✩.*˚警察官を目指すコナン✩.*˚
出産した翌日、昼食を済ませた私は新生児室から赤ちゃんを連れて、病室に戻ってきた。すやすやと眠っている赤ちゃんを見ると小さい時の工藤君が私の脳裏の中で被っていた。
私はベットに腰掛けながら、笑みを浮かべながら赤ちゃんをじっと見つめ続けていた。
"コンコン"とドアを叩く音で私は顔を上げて返事をすると、工藤君のご両親が顔を覗かせた。
「哀ちゃん、どう?赤ちゃんの様子は…」
「はい、良く寝てます」
「コナンが未熟児だったから心配していたんだが、問題なく産まれてよかったな。」
「はい。よかったです」
「コナンちゃんには、辛い思いさせてしまったのよね~でも本当によかったわ。」
工藤君が未熟児で産まれた時、凄く心配して目が離せなかったと話してくれた。でも私は、彼の子供を問題なく無事に産む事が出来て…とても穏やかな気持ちでいられた。
「灰原さん!」
そんな時、慌てながら乱暴にドアを開きながらお兄さんは病室に入ってきた。
「しー!新ちゃん、静かに。」
「あ、悪い。父さんと母さんも居たのか!」
「どうかしたのか?」
優作さんに問い掛けられ、お兄さんは言いずらそうに口を開いた。
「あ…コナンが、運ばれて……」
「「え!?」」
その言葉に私達は驚く様に同時に声を上げた。
「いったい、どうして?」
「大したことはないらしいんだけど…今処置終えて、病室に移され所らしいから…」
お兄さんの言葉に、私達は直ぐに病室に向かう事になった。私は赤ちゃんをいったん新生児室に預け、直ぐに工藤君の病室へ向かった。
私が工藤君の病室に入ると、工藤君は点滴を施され魘されるように眠っていた。
「看護師さんの話だと、訓練中に突然倒れたらしいんだ。不眠症だって言われたよ…」
「え!?不眠症……」
「訓練なんだから、寝ないのはやばいのはコナンも分かってると思うぜ?多分、子供が産まれた事で舞い上がって眠れなかったんだろうな。」
そう言って、お兄さんは工藤君の額に手を触れると顔を顰めた。
「まあ、そのせいで熱も上がったんだろうと思うけどな…でも、大丈夫。解熱剤打ってもらったから、しばらくしたら目を覚ますだろ?」
「……」
お兄さんにそう説明されたけど、私は未だ眠ったままの工藤君の顔を見つめ、心配で堪らなかった。
「とりあえず、先生から話があるそうだから…一度来てくれって…灰原さんも。」
そう言われて私は首を横に振った。
「私はここに居ます。いつ工藤君が目を覚ますか分からないし…」
「いやでも…」
「私は大丈夫です。」
「じゃあ、哀ちゃんはここに居てくれる?私達で聞いてくるわ。」
そう言って、三人は部屋を出て先生の話を聞きに向かった。残った私は近くの椅子に座り、工藤君が目を覚ますのをずっと待っていた。
子供の頃、寝ずに学校に行って倒れた事があった。その時も凄く心配していて、家族を亡くした経験があった私は…居なくならないでと思っていたんだ。
静かな病室の中で工藤君の呼吸が微かに聞こえていた。私は、工藤君の額にそっと触れると…あまりの熱さに驚いた。
私が子供の名前を急かしたのがいけなかったのかしら?と、ふと考えていた。まだ名前を付けられていない私達の赤ちゃん。突然亡くなった両親を思い出し、私は呟く様に言った。
「居なくならないでよね」
そんな言葉を工藤君に向けて、私は目を覚ますまでずっと居ることにした。
その後で来たお兄さん達の話だと、やっぱり寝ずに訓練に参加していたのがたたって倒れたと教えてくれた。だけど、解熱剤を打ったし熱が下がれば時期に目を覚ますだろうという話だった。
「だから、哀ちゃん!心配しなくて大丈夫よ。病室に戻りましょ?」
「いいえ。私は目を覚ますまでここに居ます。」
「でもね…」
「お願いします。居させてください!」
私はどうしても傍に付いていてあげたかったから、病室に誘導する有希子さんにどうしてもという思いで懇願した。
「まあ、眠り続ける訳でもあるまいし、いいだろう。ただし、君の体調がおかしくなったら戻るんだぞ?いいね?」
「はい。ごめんなさい、でもどうしても…付いていてあげたいんです。」
「コナンは昔の様に、やわな身体じゃない。心配し過ぎないようにな?」
「はい。」
優作さんにそう声を掛けてもらいながら、私はそっと頷いた。彼が目を覚ますまで私は安心出来ない。もし目を離したら、彼が居なくなってしまいそうで私は怖かった。
だから、私は彼から離れる事は出来なかった。
それから、六時間…彼は眠り続けた。時より、額から浮き出る汗を私は拭った。私が出産した時のように彼がしてくれた様に…今度は私が彼を介抱していた。
点滴のお陰もあって、彼の顔色がだんだん良くなっていくのを見て私は少しづつ安心していく。
そして、夕食が近づき…看護師さんが工藤君の病室に私の食事を届けてくれた。
「あ、あの…」
「食べなきゃダメ!ここで食べていいから、少しでも食べなさい。母乳出ないわよ?」
そう言われ、私はふと赤ちゃんの事を思い出した。
「大丈夫。緊急事態だもの。ミルクは私達であげるから、安心してください。」
「ありがとうございます」
私はそう声を掛けられて、心配でずっと居続けた事で溜まっていた物がポツリと零れ落ちる。
「大丈夫よ、旦那さん薬のせいで眠ってるだけだから…その内目を覚ますわよ。」
「ごめんなさい…私…」
看護師さんに背中をさすられながら、私はポツリ…またポツリと涙が落ちていく。とりあえず夕食だけは食べる様に言われ、あまり喉が通らなかったけど、出来るだけ食べる様にした。だけど、完食する事は出来なかった。
私は食事を下げまた工藤君の病室に戻った。少し流した涙で、少しだけ落ち着きを取り戻した心で私は工藤君が目を覚ますのを待ち続けた。
私はベットに腰掛けながら、笑みを浮かべながら赤ちゃんをじっと見つめ続けていた。
"コンコン"とドアを叩く音で私は顔を上げて返事をすると、工藤君のご両親が顔を覗かせた。
「哀ちゃん、どう?赤ちゃんの様子は…」
「はい、良く寝てます」
「コナンが未熟児だったから心配していたんだが、問題なく産まれてよかったな。」
「はい。よかったです」
「コナンちゃんには、辛い思いさせてしまったのよね~でも本当によかったわ。」
工藤君が未熟児で産まれた時、凄く心配して目が離せなかったと話してくれた。でも私は、彼の子供を問題なく無事に産む事が出来て…とても穏やかな気持ちでいられた。
「灰原さん!」
そんな時、慌てながら乱暴にドアを開きながらお兄さんは病室に入ってきた。
「しー!新ちゃん、静かに。」
「あ、悪い。父さんと母さんも居たのか!」
「どうかしたのか?」
優作さんに問い掛けられ、お兄さんは言いずらそうに口を開いた。
「あ…コナンが、運ばれて……」
「「え!?」」
その言葉に私達は驚く様に同時に声を上げた。
「いったい、どうして?」
「大したことはないらしいんだけど…今処置終えて、病室に移され所らしいから…」
お兄さんの言葉に、私達は直ぐに病室に向かう事になった。私は赤ちゃんをいったん新生児室に預け、直ぐに工藤君の病室へ向かった。
私が工藤君の病室に入ると、工藤君は点滴を施され魘されるように眠っていた。
「看護師さんの話だと、訓練中に突然倒れたらしいんだ。不眠症だって言われたよ…」
「え!?不眠症……」
「訓練なんだから、寝ないのはやばいのはコナンも分かってると思うぜ?多分、子供が産まれた事で舞い上がって眠れなかったんだろうな。」
そう言って、お兄さんは工藤君の額に手を触れると顔を顰めた。
「まあ、そのせいで熱も上がったんだろうと思うけどな…でも、大丈夫。解熱剤打ってもらったから、しばらくしたら目を覚ますだろ?」
「……」
お兄さんにそう説明されたけど、私は未だ眠ったままの工藤君の顔を見つめ、心配で堪らなかった。
「とりあえず、先生から話があるそうだから…一度来てくれって…灰原さんも。」
そう言われて私は首を横に振った。
「私はここに居ます。いつ工藤君が目を覚ますか分からないし…」
「いやでも…」
「私は大丈夫です。」
「じゃあ、哀ちゃんはここに居てくれる?私達で聞いてくるわ。」
そう言って、三人は部屋を出て先生の話を聞きに向かった。残った私は近くの椅子に座り、工藤君が目を覚ますのをずっと待っていた。
子供の頃、寝ずに学校に行って倒れた事があった。その時も凄く心配していて、家族を亡くした経験があった私は…居なくならないでと思っていたんだ。
静かな病室の中で工藤君の呼吸が微かに聞こえていた。私は、工藤君の額にそっと触れると…あまりの熱さに驚いた。
私が子供の名前を急かしたのがいけなかったのかしら?と、ふと考えていた。まだ名前を付けられていない私達の赤ちゃん。突然亡くなった両親を思い出し、私は呟く様に言った。
「居なくならないでよね」
そんな言葉を工藤君に向けて、私は目を覚ますまでずっと居ることにした。
その後で来たお兄さん達の話だと、やっぱり寝ずに訓練に参加していたのがたたって倒れたと教えてくれた。だけど、解熱剤を打ったし熱が下がれば時期に目を覚ますだろうという話だった。
「だから、哀ちゃん!心配しなくて大丈夫よ。病室に戻りましょ?」
「いいえ。私は目を覚ますまでここに居ます。」
「でもね…」
「お願いします。居させてください!」
私はどうしても傍に付いていてあげたかったから、病室に誘導する有希子さんにどうしてもという思いで懇願した。
「まあ、眠り続ける訳でもあるまいし、いいだろう。ただし、君の体調がおかしくなったら戻るんだぞ?いいね?」
「はい。ごめんなさい、でもどうしても…付いていてあげたいんです。」
「コナンは昔の様に、やわな身体じゃない。心配し過ぎないようにな?」
「はい。」
優作さんにそう声を掛けてもらいながら、私はそっと頷いた。彼が目を覚ますまで私は安心出来ない。もし目を離したら、彼が居なくなってしまいそうで私は怖かった。
だから、私は彼から離れる事は出来なかった。
それから、六時間…彼は眠り続けた。時より、額から浮き出る汗を私は拭った。私が出産した時のように彼がしてくれた様に…今度は私が彼を介抱していた。
点滴のお陰もあって、彼の顔色がだんだん良くなっていくのを見て私は少しづつ安心していく。
そして、夕食が近づき…看護師さんが工藤君の病室に私の食事を届けてくれた。
「あ、あの…」
「食べなきゃダメ!ここで食べていいから、少しでも食べなさい。母乳出ないわよ?」
そう言われ、私はふと赤ちゃんの事を思い出した。
「大丈夫。緊急事態だもの。ミルクは私達であげるから、安心してください。」
「ありがとうございます」
私はそう声を掛けられて、心配でずっと居続けた事で溜まっていた物がポツリと零れ落ちる。
「大丈夫よ、旦那さん薬のせいで眠ってるだけだから…その内目を覚ますわよ。」
「ごめんなさい…私…」
看護師さんに背中をさすられながら、私はポツリ…またポツリと涙が落ちていく。とりあえず夕食だけは食べる様に言われ、あまり喉が通らなかったけど、出来るだけ食べる様にした。だけど、完食する事は出来なかった。
私は食事を下げまた工藤君の病室に戻った。少し流した涙で、少しだけ落ち着きを取り戻した心で私は工藤君が目を覚ますのを待ち続けた。