哀とコナンと…
俺は灰原さんを博士の家に送り届けた後、コナンの様子が気になり部屋に入った。
「母さん、どうだ?コナンの様子は?」
「うん…やっと眠ったみたい」
「そっか」
俺は、コナンの眠った顔を見るなりやっと安心出来た。灰原さんの手前、カッコつけた所もあったんだろうけど…眠れず辛かったんだろう?とコナンの安心して眠った表情を見て思っていた。
「病院行く時はまたぐずりそうだな…」
そう言う俺に、母さんがニコニコしながら俺に頼んできた。
「その時は新ちゃんが連れてってあげて~」
「え!?俺?」
「だって~新ちゃんとなら大人しく行ってくれそうなんだもん」
そんな風に笑いながら言ってくる母さんに、グズッたらと約束でその時は俺が連れて行くことになった。
翌日、コナンの薬と水を持って来た時…パタンと閉める扉の音でゆっくり瞳を開けたのを見て、俺はコナンに声を掛けた。
「コナン、起きたか?薬持ってきたけど、飲めるか?」
「うん」
起きたばかりでぼーっとしているコナンはそれだけ返事すると起きようとしていたから、コナンの背を支えながら起こしてやった。
両手でコップを支えながら飲むコナンの額に触れると、だいぶ下がった様で安心する。
「よかったな、熱下がって~」
「うん、兄ちゃん…」
「うん?」
「哀ちゃん…」
そこまで言うと俯くコナン。昨日お見舞いに来てくれた灰原さんの前で泣いてしまった事を恥ずかしそうに思い出して気にしてる様にも思った。
「元気になったら遊びに来ると言ってたから、心配すんな」
そう言って、頭を撫でてやると"よかった"と笑顔を見せていた。
その後、やっぱり病院行く事に駄々をこねていたので俺が灰原さんの名前を出して、言う事を聞かせようとして言った。
「そんな駄々こねてると灰原さんに笑われちゃうぞ?」
そう言ってやると、黙って少し考えると"分かった"とだけ言って大人しくなった。
そんな俺達を見て、父さんと母さんは笑っていたが、コナンを背負って病院に向かう時玄関まで送り出してくれた。
「気をつけてな」
そういう父さんにコナンは"行ってきまーす"と笑顔を向けて言っていた。俺の背におぶさりながら二人に元気よく大きく手を振っているコナンを見て、これなら大丈夫そうだなと心の中で思っていた。
「兄ちゃん、ありがとう」
俺の背におぶさりながら俺にお礼を言うコナンに不思議に思う。
「どうした?」
「何でもない」
照れ隠しにも似たようなコナンの言葉が気になるも、背にもたれ掛かりながら微笑んでいる様に思え、俺は特に何も言わず病院を目指した。
帰宅して、元気なコナンを見るなり灰原さんはいつもの様に出迎えてくれていた。
「コナン君!」
「哀ちゃん!」
そうお互いを呼び合いながら手を繋いで仲良く遊ぶ姿を見て、灰原さんを連れてきた阿笠博士と一緒に二人を見て微笑んでいた。
コナンが泣いた事を触れないでくれている灰原さんの優しさにコナンも少しづつ心を開いている様だった。
コナンにまた一人、遊び相手ができた事に俺は嬉しく思っていた。
それから、3年後……コナンと灰原さんは小学生になった。
あれから、時は流れて……お互いの事を意識し始める歳になる頃には……いつの間にか、コナンは"灰原"
、灰原さんは"工藤くん"と、呼び合うようになり…二人とも大きく成長していった。
大きくなるにつれて……コナンの身体も、丈夫になっていき、熱を出すことも少なくなった。
これから、二人が歩む道は……周りにいる誰かではなく……二人が、自分自身で決めることなんだと、そう二人に話した時……なんだか、二人の表情が逞しく見えた。
これから先、何が起ころうとも……自分自身の全てをお互い話した二人なら、分かりあって行けるだろ……。
そう思い、俺は二人の小さくて逞しい背中を見つめながら、今日も……蘭と並んで学校への道を歩いてゆく。
「母さん、どうだ?コナンの様子は?」
「うん…やっと眠ったみたい」
「そっか」
俺は、コナンの眠った顔を見るなりやっと安心出来た。灰原さんの手前、カッコつけた所もあったんだろうけど…眠れず辛かったんだろう?とコナンの安心して眠った表情を見て思っていた。
「病院行く時はまたぐずりそうだな…」
そう言う俺に、母さんがニコニコしながら俺に頼んできた。
「その時は新ちゃんが連れてってあげて~」
「え!?俺?」
「だって~新ちゃんとなら大人しく行ってくれそうなんだもん」
そんな風に笑いながら言ってくる母さんに、グズッたらと約束でその時は俺が連れて行くことになった。
翌日、コナンの薬と水を持って来た時…パタンと閉める扉の音でゆっくり瞳を開けたのを見て、俺はコナンに声を掛けた。
「コナン、起きたか?薬持ってきたけど、飲めるか?」
「うん」
起きたばかりでぼーっとしているコナンはそれだけ返事すると起きようとしていたから、コナンの背を支えながら起こしてやった。
両手でコップを支えながら飲むコナンの額に触れると、だいぶ下がった様で安心する。
「よかったな、熱下がって~」
「うん、兄ちゃん…」
「うん?」
「哀ちゃん…」
そこまで言うと俯くコナン。昨日お見舞いに来てくれた灰原さんの前で泣いてしまった事を恥ずかしそうに思い出して気にしてる様にも思った。
「元気になったら遊びに来ると言ってたから、心配すんな」
そう言って、頭を撫でてやると"よかった"と笑顔を見せていた。
その後、やっぱり病院行く事に駄々をこねていたので俺が灰原さんの名前を出して、言う事を聞かせようとして言った。
「そんな駄々こねてると灰原さんに笑われちゃうぞ?」
そう言ってやると、黙って少し考えると"分かった"とだけ言って大人しくなった。
そんな俺達を見て、父さんと母さんは笑っていたが、コナンを背負って病院に向かう時玄関まで送り出してくれた。
「気をつけてな」
そういう父さんにコナンは"行ってきまーす"と笑顔を向けて言っていた。俺の背におぶさりながら二人に元気よく大きく手を振っているコナンを見て、これなら大丈夫そうだなと心の中で思っていた。
「兄ちゃん、ありがとう」
俺の背におぶさりながら俺にお礼を言うコナンに不思議に思う。
「どうした?」
「何でもない」
照れ隠しにも似たようなコナンの言葉が気になるも、背にもたれ掛かりながら微笑んでいる様に思え、俺は特に何も言わず病院を目指した。
帰宅して、元気なコナンを見るなり灰原さんはいつもの様に出迎えてくれていた。
「コナン君!」
「哀ちゃん!」
そうお互いを呼び合いながら手を繋いで仲良く遊ぶ姿を見て、灰原さんを連れてきた阿笠博士と一緒に二人を見て微笑んでいた。
コナンが泣いた事を触れないでくれている灰原さんの優しさにコナンも少しづつ心を開いている様だった。
コナンにまた一人、遊び相手ができた事に俺は嬉しく思っていた。
それから、3年後……コナンと灰原さんは小学生になった。
あれから、時は流れて……お互いの事を意識し始める歳になる頃には……いつの間にか、コナンは"灰原"
、灰原さんは"工藤くん"と、呼び合うようになり…二人とも大きく成長していった。
大きくなるにつれて……コナンの身体も、丈夫になっていき、熱を出すことも少なくなった。
これから、二人が歩む道は……周りにいる誰かではなく……二人が、自分自身で決めることなんだと、そう二人に話した時……なんだか、二人の表情が逞しく見えた。
これから先、何が起ころうとも……自分自身の全てをお互い話した二人なら、分かりあって行けるだろ……。
そう思い、俺は二人の小さくて逞しい背中を見つめながら、今日も……蘭と並んで学校への道を歩いてゆく。