新一とコナン③
「ただいま~」
学校から先に家に帰って来ていた俺は、母さんとコナンの帰りを出迎えた……。
「お帰り…あれ?コナン……」
俺は、コナンの異変に気付いてコナンの顔を見た途端…コナンは乱雑に靴を脱ぎ、猛ダッシュで自分の部屋に駆け込んだ……。
「おい、コナン!!」
追いかける俺だったが…コナンにドアを閉められてしまった…。
“カシャン……”
その時…コナンの部屋の中から何かの音がして、慌てて入ろうとした時…。
「新一…いいの、何をしたか分かってるから……それより、話があるの…ちょっと、リビングに来てくれる?」
「えっ??ああ……」
俺はそう、母さんに言われて…コナンの部屋の扉を見るが……そのまま、母さんの後ろに付いて行った……。
「今日、病院に行って来たの……」
そう言われて、診察カードを差し出された…。
「病院って…どこか悪いのか?」
「そう言う訳じゃないんだけど……」
そう言われて、診察カードを手に取りながら見ると…そのカードには"眼科"の文字が……。
「眼科って……そう言う事か…さっき眼鏡かけてたから、おかしいと思ってたんだよ……」
俺はそう言うと、眼鏡をかけたコナンを思い出した…。
「この間の視力検査で、コナンちゃん…引っかかっちゃって……今日、眼科行ったら眼鏡渡されちゃったのよ…それで凄い不機嫌になっちゃってね……」
母さんから、コナンの事を聞かされて…俺は少し考えた後、席を立った…。
「俺さ…ちょっと、話して来るよ…」
「あっ、新ちゃん…我儘を許しちゃダメよ?」
「えっ?あ、ああ……」
そう、軽く返事をすると…俺はコナンの部屋のドアを開けた…。
中に入ると…投げられたと思われる眼鏡が眼鏡ケースと一緒に乱雑に飛び散っていた……。
そして、コナンは布団を被りふてくされて寝ていた…。
「コナン…」
俺はコナンに声をかけるが、コナンはギュッと布団を握りしめて…顔を見せてはくれなかった…。
「起きろよ、コナン…」
「やだ」
そんなコナンに俺は眼鏡を片手に持つと、またコナンに話しかけた…。
「ほら、コナン…眼鏡かけろよ…かっこいいぜ?」
「だったら、兄ちゃんがかければいいじゃん!!」
何度言ってもダメだと思い、俺はコナンの布団を剥ぎ取ろうと試みた…。
「やだ!やめてよ…」
「ほら、コナン…かけろ…目が見えなくなっちまうぜ?」
「やだっ…」
少し、強引だと思っていたが…コナンに無理矢理眼鏡をかけさせようとしたのだが…。
逆にコナンに眼鏡をぶつけられて…これ以上の強引を制御された…。
「新一…ちょっと、どいて……」
それを感づいた母さんが、コナンをの部屋にやって来た…。
明らかに、怒っていた母さんを止める事も出来ず…俺はそれを見守るしかなかった…。
「コナンちゃん、眼鏡をかけなさい…」
コナンの嫌がるのを無視して母さんが、コナンをの両腕を持って止めていた…。
「眼鏡をかけるの!かけるのよ、コナン!!」
「や~、やだ!!」
眼鏡をコナンの顔に持って行く母さんの手を遮りながら…必死に抵抗力していたが……。
そのうち、コナンの手が母さんの手を眼鏡ごとはたいていた…。
“パチン……”
その瞬間…母さんは、コナンの頬を叩き…コナンの行動を制止させた…。
そして、その後…俺とコナンと母さんの間に、長い沈黙が流れた……。