「「コナーンくーん！」」

よく晴れた日曜日、コナンは阿笠博士に連れられて、少年探偵団と一緒にキャンプに行くことになっていた。

工藤家の前に立ち、元気よくコナンを呼ぶ少年探偵団の声に反応して、コナンは玄関を飛び出す。

「いってきまーす」

バタバタと足音を立てて玄関を飛び出すコナンを阿笠博士一同は笑顔で出迎える。

「コナンちゃん、忘れ物大丈夫かなー？」
「大丈夫！」

有希子の心配を他所に元気に答えるコナン。

「じゃ、博士…よろしくお願いします！」
「おおっ！任せてくれ！皆も一緒だし、大丈夫じゃろ？なあ？」
「うん！」

有希子と話しながら、コナンに目線を向ける博士に向けて、コナンは元気いっぱいに返事をした。

「兄ちゃんは？」
「新ちゃんは昨夜遅くまで起きてたみたいでまだ寝てるわよ、コナンちゃん、お兄ちゃんいないと寂しい？」
「そ、そんな事ないよ！じゃあ、兄ちゃんによろしくね！」
「ええ、楽しんでらっしゃい」

コナンはそう有希子に挨拶すると、阿笠博士の運転する車に乗りキャンプ場に向けて走り出した。

久しぶりのキャンプだから、コナン達はわくわく！車の中ではしゃぎながら、キャンプ場へ向かっていた。


工藤邸では、漸く起きた新一がコナンの探偵バッヂを発見し、慌てて駆け出す。

「あれ？コナンは？」
「もう、キャンプ場に出発したわよ！新ちゃん起きるの遅いんだからあ～」
「新一によろしくと言ってたぞ！」
「そっか…まあ、大丈夫か。」

優作と有希子に状況を説明され、新一の手のひらの上に乗ったコナンの探偵バッヂを見つめる新一。

コナンが置いてきたこの忘れ物のせいでコナンに危険を振りかざす事となるとは、この時は思いもよらなかった。


「もうすぐ着くぞー」

阿笠博士の一言で皆のテンションが上がり、車の窓からキャンプ場を見渡す。

「俺にも見せろよ」
「順番！」

大騒ぎする子供達の中で、唯一灰原だけはしっかり注意していた。

車が停車したタイミングで、コナンが一目散に駆け出す。

「着いた～」
「待てよ、コナン！！」
「待ってください！」
「ちょっと、置いてかないでよー」

コナンの追いかけていく少年探偵団の後から、ゆっくり車から降りる灰原。

「まったく……」
「とりあえず哀くん、テント立てんとならんから、連れ戻してくれ」
「はいはい……」

博士に言われ、呆れながら少年探偵団の元へ近付くと、相変わらず自由に駆け回ってるコナン達。

哀はコナンの腕を持って言う。

「遊ぶのは後！テント組み立てるから手伝って頂戴！」
「ええー？」
「ほら、行くわよ！」

ほぼ強引に灰原に連れ戻され、テントの組み立てに取り掛かる阿笠博士と少年探偵団達。

博士の言いつけ通りにやって行く子供達のお陰で少しづつテントは出来上がっていった。

「出来たー！」

コナンの屈託の無い笑顔を号令に、テントは完成した。

「ああ、ありがとう！これでテントは完成じゃ！君らは少し遊んできていいぞ！」
「ほんとー？」
「まき拾いに行きながら、探検してこようぜ！」
「あなた達、あんまり遠くに行っちゃダメよ？」
「分かってるよ！」
「行きましょ～」

そして、コナンを連れて元太、歩美、光彦達はまき拾いに行ったのだった。