哀とコナンと…
"ピーんポーン"
暫くして、家のチャイムが鳴った……。
多分、灰原さんだろうと……俺は玄関まで出迎えに行こうと、立ち上がった。
「コナン!多分、灰原さんだぞ……どうするんだよっ……」
「会えない!」
そう言ってコナンは布団を被り、顔を隠したまま……声だけ布団の中で発した。
「たくっ……灰原さん、連れて来るから……目を覚ましてろよ……」
そう言って、コナンを布団の上から軽くポンっと叩くと……俺は灰原さんを玄関に出迎えた。
「こんにちは……あ、あの……」
「ごめんな、灰原さん……コナンの奴、まだ熱が下がらねーんだ……」
「そう…………」
俺がそう、説明すると……灰原さんは、俯いていた……。
ふと、灰原さんの手に握られている物に目を向ける俺に、灰原さんは慌てて隠すと……俺に再び、視線を向けた。
「お兄さん……あの、コナン君に会える!?」
「え?あ、ああ……一緒においで……」
俺はそう言って、灰原さんを連れてコナンが寝てる寝室へ案内した。
部屋に入ると、コナンは起き上がって……灰原さんが来るのを待っていたようだった。
というか……。
熱出して寝込んでたなんて思われないような素振りで、元気良く灰原さんを向かいいれた。
「哀ちゃん!!」
「コナン君!!大丈夫なの?」
「平気だよ!」
そんなコナンの額を触ると……まだ、少し高く……どうやら、灰原さんにカッコ悪いところを見せない様にしている様だった。
「コナン、無理するなよ!まだ、熱あるんだから、寝てろっ」
「な、ないよ!!」
コナンは、赤い顔で俺の手を振り解こうと身体を捻じ曲げていた。
その時、コナンはふらつき……呼吸を乱した。
「ほら、まだ熱があるんだから……寝てろよ……」
「だ、大丈夫だよ……」
身体が、辛くても……コナンは決して、寝ようとはしなかった。
見兼ねた灰原さんが、手に待ってたそれをコナンに差し出した。
「昨日、貸してくれて有難う!お陰で、寂しくなかったよ!風邪が治ったら、遊ぼう!!」
そう言って、灰原さんは部屋を出て行った。
「コナン、ほらまた熱上がったら病院行く事になるぞ……入院したいのか?」
「でも……」
「大丈夫だから、灰原さんにもっと心配されちゃうぞ?」
「大丈夫だよ!」
「いいから、寝てろ……」
そう言って、俺は漸く横になってくれたコナンに安心して、灰原さんの後を追った。
部屋を出ると、今の話を聞いていたのか……灰原さんが、壁に寄りかかり涙を流していた。
「灰原さん……どうした!?」
「コナン君……」
「ん?」
俺は、何を思って涙を流しているのか分からない灰原さんを、一点に見つめた。
灰原さんは、暗い影を落としながら……再度コナンの寝室へ入って行く……。
「コナン君……」
「どうしたの!?」
灰原さんは、コナンに近づき……そして、聞いた。
「コナン君、病気なの!?」
「…………」
「あ、灰原さん…コナンは……」
「違うよ……」
灰原さんの質問に、コナンは笑って否定した。
「私が、昨日……コナン君に、迷惑かけたから……だから、コナン君倒れちゃったの!?」
「違うよ……」
泣き続ける灰原さんに、コナンは否定し続けた。
「だって……」
灰原さんは多分、さっき俺がコナンに言った事を聞いてしまったんだろう……。
「哀ちゃん、昨日のあの本取って!!」
「え!?」
「見せてあげる……」
「いいの!?」
コナンは、突然灰原さんに本棚に入ってる自分のアルバムを指差した。
「あ、それは……」
俺は、慌てて灰原さんを止めようとするが……コナンはそれを持ち、アルバムをめくって行く。
俺は、コナンが写ってるその写真を灰原さんに見せて大丈夫なのかと、心配になっていった……。
コナンは、めくったページを指さして……灰原さんに教えた。
「これ、僕……」
「え?」
灰原さんは、コナンの写真に目を見開いて……驚いていた。
それは、コナンが産まれたばかりの頃……未熟児として、NICUに入っていた時の写真だった。
体中、沢山の管に繋がれたコナンを見て……灰原さんは、どう思っているのだろう……。
びっくりして、コナンから距離を置く事になってしまうんじゃないか……。
俺は、そんな事ばかり頭をよぎる……。
産まれたばかりの自分の写真に指を指すコナンとそれを見つめる灰原さんの間で……静かな沈黙が流れた……。
暫くして、家のチャイムが鳴った……。
多分、灰原さんだろうと……俺は玄関まで出迎えに行こうと、立ち上がった。
「コナン!多分、灰原さんだぞ……どうするんだよっ……」
「会えない!」
そう言ってコナンは布団を被り、顔を隠したまま……声だけ布団の中で発した。
「たくっ……灰原さん、連れて来るから……目を覚ましてろよ……」
そう言って、コナンを布団の上から軽くポンっと叩くと……俺は灰原さんを玄関に出迎えた。
「こんにちは……あ、あの……」
「ごめんな、灰原さん……コナンの奴、まだ熱が下がらねーんだ……」
「そう…………」
俺がそう、説明すると……灰原さんは、俯いていた……。
ふと、灰原さんの手に握られている物に目を向ける俺に、灰原さんは慌てて隠すと……俺に再び、視線を向けた。
「お兄さん……あの、コナン君に会える!?」
「え?あ、ああ……一緒においで……」
俺はそう言って、灰原さんを連れてコナンが寝てる寝室へ案内した。
部屋に入ると、コナンは起き上がって……灰原さんが来るのを待っていたようだった。
というか……。
熱出して寝込んでたなんて思われないような素振りで、元気良く灰原さんを向かいいれた。
「哀ちゃん!!」
「コナン君!!大丈夫なの?」
「平気だよ!」
そんなコナンの額を触ると……まだ、少し高く……どうやら、灰原さんにカッコ悪いところを見せない様にしている様だった。
「コナン、無理するなよ!まだ、熱あるんだから、寝てろっ」
「な、ないよ!!」
コナンは、赤い顔で俺の手を振り解こうと身体を捻じ曲げていた。
その時、コナンはふらつき……呼吸を乱した。
「ほら、まだ熱があるんだから……寝てろよ……」
「だ、大丈夫だよ……」
身体が、辛くても……コナンは決して、寝ようとはしなかった。
見兼ねた灰原さんが、手に待ってたそれをコナンに差し出した。
「昨日、貸してくれて有難う!お陰で、寂しくなかったよ!風邪が治ったら、遊ぼう!!」
そう言って、灰原さんは部屋を出て行った。
「コナン、ほらまた熱上がったら病院行く事になるぞ……入院したいのか?」
「でも……」
「大丈夫だから、灰原さんにもっと心配されちゃうぞ?」
「大丈夫だよ!」
「いいから、寝てろ……」
そう言って、俺は漸く横になってくれたコナンに安心して、灰原さんの後を追った。
部屋を出ると、今の話を聞いていたのか……灰原さんが、壁に寄りかかり涙を流していた。
「灰原さん……どうした!?」
「コナン君……」
「ん?」
俺は、何を思って涙を流しているのか分からない灰原さんを、一点に見つめた。
灰原さんは、暗い影を落としながら……再度コナンの寝室へ入って行く……。
「コナン君……」
「どうしたの!?」
灰原さんは、コナンに近づき……そして、聞いた。
「コナン君、病気なの!?」
「…………」
「あ、灰原さん…コナンは……」
「違うよ……」
灰原さんの質問に、コナンは笑って否定した。
「私が、昨日……コナン君に、迷惑かけたから……だから、コナン君倒れちゃったの!?」
「違うよ……」
泣き続ける灰原さんに、コナンは否定し続けた。
「だって……」
灰原さんは多分、さっき俺がコナンに言った事を聞いてしまったんだろう……。
「哀ちゃん、昨日のあの本取って!!」
「え!?」
「見せてあげる……」
「いいの!?」
コナンは、突然灰原さんに本棚に入ってる自分のアルバムを指差した。
「あ、それは……」
俺は、慌てて灰原さんを止めようとするが……コナンはそれを持ち、アルバムをめくって行く。
俺は、コナンが写ってるその写真を灰原さんに見せて大丈夫なのかと、心配になっていった……。
コナンは、めくったページを指さして……灰原さんに教えた。
「これ、僕……」
「え?」
灰原さんは、コナンの写真に目を見開いて……驚いていた。
それは、コナンが産まれたばかりの頃……未熟児として、NICUに入っていた時の写真だった。
体中、沢山の管に繋がれたコナンを見て……灰原さんは、どう思っているのだろう……。
びっくりして、コナンから距離を置く事になってしまうんじゃないか……。
俺は、そんな事ばかり頭をよぎる……。
産まれたばかりの自分の写真に指を指すコナンとそれを見つめる灰原さんの間で……静かな沈黙が流れた……。