✩.*˚哀とコナンと……①✩.*˚
「工藤君!?入るわよ!」
私は、工藤君の部屋をノックすると…扉を開けた。
案の定、工藤君はベッドに横になりながら、いじけていた。
「泣いてるの?」
「バッ……泣く訳、ないだろ!!」
そう言って、涙を隠す様に制服のシャツで涙を拭っていた。
身体を起こす、工藤君の隣に私はゆっくり腰を降ろし、ベッドに座る。
「ごめんなさい、勝手に決めて…でも、言ったら、貴方…反対すると思ったから……」
「…………」
「ねえ、工藤君……二年、待っててくれない?私の夢を叶えさせて欲しいの……」
「っ………」
「二年で、片付けてくるから!試験に落ちなければ、絶対に帰って来れる!だからっ………」
私はそう言うと、俯いたままの工藤君の顔を両手で覆うと…強引に唇を重ねて、私は瞳を閉じた。
流石に、びっくりしている工藤君が目をパチパチして居ることは、容易に想像できた。
私は、静かに工藤君から唇を話すと…顔を真っ赤にしながら、右腕で自分の瞳を覆った。
「な、何するんだよ、いきなり……」
「いいじゃない、二年会えなくなるんだし……」
「い、行くのかよ…本当に………」
工藤君は、ゆっくり瞳から腕を降ろしながら……悲しそうに問いかける。
「決めたの!」
「何で、急に……」
私は工藤君の前に一枚の紙を差し出した……。
「留学先のメールアドレス………暇だったら、メールしてきていいわよ!」
「…………」
私はそう言って工藤君に差し出すと、工藤君は無言で受け取った。
そして……。
唇を噛み締めた工藤君は、一目散に部屋を飛び出し…あっという間に家を飛び出した。
「ちょ、ちょっと工藤君!?」
私は、工藤君の後を必死に追いかけた。
でも、足の速い工藤君を追いかけるのは、大変で……すぐに見失ってしまった。
「本当に、足の速い所は…お兄さんにそっくりなんだから…ハァ、ハァ……」
私は、姿が見えなくなった工藤君が駆け抜けた方向を見つめながら、呟いた。
「まぁ、行く場所は…分かってるんだけど………」
私はそう、呟くと……その場所へゆっくり歩を進めた。
俺は…そんな事があったなんて知らずに、最近来なくなったコナンの事を気になりつつも、きっと…灰原さんに止められて居るんだろうと、思いながら…蘭と一緒に夕食を食べていた時だった。
突然、パラパラと降り出した雨に…二人して窓の外を見つめる。
「あら、雨…」
「降り始めたか…今日は豪雨らしいぞ?」
「ついに、梅雨入りかあ…この時期は何と無く、気分が晴れないわね!」
「確かに、そーだよな!コナンの奴は、元気にやってっかな?」
「ここの所、来なくなったわね!哀ちゃんに止められているのかしら?でも、来ないって事は…哀ちゃんと仲良くしてるって事なんじゃない?」
蘭の言葉に、俺は不思議そうな視線を向けると蘭が言った。
「だって~あの二人、付き合ってるんでしょ?」
「え?そーなのか!?」
「やだあ、知らなかったの?多分、中学の頃からかな?付き合い始めたの…」
「そんな前からっ?ったく…なんだよあいつ、甘ったれなクセして…言うことは言ってんだ!?」
「違うわよ、哀ちゃんじゃない?言ったの!!見れば分かるわよ!」
そういう俺に、蘭は随分前に分かっていた様な口ぶりで話され…俺は、拍子抜けしていた。
「ていうか、知らなかったの俺だけかよ?」
「ふふっ、みたいね!」
俺は、肩を落としながら…さっきよりも、強くなって来た雨をちらりと見る。
そのうち、ピカッと光った雷で…窓の外に誰か座っているのに気がついた。
「ん?」
「どうしたの?新一…?」
「いや、なんか窓の所に……」
そう言って、様子を見にいく俺の後ろを追って…覗き込む様に見る蘭と、窓を静かに開ける俺はずぶ濡れで座っている人物に驚いて、声を上げた。
「コナンっ!」
「コナン君!!」
その人物は、顔を見上げながら、俺と蘭の顔を交互に見つめていた。
「兄ちゃん………」
「何やってんだよ、ずぶ濡れじゃねーか!とりあえず、入れ!雷に撃たれたらどうすんだ!!蘭っ!とりあえずタオル!」
「うん!!」
駆け足でタオルを取りに行った蘭を待つ間、俺はコナンに問いかけた。
「何でずぶ濡れでこんな所に座ってるんだよ!いつもの様に、玄関から入ってくればいいじゃねーか!!」
「だって、兄ちゃん達の楽しそうな話し声が聞こえたから…邪魔しちゃ悪いと思って……」
「何で、んな事に気を使うんだよ!兄ちゃん、一度でもダメだって言ったことあるか?」
そんな俺の問いかけに、コナンはただ首を振るだけだった。
雨のせいで気がつかなかったけど、俺はコナンの瞳か赤く腫れているのを漸く気がついた。
「コナン、泣いてるのか?久しぶりだな、お前が泣くなんて……」
「うっ、うっ……」
子供の時の様に、喚(わめ)いて泣くまではなかったが……コナンの心は、子供の頃の様に…弱り切っていた。
それを隠すかの様に、コナンは声を立てない様に泣いていた。
何があったんだろうと……タオルを取りに戻ってきた蘭の手からバスタオルを受け取ると、コナンの泣き顔を隠す様に……頭からバスタオルを覆った。
高校生になってから、ぱったり泣くことがなくなったコナンだったけど……本当に辛い事が起きた時の泣く癖は子供の頃と変わらないと……そう、思っていた。
私は、工藤君の部屋をノックすると…扉を開けた。
案の定、工藤君はベッドに横になりながら、いじけていた。
「泣いてるの?」
「バッ……泣く訳、ないだろ!!」
そう言って、涙を隠す様に制服のシャツで涙を拭っていた。
身体を起こす、工藤君の隣に私はゆっくり腰を降ろし、ベッドに座る。
「ごめんなさい、勝手に決めて…でも、言ったら、貴方…反対すると思ったから……」
「…………」
「ねえ、工藤君……二年、待っててくれない?私の夢を叶えさせて欲しいの……」
「っ………」
「二年で、片付けてくるから!試験に落ちなければ、絶対に帰って来れる!だからっ………」
私はそう言うと、俯いたままの工藤君の顔を両手で覆うと…強引に唇を重ねて、私は瞳を閉じた。
流石に、びっくりしている工藤君が目をパチパチして居ることは、容易に想像できた。
私は、静かに工藤君から唇を話すと…顔を真っ赤にしながら、右腕で自分の瞳を覆った。
「な、何するんだよ、いきなり……」
「いいじゃない、二年会えなくなるんだし……」
「い、行くのかよ…本当に………」
工藤君は、ゆっくり瞳から腕を降ろしながら……悲しそうに問いかける。
「決めたの!」
「何で、急に……」
私は工藤君の前に一枚の紙を差し出した……。
「留学先のメールアドレス………暇だったら、メールしてきていいわよ!」
「…………」
私はそう言って工藤君に差し出すと、工藤君は無言で受け取った。
そして……。
唇を噛み締めた工藤君は、一目散に部屋を飛び出し…あっという間に家を飛び出した。
「ちょ、ちょっと工藤君!?」
私は、工藤君の後を必死に追いかけた。
でも、足の速い工藤君を追いかけるのは、大変で……すぐに見失ってしまった。
「本当に、足の速い所は…お兄さんにそっくりなんだから…ハァ、ハァ……」
私は、姿が見えなくなった工藤君が駆け抜けた方向を見つめながら、呟いた。
「まぁ、行く場所は…分かってるんだけど………」
私はそう、呟くと……その場所へゆっくり歩を進めた。
俺は…そんな事があったなんて知らずに、最近来なくなったコナンの事を気になりつつも、きっと…灰原さんに止められて居るんだろうと、思いながら…蘭と一緒に夕食を食べていた時だった。
突然、パラパラと降り出した雨に…二人して窓の外を見つめる。
「あら、雨…」
「降り始めたか…今日は豪雨らしいぞ?」
「ついに、梅雨入りかあ…この時期は何と無く、気分が晴れないわね!」
「確かに、そーだよな!コナンの奴は、元気にやってっかな?」
「ここの所、来なくなったわね!哀ちゃんに止められているのかしら?でも、来ないって事は…哀ちゃんと仲良くしてるって事なんじゃない?」
蘭の言葉に、俺は不思議そうな視線を向けると蘭が言った。
「だって~あの二人、付き合ってるんでしょ?」
「え?そーなのか!?」
「やだあ、知らなかったの?多分、中学の頃からかな?付き合い始めたの…」
「そんな前からっ?ったく…なんだよあいつ、甘ったれなクセして…言うことは言ってんだ!?」
「違うわよ、哀ちゃんじゃない?言ったの!!見れば分かるわよ!」
そういう俺に、蘭は随分前に分かっていた様な口ぶりで話され…俺は、拍子抜けしていた。
「ていうか、知らなかったの俺だけかよ?」
「ふふっ、みたいね!」
俺は、肩を落としながら…さっきよりも、強くなって来た雨をちらりと見る。
そのうち、ピカッと光った雷で…窓の外に誰か座っているのに気がついた。
「ん?」
「どうしたの?新一…?」
「いや、なんか窓の所に……」
そう言って、様子を見にいく俺の後ろを追って…覗き込む様に見る蘭と、窓を静かに開ける俺はずぶ濡れで座っている人物に驚いて、声を上げた。
「コナンっ!」
「コナン君!!」
その人物は、顔を見上げながら、俺と蘭の顔を交互に見つめていた。
「兄ちゃん………」
「何やってんだよ、ずぶ濡れじゃねーか!とりあえず、入れ!雷に撃たれたらどうすんだ!!蘭っ!とりあえずタオル!」
「うん!!」
駆け足でタオルを取りに行った蘭を待つ間、俺はコナンに問いかけた。
「何でずぶ濡れでこんな所に座ってるんだよ!いつもの様に、玄関から入ってくればいいじゃねーか!!」
「だって、兄ちゃん達の楽しそうな話し声が聞こえたから…邪魔しちゃ悪いと思って……」
「何で、んな事に気を使うんだよ!兄ちゃん、一度でもダメだって言ったことあるか?」
そんな俺の問いかけに、コナンはただ首を振るだけだった。
雨のせいで気がつかなかったけど、俺はコナンの瞳か赤く腫れているのを漸く気がついた。
「コナン、泣いてるのか?久しぶりだな、お前が泣くなんて……」
「うっ、うっ……」
子供の時の様に、喚(わめ)いて泣くまではなかったが……コナンの心は、子供の頃の様に…弱り切っていた。
それを隠すかの様に、コナンは声を立てない様に泣いていた。
何があったんだろうと……タオルを取りに戻ってきた蘭の手からバスタオルを受け取ると、コナンの泣き顔を隠す様に……頭からバスタオルを覆った。
高校生になってから、ぱったり泣くことがなくなったコナンだったけど……本当に辛い事が起きた時の泣く癖は子供の頃と変わらないと……そう、思っていた。