第一章:このままの身体では……
「悪い…服部……」
「ええて」
俺は工藤が落ち着くまで待っとった。落ち着いた工藤が発したこ言葉は謝罪だった。
謝らんでもええといっても、工藤は自分の腕で瞳を封じて零れるものを塞いどった。
そうやっていつも溢れるものを押し殺して我慢しとったことは目の前におる工藤を見れば容易に察する事が出来た。
床に落ちたメガネを拾い上げ、隠せずに居られないものも沢山あるだろうと…我慢が限界を超え溢れ出る物を必死に止める工藤を前にだらんと下がってる片方の手にメガネを持たせると言った。
「薬の事は、お前の体調がようなれば、そのうち減る言われとんのやし…ちっこい姉ちゃんが言っとった、早くせんと元に戻られへんっていうのも、確実やないやろ!お前が諦めてどないすんねん」
「服部…」
「お前は人の事になると解決策見つけるん上手いのに、なんや自分の事となるとようわからん事になるのは相変わらずやな…」
「……」
俺の言葉一つ一つ聞き、瞳を塞いどった腕が取れ、工藤の視界が開かれた。
目をぱちぱちしながら俺の方をただ、じっと見ていたけどフッと笑うと口を開いた。
「悪い…かっこ悪い所みせて…俺……」
「何言うとんねん!しゃーないやろ?それに…なんや、我慢しておったみたいやし…そんなん気にせんでええねん」
そう言うと、工藤は自分の瞳に溜まった涙をゴシゴシ拭いていた。
「それより、飯どないすんねん?」
「それは…」
「出前よりは外行った方がええやろ?せやけど、人の視線が目立つ様な所はあかん。ここはそうやな…真ん中で行こか?」
「え?」
俺はそう言って、工藤を抱えて階段を降りていく。待っていた和葉達の前に工藤を降ろすと…。
「ほないこか」
そう言って、俺はスタスタ階段を降りていった。その背後で和葉らは驚いて声を掛けてくる。
「え?ちょ、平次~出前ちゃうの?」
「ええ店あんねん」
「ちょっと服部君?」
「しゃーねーな、行ってみるか?」
探偵事務所の扉の前でキョトンとしとる工藤と姉ちゃんも後ろからやって来た毛利のおっさんの声にひと押しされてみんな揃って行く事になった。
「すぐやから、タクシー拾って行こか」
俺はネットの地図を起動して先導する。
少ししてぞろぞろとタクシーに乗り込み、行き着く先はモダン風の少しお洒落な外装の食事処やった。個室に通された俺らは女将さんから注文の仕方を一通り教えてもらうと、障子をそっと閉められた。
その時、おっさんが第一声を発する。
「おい、おい…こんな所来て、たけーんじゃねーのか?」
「平気やって、見た目とちごうて、意外に良心的なんやから…」
そう言うと、本当か?と言うような顔をするおっさんの横で姉ちゃんから渡されたメニュー表を覗き込む工藤はさっきよりも安心した顔をしていた。
「どうや?ここならええやろ?」
「そうね、ここなら気にしなくて大丈夫そう!ね、コナン君!?」
「うん!」
そう返事をして姉ちゃんとおっちゃんに挟まれる様な形で座っている工藤は姉ちゃんと相談しながら何をするか選んでおった。
俺も和葉の隣で吟味していた時、アレルギーの文字が。それを気になって目の前に座ってる工藤に聞く。
「おい、アレルギーとかあるんか?」
「え?」
その問いにキョトンとして俺を見る工藤は隣の姉ちゃんに視線を向ける。
「大丈夫、そう言うのはないの。食べちゃいけないものとかも特にないの。」
「それならよかったな~、個室だけを考えとって料理の事なんか考え無しに決めとった平次でも使えたって事やね??へーいじ?」
「なんやねん、お前!」
口喧嘩をしているとおっちゃんが飽きれながら急かしてきよる。
「おい、早く決めちまえよ!腹減ったぞ!」
「おお、すまんすまん」
「コナン君は決まった?」
「うん!」
そうして注文した料理が運ばれてきて、それぞれが自分の目の前に置かれた料理を食しながら、隣にいた和葉が聞く。
「薬の量て、そんなん多いん?」
「う、うん…今はちょっと多いかな。でも、もう少ししたら術後検査があって、なんでもなければ少し量が減るかもしれないって先生が言ってたよ!だから、もう少しの辛抱よ、コナン君!」
「う、うん…」
その話に工藤は苦笑いをしながら肩を落としながら答える。その反応に隣におった和葉はまずいと片手で口を押さえながら半笑い状態で姉ちゃんの方に無言でごめんと謝る。
「大丈夫よ、コナン君!きっとなんでもないわよ!」
「けど、この間も風邪でしばらく寝込んでたじゃねーか!本当に平気かー?」
追い打ちを掛けるように、毛利のおっちゃんは口に食事を頬張りながら言い放つと、工藤はムッとして言い返した。
「そんな事、今言わなくていいじゃない!」
「お父さん!」
体調が悪くて寝込んでた何日か前の事を蒸し返され、へそを曲げながら反発する工藤に俺は少しばかり心配になる。
工藤はきっと体調が悪くても隠せない状況でいる今がむず痒くてしかたないんだろう。健康な時は少しくらい隠してもバレなかったみたいやが、今はそうもいかなくなっとる。隠そうとしてもすぐ体調に現れてしまうんやし。
「おっちゃんの事は気にせんと、ちゃんと食わなあかんで?」
隣の和葉がさっきの事は無かったかのように、工藤に明るく声を掛ける。お前が言い出しっぺの癖にと、俺は飽きれ半分で箸を加えていた。
だけど、その後工藤の薬の多さに…俺と和葉は目を丸くする自体となった。
「ええて」
俺は工藤が落ち着くまで待っとった。落ち着いた工藤が発したこ言葉は謝罪だった。
謝らんでもええといっても、工藤は自分の腕で瞳を封じて零れるものを塞いどった。
そうやっていつも溢れるものを押し殺して我慢しとったことは目の前におる工藤を見れば容易に察する事が出来た。
床に落ちたメガネを拾い上げ、隠せずに居られないものも沢山あるだろうと…我慢が限界を超え溢れ出る物を必死に止める工藤を前にだらんと下がってる片方の手にメガネを持たせると言った。
「薬の事は、お前の体調がようなれば、そのうち減る言われとんのやし…ちっこい姉ちゃんが言っとった、早くせんと元に戻られへんっていうのも、確実やないやろ!お前が諦めてどないすんねん」
「服部…」
「お前は人の事になると解決策見つけるん上手いのに、なんや自分の事となるとようわからん事になるのは相変わらずやな…」
「……」
俺の言葉一つ一つ聞き、瞳を塞いどった腕が取れ、工藤の視界が開かれた。
目をぱちぱちしながら俺の方をただ、じっと見ていたけどフッと笑うと口を開いた。
「悪い…かっこ悪い所みせて…俺……」
「何言うとんねん!しゃーないやろ?それに…なんや、我慢しておったみたいやし…そんなん気にせんでええねん」
そう言うと、工藤は自分の瞳に溜まった涙をゴシゴシ拭いていた。
「それより、飯どないすんねん?」
「それは…」
「出前よりは外行った方がええやろ?せやけど、人の視線が目立つ様な所はあかん。ここはそうやな…真ん中で行こか?」
「え?」
俺はそう言って、工藤を抱えて階段を降りていく。待っていた和葉達の前に工藤を降ろすと…。
「ほないこか」
そう言って、俺はスタスタ階段を降りていった。その背後で和葉らは驚いて声を掛けてくる。
「え?ちょ、平次~出前ちゃうの?」
「ええ店あんねん」
「ちょっと服部君?」
「しゃーねーな、行ってみるか?」
探偵事務所の扉の前でキョトンとしとる工藤と姉ちゃんも後ろからやって来た毛利のおっさんの声にひと押しされてみんな揃って行く事になった。
「すぐやから、タクシー拾って行こか」
俺はネットの地図を起動して先導する。
少ししてぞろぞろとタクシーに乗り込み、行き着く先はモダン風の少しお洒落な外装の食事処やった。個室に通された俺らは女将さんから注文の仕方を一通り教えてもらうと、障子をそっと閉められた。
その時、おっさんが第一声を発する。
「おい、おい…こんな所来て、たけーんじゃねーのか?」
「平気やって、見た目とちごうて、意外に良心的なんやから…」
そう言うと、本当か?と言うような顔をするおっさんの横で姉ちゃんから渡されたメニュー表を覗き込む工藤はさっきよりも安心した顔をしていた。
「どうや?ここならええやろ?」
「そうね、ここなら気にしなくて大丈夫そう!ね、コナン君!?」
「うん!」
そう返事をして姉ちゃんとおっちゃんに挟まれる様な形で座っている工藤は姉ちゃんと相談しながら何をするか選んでおった。
俺も和葉の隣で吟味していた時、アレルギーの文字が。それを気になって目の前に座ってる工藤に聞く。
「おい、アレルギーとかあるんか?」
「え?」
その問いにキョトンとして俺を見る工藤は隣の姉ちゃんに視線を向ける。
「大丈夫、そう言うのはないの。食べちゃいけないものとかも特にないの。」
「それならよかったな~、個室だけを考えとって料理の事なんか考え無しに決めとった平次でも使えたって事やね??へーいじ?」
「なんやねん、お前!」
口喧嘩をしているとおっちゃんが飽きれながら急かしてきよる。
「おい、早く決めちまえよ!腹減ったぞ!」
「おお、すまんすまん」
「コナン君は決まった?」
「うん!」
そうして注文した料理が運ばれてきて、それぞれが自分の目の前に置かれた料理を食しながら、隣にいた和葉が聞く。
「薬の量て、そんなん多いん?」
「う、うん…今はちょっと多いかな。でも、もう少ししたら術後検査があって、なんでもなければ少し量が減るかもしれないって先生が言ってたよ!だから、もう少しの辛抱よ、コナン君!」
「う、うん…」
その話に工藤は苦笑いをしながら肩を落としながら答える。その反応に隣におった和葉はまずいと片手で口を押さえながら半笑い状態で姉ちゃんの方に無言でごめんと謝る。
「大丈夫よ、コナン君!きっとなんでもないわよ!」
「けど、この間も風邪でしばらく寝込んでたじゃねーか!本当に平気かー?」
追い打ちを掛けるように、毛利のおっちゃんは口に食事を頬張りながら言い放つと、工藤はムッとして言い返した。
「そんな事、今言わなくていいじゃない!」
「お父さん!」
体調が悪くて寝込んでた何日か前の事を蒸し返され、へそを曲げながら反発する工藤に俺は少しばかり心配になる。
工藤はきっと体調が悪くても隠せない状況でいる今がむず痒くてしかたないんだろう。健康な時は少しくらい隠してもバレなかったみたいやが、今はそうもいかなくなっとる。隠そうとしてもすぐ体調に現れてしまうんやし。
「おっちゃんの事は気にせんと、ちゃんと食わなあかんで?」
隣の和葉がさっきの事は無かったかのように、工藤に明るく声を掛ける。お前が言い出しっぺの癖にと、俺は飽きれ半分で箸を加えていた。
だけど、その後工藤の薬の多さに…俺と和葉は目を丸くする自体となった。