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新一とコナン①

リビングに行った俺は、母さんの手伝いをしに行った蘭に後は任せて、俺は父さんの隣に座った…。

「どうだ?コナンの様子は…」
「ああ、だいぶ良くなったよ…」
「そうか…」

俺の言葉を聞いた父さんは、軽く口角を上げて安心している様子だった…。

「新一…本当にコナン、何もないのか??」
「えっ??何でもないよっ…」

うまくごまかしたつもりだったけど…やっぱり父さんには不信がられていた…。

「フッ…まぁ、今回はいいが…今度何かあったら、言うんだぞ…」
「えっ??うん…」

見透かされてる事を感じた俺は…父さんの言葉に、頷くしかないと思った…。

「出来たわよ…」

暫くすると、母さんと蘭が出来たばかりの食事をテーブルに並べ始めていた…。

その時…目が覚めたのか、コナンが目を擦りながらリビングにやって来た…。

「兄ちゃん…」
「コナン!!大丈夫か?」

まだフラフラする身体でやっと歩いて来たコナンを俺は支えた…。

「まだ寝てろよ…おかゆもってってやるから…」
「コナンちゃん…」

コナンの存在に気付いた母さんは、慌てた様子でコナンに近寄った…。

「熱はだいぶ下がったみたいだけど…大丈夫??」
「お母さん…うん…」

そう言うと、コナンはチラッと俺の顔を不安そうな顔で見てきた…。

その視線を理解した俺は、微笑んで頷くとコナンは安堵の表情を俺に見せた…。

「コナン君!!起きてて大丈夫?」

料理を運びながらやって来た蘭の言葉に驚いたコナンが、声をあげる。

「どうして、蘭ね~ちゃんが?」
「新一と一緒にコナンちゃんをここまで送って来てくれたのよ…」

そんな母さんの言葉に、口をポカ~んと開けたまま、蘭を見ていた……。

その顔が可笑しくて、蘭も母さんも笑っていた…。

「よっ…」
「わぁっ…」

突然、父さんに後ろから身体を持ち上げられ…椅子に座らせられた…。

「ご飯食べられるか?それとも、お粥にするか??」
「おかゆ…」

父さんの質問にそれだけ答えると、思い瞼をパチパチさせて俯いていた…。

母さんからスプーンを受け取るコナンを合図に、皆揃って食べ始めた…。

具合いが悪いせいか、いつもより無口なコナンに俺は、少なからず淋しさを覚えた…。

そして、食事が終わりコナンを寝かしつけた後…蘭を送り出した…。

「今日はありがとな…」

靴を履いていた蘭を後ろから声をかけた俺に、蘭は振り向くと言った…。

「早く元気になるといいわね…」
「そうだな…静かすぎて気が狂いそうだしな…」

蘭の言葉に俺は微笑み…静かすぎる夕食に嫌気がさした…。

「本当ね…あんなに静かだなんて…嘘みたい…」

蘭はそう言うと、俺に背を向け扉の取っ手に手をかけた…。

「じゃあ、また明日ね…」
「ああ、サンキュー」

俺もまた、手を降ると…蘭は扉を開けて帰って行った…。

そして俺は再び、コナンの部屋を覗く…安心したかの様に"スースー"寝息を立てて寝ている弟を見て俺は思った…。

"早く元気になれよ…"

コナンが床に伏してるだけで、こんなに静かな家になるだなんて…俺はこの時思い知らされた…。

そして、俺はそんな弟を見て微笑むとコナンの部屋の扉を静かに閉めた……。
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