉に不思議になっていた俺に灰原さんが教えてくれた……。


「昨日、眼鏡やだって騒ぎ出したのよ……あの後皆、心配したんだからね……」


途中、コナンの方を向き直って言う灰原さんに、恥ずかしそうに苦笑いを浮かべながらコナンは言った……。


「ごめん……」
「別に……いいわよ、もう……騒いだりしなきゃね…………それに……」


一度、言葉を止めた灰原さんは…コナンの方へ再度笑顔を送りながら言った……。


「いいんじゃない!?似合ってるんだから……」
「…………」


そんな灰原さんを見たコナンは、驚きのあまり言葉を失っていた……。


「良かったな、コナン……」


声をかける俺に、灰原さんの視線が突き刺さった……。


「それと、お兄さん…あんまり甘やかさないでくれる!?」
「え!?」
「お兄さんが甘やかすからこうなったって事も忘れないでよね……」
「ああ……」


そう言い残すと、灰原さんはスタスタと歩き出して行った……。


「兄ちゃん…………」
「大丈夫だよ…ほら、行くぞ…………」


灰原さんに怒られたと思ったのか、コナンは俺を心配している様子だった……。


そんなコナンの頭をくしゃっと撫でた俺にまたしても、灰原さんの視線が突き刺さっていた……。


そんなこんなで、漸く元気を取り戻した俺達一同は、それぞれの学校へ向かって行った……。
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