新一とコナン④
「灰原さん!」
「お兄さん!ごめんなさい、私が付いていながら……」
お兄さんの登場を目の前にする灰原は、コナンがこんな事になって申し訳なさそうに謝る。
「灰原さんのせいじゃない。とりあえず、探そう。」
いくらコナンを呼んでも返事がないという少年探偵団達の言葉で、新一はポツリという。
「声が届かない所にいるか、声が出ないか……」
「それって…」
新一の言葉に涙ぐむ歩美は動揺隠せず大声を上げた。
「コナンくーん!!」
「大丈夫よ、お兄さん!不安にさせること言わないでくれない?この子達が不安がるじゃない!」
歩美をなだめながら、睨む灰原に新一はドキッとする。
「おっと…ん?」
何かにつまづいた新一は自分の足元を辿ると、何かの出っ張りを見つける。
最近開けられた様な形跡のあるそれが気になり、近くに寄って手当り次第探ってみた。
1度開けて閉められた上からダンボール等でカモフラージュして見つからない様にされているようだった。
「これって…」
「どうしたんですか?」
ダンボールをどかしてみると、開けられる様な扉が姿を現した。
「これって開くの?」
「開けてみよう」
重い扉らしきものをゆっくり開ける新一。
「よっ」
中は真っ暗闇で視界も悪く、人がいるかも分からない状態だった。
「なあ、お前達時計型ライト持ってたよな?」
「うん、あるよ!」
「ちょっと照らしてみてくれ」
「分かりました」
カチッと音をさせて中を照らすと、そこには…。
「コナン!」
「いた!」
「コナン君!」
コナンを発見し、安堵する一同だったがそこは思ったより深く子供1人通れるくらいの狭さだった。
新一が下まで降りてコナンを連れて来れる隙間はない。
「コナン!どこか足掛ける所はないか?」
新一の問いにコナンは不安な表情をさせながらただ首を振るだけだった。
そんなコナンの表情を見る新一はコナンに勇気づける言葉を掛ける。
「大丈夫だ、コナン!きっと助かるから、兄ちゃんを信じろ!な?」
その言葉にコナンは首を縦に振ると、少しの笑顔がコナンの顔に宿っていた。
何かないかと新一は周りを見渡す。
「そうだ!まきを……誰か長いロープみたいなもの探してきてくれ!」
「博士の所にあるかもしれません」
「俺達が持ってきてやるぜ」
「歩美もいくー!」
少年探偵団は急いで博士の所へロープを探しに行った!
コナンを助ける。その一心で。
しばらくして、博士と一緒に戻ってきた少年探偵団の手には縄が握られていた。
「おーい!これでいいかー?」
「ああ、これなら大丈夫だろ!」
「何をするんじゃ?新一?」
「コナンを助ける為の命綱かな?」
「よし、出来た!」
新一は、コナンが手と足を掛けられる様に綱にまきを絡めてコナンのいる場所まで垂らした。
「コナン、それに掴まれ!大丈夫!兄ちゃんが引っ張ってやるから!」
そういうと、コナンは足と手を引っ掛けてグラグラしながらも、必死に捕まった。
「コナン、手を話すんじゃねーぞ?」
そういうと、新一はゆっくり引いていった。
もう少しという所で枝が折れたが、間一髪の所で新一はコナンの手をキャッチし、何とか引き上げられた。
その瞬間コナンは新一の胸へ飛び込んだ。
「危なかったな……もう大丈夫だぞ、コナン!」
そう声をかける新一の胸の中でコナンは身体を震わしながら泣いていた。
そんな新一はコナンの頭をゆっくり撫で、自分のポケットから探偵バッヂを出してそっとコナンの手に握らせた。
声が出ないコナンはそれを黙って握り、新一を見つめていた。
「コナン?声出ないのか?」
「きっと、叫びすぎて声枯れているのよ…」
灰原にそう言われ、新一はコナンにペットボトルのジュースを飲ませてあげた。
「大丈夫か?」
新一の問いにコクンと頷くコナン。どうなってたか分からないコナンを前にして、一同は安堵の表情を浮かべていた。
「お兄さん!ごめんなさい、私が付いていながら……」
お兄さんの登場を目の前にする灰原は、コナンがこんな事になって申し訳なさそうに謝る。
「灰原さんのせいじゃない。とりあえず、探そう。」
いくらコナンを呼んでも返事がないという少年探偵団達の言葉で、新一はポツリという。
「声が届かない所にいるか、声が出ないか……」
「それって…」
新一の言葉に涙ぐむ歩美は動揺隠せず大声を上げた。
「コナンくーん!!」
「大丈夫よ、お兄さん!不安にさせること言わないでくれない?この子達が不安がるじゃない!」
歩美をなだめながら、睨む灰原に新一はドキッとする。
「おっと…ん?」
何かにつまづいた新一は自分の足元を辿ると、何かの出っ張りを見つける。
最近開けられた様な形跡のあるそれが気になり、近くに寄って手当り次第探ってみた。
1度開けて閉められた上からダンボール等でカモフラージュして見つからない様にされているようだった。
「これって…」
「どうしたんですか?」
ダンボールをどかしてみると、開けられる様な扉が姿を現した。
「これって開くの?」
「開けてみよう」
重い扉らしきものをゆっくり開ける新一。
「よっ」
中は真っ暗闇で視界も悪く、人がいるかも分からない状態だった。
「なあ、お前達時計型ライト持ってたよな?」
「うん、あるよ!」
「ちょっと照らしてみてくれ」
「分かりました」
カチッと音をさせて中を照らすと、そこには…。
「コナン!」
「いた!」
「コナン君!」
コナンを発見し、安堵する一同だったがそこは思ったより深く子供1人通れるくらいの狭さだった。
新一が下まで降りてコナンを連れて来れる隙間はない。
「コナン!どこか足掛ける所はないか?」
新一の問いにコナンは不安な表情をさせながらただ首を振るだけだった。
そんなコナンの表情を見る新一はコナンに勇気づける言葉を掛ける。
「大丈夫だ、コナン!きっと助かるから、兄ちゃんを信じろ!な?」
その言葉にコナンは首を縦に振ると、少しの笑顔がコナンの顔に宿っていた。
何かないかと新一は周りを見渡す。
「そうだ!まきを……誰か長いロープみたいなもの探してきてくれ!」
「博士の所にあるかもしれません」
「俺達が持ってきてやるぜ」
「歩美もいくー!」
少年探偵団は急いで博士の所へロープを探しに行った!
コナンを助ける。その一心で。
しばらくして、博士と一緒に戻ってきた少年探偵団の手には縄が握られていた。
「おーい!これでいいかー?」
「ああ、これなら大丈夫だろ!」
「何をするんじゃ?新一?」
「コナンを助ける為の命綱かな?」
「よし、出来た!」
新一は、コナンが手と足を掛けられる様に綱にまきを絡めてコナンのいる場所まで垂らした。
「コナン、それに掴まれ!大丈夫!兄ちゃんが引っ張ってやるから!」
そういうと、コナンは足と手を引っ掛けてグラグラしながらも、必死に捕まった。
「コナン、手を話すんじゃねーぞ?」
そういうと、新一はゆっくり引いていった。
もう少しという所で枝が折れたが、間一髪の所で新一はコナンの手をキャッチし、何とか引き上げられた。
その瞬間コナンは新一の胸へ飛び込んだ。
「危なかったな……もう大丈夫だぞ、コナン!」
そう声をかける新一の胸の中でコナンは身体を震わしながら泣いていた。
そんな新一はコナンの頭をゆっくり撫で、自分のポケットから探偵バッヂを出してそっとコナンの手に握らせた。
声が出ないコナンはそれを黙って握り、新一を見つめていた。
「コナン?声出ないのか?」
「きっと、叫びすぎて声枯れているのよ…」
灰原にそう言われ、新一はコナンにペットボトルのジュースを飲ませてあげた。
「大丈夫か?」
新一の問いにコクンと頷くコナン。どうなってたか分からないコナンを前にして、一同は安堵の表情を浮かべていた。