新一とコナン④
「コナン、何がいい?」
「新一兄ちゃんと同じやつ」
「え!?お前が好きなやつ決めろよ…」
新一が頼もうとしているのは辛口カレーだった為、焦りながらコナンに別のをと再度選び直すように指示する。
「えー、僕も兄ちゃんと一緒がいーい!」
「しょうがねーな…」
こうなったら譲らないコナンに辛口カレーを一緒に頼む訳に行かず、やむ無く新一は甘口カレーを頼む事にした。
「甘口カレー二つ…蘭は?」
「私は辛口カレーで」
「え?お前辛いの平気だったっけ?」
「いいから、いいから…」
そう言って、蘭は新一の問いをはぐらかしながら、カレー楽しみだねっとコナンに笑いかけていた。
席を外していた和葉が戻ってくるなり、このお店で売ってるレトルトカレーを持って戻ってきた。
「あった、あった。売り切れへんでよかったわ~」
「げ!お前そんなに買ってどないすんねん?」
「せやから、あんたんとこのおばちゃんとか色んな人に頼まれたーって言うたやろ?」
「せやけど…買いすぎとちゃうか?」
見ると、和葉の手にはレトルトカレー10箱以上もお土産に買ったらしく、大量にお土産袋を握りしめていた。呆れた平次を退かすように、和葉は窓際の席へ座った。
それから何分かして、運ばれてくるカレーはそれぞれの目の前に運ばれる。甘口カレーを目の前に残念がる新一に、蘭は自分のカレーと新一のカレーを交換した。
「え!?蘭?」
「どうせ、辛口食べたかったんでしょ?コナン君は、お姉ちゃんと一緒に甘口食べよ?」
「うん!」
そう言われたコナンは、さっきまで"兄ちゃんと同じやつ~"と言ってたのにコロッと変えて、蘭と一緒と喜んでいた。
「悪いな…」
「いいの。」
そうして、一口頬張るコナンは"んまぁい"と満面の笑みを浮かべて喜んでいた。その反応を見て、"そんじゃ俺も"と言いながら、平次を筆頭に各々が食べ始めた。
そう言ってやっとお昼にあり付けられ、コナンを中心に服部と和葉の漫才の様なトークを繰り広げながら、着々と食事は進んだ。
最初はブーブー文句を言っていた平次だが、カレーを口にした平次はあまりにも美味しかったカレーに驚きのあまり声が出た。
「なんやこれ、美味いやんけ…」
「せやからそう言うたやん」
そんなやり取りをしながら食事が進む一方で、新一の横でカレーを頬張るコナンはチラッと新一のカレーに目をやると尋ねた。
「ねえー、兄ちゃんの辛いの?」
「え?あ、ああ…すげー辛いぞ。だから、お前にはまだ早いよ」
それだけ言って、辛口カレーを頬張る新一にコナンは物欲しそうにお願いする。
「ちょっとちょうだい?」
「だーめ!辛いんだからお前には無理だよ!」
「ちょっとだけー」
「お前のカレーまだ残ってるだろ?それ食べてろよ」
「兄ちゃんのカレー食べたいの~」
そう言って、新一を困らせるコナンにたく~とため息をつくとスプーンにちょっとだけすくい、コナンに食べさせると…コナンは想像以上に辛かったのか、舌をべーと出し辛そうにして困った顔をしていた。
「ほら、言ったじゃねーか!水!」
そう言って、慌ててコナンに水を飲ませていると、向かいに座っていた服部はぽつりと言う。
「工藤…お前大変やな…」
「まあ、いつもの事だからな…」
そう言って、両手で水を飲んで辛がっているコナンの頭をぽんと叩くと、"ゴツッ"と鈍い音をさせたと思ったら、コナンはコップに前歯をぶつけてしまっていた。
「あ、わり…」
「痛いよ兄ちゃん…」
「もう新一…大丈夫?コナン君?」
そう心配する蘭をよそに、今にも泣きそうなコナン…。
「おい泣くなよ…兄ちゃんが悪かったよ…」
「うっ…」
うろたえる新一の目の前で涙ぐむコナン。わたわたしていると、蘭が提案する。
「コナン君、泣かないで我慢したらお姉ちゃんがアイス買ってあげる!コナン君、あそこのアイス好きでしょ!?」
「ええ~本当~?」
「うん!カレーの後だから、一段とアイスが美味しくなると思うよ?」
「うん!!」
蘭の提案に、涙を止めてぱぁっと、嬉しそうに返事をするコナンに蘭は言う。
「じゃあ、もう少しだから…残りのカレー食べちゃお?」
「はーい」
そう返事をして、落ち着いた舌を水で潤しながらその後も残りのカレーを頬張っていた。
「蘭、わりーな…」
「いいの。」
そんな様子を向かいで見ていた和葉がぽつりと言う。
「なんや、あんたら…親子みたいやな…」
その瞬間、新一と蘭はドキッとしながら顔を見合わせる。
「「え!?違う違う…」」
和葉に言われ、二人一緒に声を合わせながら訂正するのを見て、"息ぴったりやん"とまたしても茶化される。
「いや、蘭はコナンが産まれた時から面倒見てくれたから…慣れてるんだよ。コナンもこの通り懐いてるしな。」
「そうなのよ。コナン君は本当の弟みたいに可愛くって…。」
「ええやん、あんたらならええ夫婦になるんちゃうかな?」
ニコニコしながら、最後までからかってくる和葉に、終始照れくさそうに顔を背ける新一と蘭。中央にいたコナンは不思議になりながら、食べ終わったカレーのお皿の上にカチャっと音をさせてスプーンをそっと置いた。
「新一兄ちゃんと同じやつ」
「え!?お前が好きなやつ決めろよ…」
新一が頼もうとしているのは辛口カレーだった為、焦りながらコナンに別のをと再度選び直すように指示する。
「えー、僕も兄ちゃんと一緒がいーい!」
「しょうがねーな…」
こうなったら譲らないコナンに辛口カレーを一緒に頼む訳に行かず、やむ無く新一は甘口カレーを頼む事にした。
「甘口カレー二つ…蘭は?」
「私は辛口カレーで」
「え?お前辛いの平気だったっけ?」
「いいから、いいから…」
そう言って、蘭は新一の問いをはぐらかしながら、カレー楽しみだねっとコナンに笑いかけていた。
席を外していた和葉が戻ってくるなり、このお店で売ってるレトルトカレーを持って戻ってきた。
「あった、あった。売り切れへんでよかったわ~」
「げ!お前そんなに買ってどないすんねん?」
「せやから、あんたんとこのおばちゃんとか色んな人に頼まれたーって言うたやろ?」
「せやけど…買いすぎとちゃうか?」
見ると、和葉の手にはレトルトカレー10箱以上もお土産に買ったらしく、大量にお土産袋を握りしめていた。呆れた平次を退かすように、和葉は窓際の席へ座った。
それから何分かして、運ばれてくるカレーはそれぞれの目の前に運ばれる。甘口カレーを目の前に残念がる新一に、蘭は自分のカレーと新一のカレーを交換した。
「え!?蘭?」
「どうせ、辛口食べたかったんでしょ?コナン君は、お姉ちゃんと一緒に甘口食べよ?」
「うん!」
そう言われたコナンは、さっきまで"兄ちゃんと同じやつ~"と言ってたのにコロッと変えて、蘭と一緒と喜んでいた。
「悪いな…」
「いいの。」
そうして、一口頬張るコナンは"んまぁい"と満面の笑みを浮かべて喜んでいた。その反応を見て、"そんじゃ俺も"と言いながら、平次を筆頭に各々が食べ始めた。
そう言ってやっとお昼にあり付けられ、コナンを中心に服部と和葉の漫才の様なトークを繰り広げながら、着々と食事は進んだ。
最初はブーブー文句を言っていた平次だが、カレーを口にした平次はあまりにも美味しかったカレーに驚きのあまり声が出た。
「なんやこれ、美味いやんけ…」
「せやからそう言うたやん」
そんなやり取りをしながら食事が進む一方で、新一の横でカレーを頬張るコナンはチラッと新一のカレーに目をやると尋ねた。
「ねえー、兄ちゃんの辛いの?」
「え?あ、ああ…すげー辛いぞ。だから、お前にはまだ早いよ」
それだけ言って、辛口カレーを頬張る新一にコナンは物欲しそうにお願いする。
「ちょっとちょうだい?」
「だーめ!辛いんだからお前には無理だよ!」
「ちょっとだけー」
「お前のカレーまだ残ってるだろ?それ食べてろよ」
「兄ちゃんのカレー食べたいの~」
そう言って、新一を困らせるコナンにたく~とため息をつくとスプーンにちょっとだけすくい、コナンに食べさせると…コナンは想像以上に辛かったのか、舌をべーと出し辛そうにして困った顔をしていた。
「ほら、言ったじゃねーか!水!」
そう言って、慌ててコナンに水を飲ませていると、向かいに座っていた服部はぽつりと言う。
「工藤…お前大変やな…」
「まあ、いつもの事だからな…」
そう言って、両手で水を飲んで辛がっているコナンの頭をぽんと叩くと、"ゴツッ"と鈍い音をさせたと思ったら、コナンはコップに前歯をぶつけてしまっていた。
「あ、わり…」
「痛いよ兄ちゃん…」
「もう新一…大丈夫?コナン君?」
そう心配する蘭をよそに、今にも泣きそうなコナン…。
「おい泣くなよ…兄ちゃんが悪かったよ…」
「うっ…」
うろたえる新一の目の前で涙ぐむコナン。わたわたしていると、蘭が提案する。
「コナン君、泣かないで我慢したらお姉ちゃんがアイス買ってあげる!コナン君、あそこのアイス好きでしょ!?」
「ええ~本当~?」
「うん!カレーの後だから、一段とアイスが美味しくなると思うよ?」
「うん!!」
蘭の提案に、涙を止めてぱぁっと、嬉しそうに返事をするコナンに蘭は言う。
「じゃあ、もう少しだから…残りのカレー食べちゃお?」
「はーい」
そう返事をして、落ち着いた舌を水で潤しながらその後も残りのカレーを頬張っていた。
「蘭、わりーな…」
「いいの。」
そんな様子を向かいで見ていた和葉がぽつりと言う。
「なんや、あんたら…親子みたいやな…」
その瞬間、新一と蘭はドキッとしながら顔を見合わせる。
「「え!?違う違う…」」
和葉に言われ、二人一緒に声を合わせながら訂正するのを見て、"息ぴったりやん"とまたしても茶化される。
「いや、蘭はコナンが産まれた時から面倒見てくれたから…慣れてるんだよ。コナンもこの通り懐いてるしな。」
「そうなのよ。コナン君は本当の弟みたいに可愛くって…。」
「ええやん、あんたらならええ夫婦になるんちゃうかな?」
ニコニコしながら、最後までからかってくる和葉に、終始照れくさそうに顔を背ける新一と蘭。中央にいたコナンは不思議になりながら、食べ終わったカレーのお皿の上にカチャっと音をさせてスプーンをそっと置いた。