こういう時…コナンは走るのが早く、あっという間に家の玄関を開けて入ってった…。

バタバタと急いで俺も、コナンの後を追ってコナンの部屋の前まで来ると、ノックした。

「コナン、開けるぞ…」

俺はそう言うと、コナンの部屋のドアをゆっくり開けた…。

見ると、コナンはベッドに寝そべって…俺がさっき渡した本を見始めた所だった…。

「コナン、分かるか？」
「分かるよ…ありがとう、兄ちゃん！！」

そう言うと、コナンの目線は再び本に移された…。

真剣に読んでる弟を見ながら、俺は静かに部屋を出て行った…。



「あ～新ちゃん…どうしたのよ、二人で慌てて帰ってきて…」
「また喧嘩か？」

さっき、大きな足音を立てながら帰ってきた俺とコナンが心配になって母さんが聞いてきた…。

「そんなんじゃないけど、コナンがいきなり走るからさ…」

俺はさっきの話をしながら、コナンにフリガナ付きの本をあげた事を言った…。

「新ちゃん♡優しいとこもあるのね…でも、気をつけなさいね…」
「えっ？？何が？」
「あんまり夜更かしさせるなよ…」

母さんの言葉に不思議になっていた俺に、父さんの言葉で漸く理解した…。

「あー、気をつけるよ…」

夕食が終わった後、コナンは再び自分の部屋に籠って読み始めた…。

それを心配して、俺はコナンの部屋に入って様子を見た…。

「コナン、そろそろ、寝よーぜ？」
「えー、まだいいじゃなーい…」

なかなか寝ようとしないコナンの手から、本を取り上げると…それをランドセルにしまった…。

「あ～～に～ちゃん！！」
「今日はお終い！もう寝るぞ！」

そう言うと、俺はコナンをベッドに促すと電気を消した…。

「じゃ、おやすみコナン！！」
「おやすみなさい…」

ふて腐れながら言うコナンに、俺は笑いながら手を降ると、部屋を出た…。