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✩.*˚哀とコナンと……①✩.*˚

暫くして、昔…コナンがお世話になった、主治医の先生が家にやってきた!

「先生、わざわざすみません…」
「いやいや……気にせんでええよ!けど久しぶりだな~訪問医療は~最近は、めっきりなくなったもんでな!」

はははっと、甲高い笑い声を上げながら…主治医の先生は、コナンの部屋へ案内された。

扉を開けると…灰原さんに付き添われたコナンが荒く息を吐き出しながら、辛そうに眠っているのを見て俺は眉間にシワを寄せた…。

「はあっ、はあっ、はあっ……」
「工藤君、先生来たわよ!!」

そう、コナンに伝えると…先生に場所を譲ろうと、灰原さんは後ろの方へ下がった。

コナンを診察する、先生の傍で…俺達はコナンを心配な眼差しで見つめていた。

「先生……」

母さんは、無言でコナンの体調を診察する先生に気になって、声をかける。

「うん、熱は高いけど……大丈夫だ!一応、解熱剤を注射しとくんでな!二、三日で治まると思うけんど、何かあったらすぐ連絡しとくれ!!」

そう言って、先生は聴診器を外しながら…和かに有希子さんと優作さんに説明した。

「はあ~良かった~!!」
「それから、薬だしとくからぁ…朝、昼、晩…ご飯食べ終わったら飲ましてやってな!」
「はい!分かりました!!」

母さんは、先生から薬袋を受け取ると…胸を撫で下ろしながら、コナンを見つめる。

そんな、母さんを見つめる先生は、ふと思い…口を開いた。

「母子手帳って、まだあるかな?」
「あ、ああ~それなら…」

と、先生に言われ、キョロキョロする母さんに俺はコナンの小さい頃のアルバムを手に取ると、アルバムの内ポケットに仕舞われた母子手帳を取り出し、母さんに声をかけた。

「母さん、これ…」
「あ、ありがとう…新ちゃん……」

俺から受け取った母子手帳をそのまま先生に渡すと、先生はやんわり笑うと母さんに言った。

「大事に、育てられたんですな……」
「え?」
「特に、お兄さんの方にかな?」

感心しながら、俺達家族を見る先生は……その後、コナンの母子手帳を開いて見つめた。

「ああ~やっぱり、あの時の坊やじゃったか……922g……こんな小さな未熟児で産まれた時は本当に、心配したんやけど……こんなに大きく成長したんやね……良かった、良かった!」

俺はまだ小学生だったからあんまり覚えてなかったんだけど……あの時、コナンが未熟児で産まれた時…担当してくれたお医者さんが、この先生だったらしい。




コナンが退院して数年、小児科に移ったり、外科に移ったりしたらしいんだけど、ここ数年は内科に定着していると、説明してくれた…。

とにかく、何でも出来る優秀な先生ということだ。

「はい、ありがとう……」
「あ、どうも……」

そう言って、俺に母子手帳を渡して来た時…俺の顔をまじまじと見た後、思い出したかの様に口を開いた。

「君は確か、あの時…病院に弟を連れて来ていた………」
「あ、兄です…」
「ああ、やっぱりそうか……」

俺の言葉に、先生は納得した様に歓喜の言葉をあげると…再び口を開いた。

「当時は良く泣いてる弟を連れて来ててから、結構有名だったんだよ、看護師さん達の間でな!でも、本当に弟の面倒良く見てて偉いなって感心してたんだ!……」
「え?あ、いや……そりゃ、まあ…弟だし…」

俺は、照れるあまり、口ごもる。

「まあ~だけど、あの泣き虫で甘ったれの坊やが……こんなに立派に成長して…今はもう、高校生か……」

そう感心する、先生に…俺の横にいた灰原さんが、一言言う…。

「今でも泣き虫で甘ったれです!」
「え?ああ~そうか、そうか………えっと、君は確か……あの時の……?」

ひとしきり、そう笑った後…灰原の存在に、不思議そうに見る先生に、母さんは微笑みながら言う…。

「覚えてますか?先生……隣の家の子で、灰原哀ちゃんという子で…コナンちゃんの、彼女さんなんですよ~♥」
「あ、バレてたんですか!?/////」
「当たり前じゃない♥」
「ははっ、あ~やっぱりあの時の……心配して付き添ってた女の子かぁ!これは愉快愉快~はっはっはっ……」

照れながら言う、灰原さんに…母さんはニコニコしながら、灰原に言った。

先生は、笑いながらコナンの成長を感じ…歓喜の声をあげて、共に喜んでいた。
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