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新一とコナン①

その日の帰り…俺は、蘭に気付かれない様に後を付けた…。

あいつはいったい何をしてるんだ?という疑問ばかりが頭を掻き巡る…。

今朝の行動といい、あの意味深な笑顔といい…俺は蘭の秘密をどうしても知りたくて仕方がなかった…。

暫く付けていた俺だったが…蘭は辺りをキョロキョロして時計を確認すると…近くにあった電信柱の隣に立ったまま動かなくなった…。

誰かを待っている様子ではあるが、いったい誰を…まさか、誰かとデートとか…。

まさかな…あの蘭に限って……そんな事を思っていると…誰かが俺の足を触る感触がした…。

振り向くと…そこには…丁度通りかかったコナンや灰原さん、少年探偵団がいた…。

「コナン!!」
「何してるの~?新一兄ちゃ……」
「ばかっ…」

コナンの口を塞ぎ、蘭に聞こえなかったか確かめながらコナンの口を開放した…。

「何するんだよ…新一兄ちゃん!!」
「悪い…でも、静かにしてろよ…」

そういい、俺は再び蘭の姿を見るが…もうそこには蘭の姿はなかった…。

「あっ…」

俺は慌てて蘭がいた場所まで走るが、どこへいったのかも見当が付かず結局は諦めてしまった…。

「もしかして…蘭さんの後を付けていたのかしら?」
「えっ?」
「あっ、それならよ…」
「しっー!!蘭おねーさんに言っちゃダメって言われたでしょ??」
「でしたね…」

そんな子供達の話を耳にした俺は…蘭や子供達に何か隠されてる気がした…。

「お前達…何か知ってるのか?」
「知りませんよー」
「僕もしーらない!!」

俺の問いかけに、コナンや子供達も何か知ってる様に思えたが、話してくれそうにもなく直接蘭に聞こうと思い、俺は受話器を取る…。

だが………蘭にその日、何度電話してもおっちゃんの"まだ帰ってない"と言う言葉だけしか聞こえては来なかった…。


そして次の日の朝……。

「蘭ねーちゃん!!」
「おはよう、コナン君!」

"暫く"の用事が終わったのかな?と思いながら、玄関に急ぐ…今日こそ、蘭の秘密を聞き出してやると意気込んで…。

「はい、コレ…コナン君にも…はい……」
「ありがとう、蘭ねーちゃん!!」

素直に礼を言うコナンと違い…俺は唖然としていた…。

「コレ…チョコレート……」
「そうよ…これ作る為に、料理教室通っていたのよ…新一にばれない様にするの大変だったんだから…」

俺は、チョコレートを受け取って…今日が2/14だと言う事に漸く気がついた…。

俺は、チョコレートを見つめながら今までの蘭を心配していたのが、バカらしくなってきた…。

「何笑ってるのよ…」 
「いや……あ、ありがとな…」
「うん!」

余計な心配をしていた事を悟られないように…照れながら言う俺に蘭は、笑顔を返してきた…。

そして、それを見たコナンに笑いながら叫ばれた。

「兄ちゃん照れてる~!!」
「照れてねーよ!」

弟にからかわれながら、蘭もいつもの様に迎えに来てくれて…俺も勘違いから始まった蘭のバレンタイン大作戦にまんまとのせられ、いつもの様な日常を取り戻した…。
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