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新一とコナン①

米花町のとある街の一軒家。年の差が10歳離れた兄弟とその両親が仲良く暮らしていた。

「こら、コナン…」
「新一兄ちゃんが悪いんじゃん!!」

朝から兄弟喧嘩をしながら、家の中を駆け回るその兄弟がいた。

弟の後を追い回す兄新一と…逃げ回りながら、母親の影に隠れるコナン…。

それを見守りながら、新聞を読む父の優作…。

食事を運びながら、コナンを見下ろす母、有希子がいた。

「ほらほら、2人とも…早くご飯食べなさい、学校遅れるわよ…」
「さて、今日は何があったのかな?」

2人を食事に促す有希子に対して優作は慌てる様子もなく、いつもの事の様に新聞を開きながら冷静に聞く。

「コナンが起きねーから、鼻摘まんだだけだょ…」
「違うよ、新一兄ちゃんが僕の鼻つねったんだもん…」
「だから、摘まんだだけだって…」
「痛かった!!」

微笑みながら聞いていた優作は食パンを噛みながら質問する。

「で?それでなんで新一が追いかけてたんだ?」
「それは、コナンが俺の足蹴るからさ…」
「だって……」

そういって食パンを持つ手が止まり、ほっぺたを膨らませるコナンを見て微笑む有希子……。

コナンのほっぺに両手を当てると、その瞳をまじまじと見つめて言った。

「ダメよ…コナンちゃん…お兄ちゃんにそんな事しちゃあ…」
「だって…僕だって、痛かった…」

有希子の言葉に子供っぽく甘えた口調でいったコナンは目を伏せた。

「お兄ちゃんはコナンちゃんの事起こしてくれたんだから…そんな事したら、起こしてくれなくなっちゃうわよ?」
「んーわかったよ…ごめんなさい…」

そう言って新一に謝る弟を見ながら、照れながら、新一もコナンに謝った。

「俺も悪かったよ…ごめんな、コナン…」

そんな2人を見ながら、顔を見合す優作と有希子…。

そんなたわいもない日常から物語は始まった。
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