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新一とコナン①

「そんなに心配しなくても、大丈夫だぜ?」
「心配なのよ…」

目線を下に落としていた蘭は、コナンに目線を移すと言った…。

「だって私、一人っ子じゃない?それに、コナン君が産まれた時からずっと見て来たし…なんか、私に弟がいたらって…コナン君見てると、想像しちゃうのよね…」

そう語る蘭に、ついこないだまで兄弟がいなかった寂しさが俺の中に蘇って来た…。

「蘭…だったら、今日コナンが目を覚ますまで付いててやっててくれねーか?コナンもきっと喜ぶからさ…」

蘭の気持ちを汲み取り…俺は蘭にコナンの事を頼む事にした…。

「えっ?でも…」
「いいから…頼むよ…」
「うん…じゃあ、そうしよっかな…」

蘭はそう言うと、さっきまでの淋しい感情とは一変して明るい表情を見せてくれた…。


"ピンポーン"

工藤邸に着いて、チャイムを押すと…母さんが扉を開け顔を覗かせた…。

「はーい…あら、新ちゃん!蘭ちゃんも…どうしたのよ、こんな時間に…」
「あっ、実は…」

そう言うと、俺の背中で寝息を立てて寝ているコナンを母さんに見せた…。

「コナンちゃん…」

コナンの姿を確認すると、慌ててコナンを抱きかかえて、心配な表情で見つめていた…。

「大丈夫だよ、学校で薬飲んだみたいだし…大人しく寝てれば、熱は下がるらしいから…」
「そう…ならいいんだけど…じゃあ…すぐ寝かして来るわね…」

そう言うと、スリッパの音を響かせて…慌ててコナンを部屋に連れて行った…。

「じゃあ…私も手伝って来る…」
「ああ…頼むな…」

その後を蘭も慌てて追って行った…。

「新一…」

蘭と母さんがいなくなった後の玄関で、俺は自分の靴を脱いでコナンの様子を見に行こうとしていた時…父さんに声をかけられた…。

俺はその声に振り向くと、父さんに疑問をぶつけられた…。

「学校で何かあったのか…それとも…あの本が原因か…?」
「……もし知ってたとしても…言わねーよ…コナンと約束したから…」

そういいながら、俺はコナンの所へ行こうと足を踏み出した…。

「新一…まだ、早かったかもしれないな…コナンに1人部屋は…」

父さんは顎に手を当てて、考えるようにポツリ俺に言った…。

「えっ?けど…」
「勿論、すぐには戻したりしないさ…一度一人部屋を許したんだ…暫く様子を見よう……」

父さんはそう言うと…ポケットに手を突っ込みながらリビングに戻って行った…。

俺もその姿を見届けた後…コナンの部屋に急いだ…。

 
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