新一とコナン②
「いただきまーす!!」
こういうメンバーで食べたのは、コナンも俺も初めての事だった…。
蘭の提案から始まったこの夕飯だったが…たまにはこう言うのもいいなぁ…としみじみ思っていた…。
「それ、コナン君が作ったのよ…」
俺のお皿に乗った、蘭が作ったのとは別に少し小さめでいびつな形をしたハンバーグを指差して蘭が教えてきた…。
「これを??」
「そうよ、コナン君頑張ったんだから…ね、コナン君!!」
「うん!!」
蘭の言葉に元気良く返事をするコナンは、終始笑顔だった…。
「まあまあ、いんじゃねーか?」
俺は素直に褒めてやる事も出来ず…コナンの作ったハンバーグを最初に食べた…。
そんな俺にコナンは聞いて来た…。
「美味しい??」
「ああ?まぁ……上手いよ…」
そう言って、俺は小さなハンバーグを口いっぱいに頬ばった…。
「まあ、お兄さんの卵焼きに比べたら…上出来ね…」
「そうじゃの~……いったいどんなの作ったんじゃ…新一……?」
俺の料理の腕前を不信に思った二人は、疑いの目で見てきた。
「別に…」
「言葉も無いって感じかしら?」
「うるせーよ…」
そう言ったあと俺は…残りのご飯を黙々と食べ進めた…。
そして……蘭や博士、灰原さんが帰った後、そろそろ就寝の準備をしようとしていた頃……ドアが開いたのが聞こえて、コナンが玄関まで走って行った…。
「お母さん!!」
そう言って、コナンが真っ先に母さんの足に抱きついた…。
「コナンちゃん…ただいま……いい子にしてた?」
「おかえり~うん!!大丈夫だったよ!!」
余程、嬉しかったのか、母さんに語りかけるコナンを見て俺は笑いながら言った…。
「何言ってんだよ!!淋しくて、俺のベッドに潜り込んで来たくせに!!」
「違うよ!!静かだったからだもん!」
そう言うコナンを見ながら父さんと母さんは久しぶりの我が家に帰ってきたと言わんばかりに微笑んでいた。
そして、ロスのお土産と言う事で…お菓子を貰った俺とコナンは、次の日…そのお菓子を頬張りながら、父さんと母さんのいなかった三日間の出来事を話した…。
俺の料理の事をコナンから聞いて…父さんと母さんの顔が引きつったのは、言うまでもなかった…。