翌日…コナンの病室にて、母さんと父さんは外国に戻る前にコナンの様子を見にやってきていた。

体調が良くなったコナンはベットを起こし、起き上がって丁度朝ごはんが済んだ所を俺達は病室に訪ねていた。

「まったく、心配するじゃない。ちゃんと寝なきゃダメよ、コナンちゃん…」
「そうだぞ、お前がやってる訓練は体力勝負なのだから…油断していたらまた倒れるぞ？」
「あ、うん…ごめん。あの日子供の名前考えていたら、眠れなくって…気づいたら、朝になっちゃったんだ」

コナンは頭を掻いて、あははと笑いながら話していた。そんなコナンに母さんは"もー"と言いながら呆れていた。

「教官の先生から連絡あってな…今日は金曜日で土日挟むし、月曜日にまた戻ってきなさいと言っていたぞ。」
「うん、分かった。」
「それにしても、家族揃って入院とはな…哀くんが心配するから、あまり無茶するんじゃないぞ？」
「うん…」

父さんは警察学校からの連絡を伝えながら、コナンの事を心配している様だった。身体付きが逞(たくま)しくなっているコナンに笑みを浮かべ、感心するように父さんと母さんは言った。

「結構筋力ついてきたんじゃないか？」
「え？そうかな？」
「ええ。男らしくなってきたわよ」

そうコナンに顔を近づけながら、笑みを浮かべてる母さんにコナンは少し照れくさそうにしていた。そしてコナンは思い出した様に聞く。

「そういえば、灰原は？」
「赤ちゃんの面倒で忙しいから…もう少ししたら来るんじゃない？？」

そう話す母さんにそっかと納得する様に言うコナンに、母さんは言う。

「まったく…赤ちゃんの事もそうだけど…いつまでその名前で呼んでるのよ、コナンちゃん…」
「え…」
「結婚するのよ？苗字のままじゃおかしいでしょ？」
「え…うん。」

母さんにそういわれ、コナンは困った顔をしながら考えているようだった。

「父さん達はこのまま外国に戻るからな。あと2ヶ月…しっかりやるんだぞ？」
「じゃあ…後は頼むわね、新ちゃん！」
「ああ。」

そう言って、父さんと母さんはコナンの無事を確認すると後は俺に任せて外国に戻っていった。俺とコナンは二人きりになり、コナンの額に触れながら"大丈夫そうだな"と言う俺に対してコナンは申し訳なさそうに言う。

「ごめんね、また心配かけちゃって…」
「何言ってんだよ」

そう言う俺にコナンは元気を取り戻した様に笑っていた。


しばらくして、コンコンとノックがして灰原さんが入ってきた。俺に軽く会釈すると口を開いた。

「授乳前に寄ってみたの。具合いはどう？」
「うん。もう大丈夫だよ」

そう言って、笑顔を向けるコナンが体調を取り戻したのが分かると、安心したのか灰原さんは笑みを返していた。

「あのさ、僕も赤ちゃんに会いたいんだけど…」

そう言って、灰原さんに求めるコナンを見るなり、灰原さん首を横に振った。

「ダメよ、退院してから。まだ体調万全じゃないんだから…」
「僕もう大丈夫だよ！」
「だーめ！復帰したらまた厳しい訓練が待ってるんだから…今のうち休んでおいた方がいいわよ。退院したら、赤ちゃんに会わせてあげるから安心して。」

そう言って、コナンの元気そうな様子を見た灰原さんは赤ちゃんの所へ戻っていった。

「子供産まれたら、母親は忙しいから…今の所は辛抱だな。まあ、明日には退院出来るし、退院したら会いに行ってやれよ？」
「うん。」

俺がそう言うと納得した様に返事をするコナンは、灰原さんが去った後の扉を目で見送っていた。