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新一とコナン①


「ただいまー」

学校から帰ってきたコナンは、元気よく家の扉を開いた……。

「よう、コナン…お帰り……」

コナンが帰って来る少し前に、帰宅していた俺は、先に靴を脱いでいる所だった…。

俺が抱えていた本に気づいたコナンは、その本に指を指すと大きな声で叫んでいた…。

「あ~~~!!」
「ん??これか??」

そう聞く俺に、大きく首を上下するコナンは…読みたくて仕方がない様子で両腕を差し出していた…。

「新一に~ちゃん、見せてくれない??」
「お前には、まだ早いよ…」
「いいじゃなーい、見せてよ!!」
「じゃあ、読み終わったらな…」

そういうと、俺はそそくさと自分の部屋に駆け込んで行った…。

コナンに見つかり、ため息をする俺は…制服をハンガーに掛けると、ベッドに寝転がり…先ほど買った本を読みはじめた…。

暫く、それを読んでいた俺は…突然部屋の扉が開いた事に驚いた…。

「コナン!!オヤツ食べたのか?」
「食べたよ!!……ねぇ、それ面白い??」

オヤツを食べ終えたらしくコナンは、俺の部屋へ入って来るなり…ベッドに両腕を付いて本をジロジロと見つめていた…。

俺は、コナンに向けて笑顔を返すと言った…。

「面白いよ…!!読み終わったら、貸してやるからな…」
「うん!!」

そう言うと、コナンは黙って俺が読んでる本を再度見出した…。

「それって、今日出た本でしょ?僕も欲しーな…」
「兄ちゃんが貸してやるから…」
「でも、いつも新一兄ちゃんの後じゃない!!僕だって新しいのが欲しい よ…」

そんなコナンの我儘に…少し考え込む……。

そういえば、コナンが生まれる前は、何でも好きな物を与えてもらった事を思い出した……。

考えてみれば、コナンが先っていう事は全くといってなかったな…俺は、コナンに対して淋しそうな目線を送ると、本を閉じてコナンに渡した…。

「コナン、これあげるよ…」
「えっ?でも、新一兄ちゃんは??」
「コナンが読み終わってから貸してくれればいいよ…」

そう言うと、俺から受け取った本を両手で持ちながら、コナンは満面の笑みを浮かべて言った。

「本当にいいのーー?」
「ああ…いいよ…」
「ありがとう、新一兄ちゃん!!」

そんな弟の顔を見る俺も、微笑みを浮かべていた…。
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