それからも、調子を取り戻したコナンに服部は思い切り遊ばれていた…。

初めて会う服部に、最初は不信感を抱いていたものの、心を開いてからのコナンは服部のそばから離れず、飛び回っていた…。

「平次兄ちゃん！！」

そう叫びながら、開放してくれないコナンに服部は疲れ果てていた…。





「どうや？？」

俺は服部のその言葉に一度振り向くと…再度眠ったコナンに顔を向けながら、静かに布団をかけた…。

「ああ、漸く寝たよ…相当疲れたみたいだな…」
「疲れとんのは、俺の方やで……」
「そうだな、散々コナンに遊ばれてたもんな！！」

俺はコナンにずっと捕まされていた服部を見て、笑っていた…。

「笑い事やないで！ほんまに！！」
「悪い悪い…」

そんな話しをしながら、コナンの部屋を出ると丁度一人分の布団を持った母さんが登場した…。

「コナン、寝たのか？？」

母さんの後ろからコナンの部屋を覗く父さんに、俺は返事をした…。

「ああ、漸く寝たよ…」

ホッとしてため息を着く俺を見て、父さんはズボンのポケットに手を突っ込みながら、笑っていた…。

「平次くん、これでいいかしら？」

布団を持った母さんに言われ、服部はすまなそうに頭をかきながら、礼をいった…。

「すまへんな…わざわざ……」
「いいのよ、コナンちゃんの相手してくれたんだもの…」

俺の部屋に入って、服部の布団をひく母さんに促され…俺たちも続々と続いた…。

「じゃ、お休み…」

布団を引き終わると、父さんと母さんは俺と服部に挨拶すると…速やかに部屋を出ていった…。

「あかん、もう限界や…」

大きなあくびを一つすると…服部は、引いたばかりの布団に身体をダイブさせた…。

「おい、服部…かけて寝ろよ…風邪引くぞ……」
「分かっとるって…」

いいながら、服部はスースーと寝行きを立てて…夢の中に落ちていった…。

「しょうがねーな…」

俺は服部の身体が乗った掛け布団を引っ張りあげると、服部にかけた…。

コナンにあんだけ遊ばれれば、疲れるのも仕方ないと…俺はさっきまでの二人の情景を思い浮かべていた…。

ちょっと、話をしたかった俺は…少しばかりの寂しさを感じながら、仕方なく眠ることにした…。