✩.*˚哀とコナンと……②✩.*˚
それから、俺達は残りの食事をしながら久しぶりに集まった面々と談笑しつつ、久しぶりに再開した灰原さんとコナンが仲良く笑っている事に安堵していた。
時より、産まれてくる子供の話になり"男の子と女の子どっちがいい?"と蘭に聞かれるコナン。
「何で僕に聞くの?兄ちゃんに聞けばいいじゃん」
と、慌てながらも言い放つコナンに、いいから言ってみろよと急かす俺に一瞬考えるとボソッと言った。
「じゃ、じゃあ…男の子かな。」
箸を咥えながら、ぽつりと言うコナンに蘭は…
「男の子だったらいいわね」
と笑いながら言ってやると、静かにそして照れながら頷いていた。
そんな灰原さんに見つめられドキッとするコナンは慌てながらも食事を続けていた。
ふと思い出して、俺はコナンが灰原さんに何てメールを送ったのか気になり聞いてみると、灰原さんは不満そうにコナンから届いたメールを俺に見せてきた。
そこには"遅くなってごめん"とだけ書いており、俺は面食らっていた。
「これだけ?」
「そうよ…留学して初めてメールして来た物がこれだけって…ありえないわ」
そう俺に説明しながら、最後はコナンの方に顔を向けてムッとしていた。
「だって、灰原電話で怒ってたし…何て送っていいか分かんなかったし…」
「当たり前じゃない、ずっと待ってたのに…ちっとも送ってくれないんだもの…」
「だって~」
そう詰められ、困ってるコナンを宥(なだ)めるように蘭が間に入った。
「まあまあ、哀ちゃん…コナン君は照れ屋さんなんだから…でも、コナン君…あんまり送らないと、哀ちゃんに嫌われちゃうわよ?」
そう蘭に釘を刺されたコナンは一瞬固まって灰原さんをちらっと見るとぼそっと"え、やだよ…"と一言、言っていた。
こういう所は素直なんだよな…と、コナンを見て笑みを浮かべていた。
「だったらちゃんと送りなさいよ」
と最後に灰原さんに突っ込まれるコナンはしょんぼりしながら黙って頷いていた。
「分かったよ」
そんなコナンの反応を見て、俺はこれから大変だなと思っている。きっと、これからずっと灰原さんには頭が上がらないだろう。だけど、それよりも、コナンが灰原さんを引っ張ってあげられる日が来ればと期待している。
そして、そろそろ帰るという二人を俺と蘭は玄関まで送り出した。
「じゃあね、兄ちゃん!」
「おう」
「ご馳走様でした。蘭さん、留学中なので来れないと思いますけど……元気な赤ちゃんを産んでください!」
「ええ、ありがとう」
灰原さんの挨拶に蘭は嬉しそうに返事を返していた。
「蘭ねーちゃん!赤ちゃんよかったね!生まれたら絶対来るから!」
「ありがとう。二人とも気をつけて帰るのよ?」
「うん!行こう、灰原!」
蘭にそう声を掛けられ、コナンは嬉しそうに灰原さんの手を繋いで引き連れるように歩きだし、帰っていった。
そんな二人を見ると、まるで小さい頃のコナンの手を引いてる自分を重ねて見ている気がした。俺の代わりが灰原さんになった事かなと、二人の背中を見つめながら思っていた。
俺はコナンを見て"まったく~"と思いながら頭をポリポリ掻きながら、玄関のドアを閉め家に入ると蘭は嬉しそうに話していた。
「コナン君、哀ちゃんの事本当に好きみたいね~」
「ああ、そうだな…将来大変かもしれないな」
俺はそう言い、俺は蘭のお腹に宿った小さな命を見ながら先程灰原さんに言われた事を思い出し言った。
「今度は甘やかし過ぎないようにしないとな…」
そういう俺に蘭は笑顔を向けて言ってきた。
「さっきの哀ちゃんが言ってた事?」
「ああ」
「いいじゃない、甘やかしても…この子もコナン君みたいに優しい子に育ってくれたらって思うの。」
「え!?」
蘭が自分のお腹に手を当てながらそんな風に言っていたことに不思議に思う。
「だって…コナン君、凄く優しい子に育ったって思うから…」
「そうか?」
「うん。私だって、生まれた頃から見ていたのよ、分かるよ。」
そう言って、蘭はクスッと笑ってコナンの事を思い出しながら再度口を開いた。
「でも、確かにコナン君…まだ照れ屋さんで恥ずかしがり屋で甘えは抜けてないけど…いいのよそれで…そんなコナン君だからこそ、哀ちゃんは好きになったんじゃないかな?コナン君だって、哀ちゃんにべったりだし…」
そう蘭に言われ、さっきまでの二人の仲良さそうな雰囲気を身に染みて感じていた事を思い出す。
「確かにそうだな。」
蘭の言葉を聞きながら、俺は納得する部分もあった。灰原さんに引っ張ってもらってると思っていたが、コナンもコナンで…灰原さんを引っ張ってる部分も確かにある。
二人とも、少しづつ前に進んでいるんだと思うと、嬉しくもあるが、俺にべったりだったコナンが少しづつ遠くに行ってることに寂しさもあった。
「二人共、大人になってるってことかな」
「うん。見守ってあげなきゃ」
「そうだな」
灰原さんが留学先に戻ったと同時に、コナンはまたやって来るだろう。あと1年弱…灰原さんの代わりに俺がコナンの傍に居てやらないと…きっと灰原さんが留学先のアメリカから帰国したら、俺を頼る事なんて少なくなるんだから……。
俺はそんな事を思い、甘ったれのまま大きくなった弟の事を考えながら、蘭のお腹に触れた。
少し遅くなってしまったが、父さんや母さんが知ったら驚いて喜んでくれるだろう。
そして、蘭の親父さんがどう反応するか分からないが、報告に行くのは少し緊張している。
久しぶりに二人になれたこの時間……もう一人の家族の誕生を楽しみになりつつ、俺と蘭は静かにお互いの唇に触れた。
時より、産まれてくる子供の話になり"男の子と女の子どっちがいい?"と蘭に聞かれるコナン。
「何で僕に聞くの?兄ちゃんに聞けばいいじゃん」
と、慌てながらも言い放つコナンに、いいから言ってみろよと急かす俺に一瞬考えるとボソッと言った。
「じゃ、じゃあ…男の子かな。」
箸を咥えながら、ぽつりと言うコナンに蘭は…
「男の子だったらいいわね」
と笑いながら言ってやると、静かにそして照れながら頷いていた。
そんな灰原さんに見つめられドキッとするコナンは慌てながらも食事を続けていた。
ふと思い出して、俺はコナンが灰原さんに何てメールを送ったのか気になり聞いてみると、灰原さんは不満そうにコナンから届いたメールを俺に見せてきた。
そこには"遅くなってごめん"とだけ書いており、俺は面食らっていた。
「これだけ?」
「そうよ…留学して初めてメールして来た物がこれだけって…ありえないわ」
そう俺に説明しながら、最後はコナンの方に顔を向けてムッとしていた。
「だって、灰原電話で怒ってたし…何て送っていいか分かんなかったし…」
「当たり前じゃない、ずっと待ってたのに…ちっとも送ってくれないんだもの…」
「だって~」
そう詰められ、困ってるコナンを宥(なだ)めるように蘭が間に入った。
「まあまあ、哀ちゃん…コナン君は照れ屋さんなんだから…でも、コナン君…あんまり送らないと、哀ちゃんに嫌われちゃうわよ?」
そう蘭に釘を刺されたコナンは一瞬固まって灰原さんをちらっと見るとぼそっと"え、やだよ…"と一言、言っていた。
こういう所は素直なんだよな…と、コナンを見て笑みを浮かべていた。
「だったらちゃんと送りなさいよ」
と最後に灰原さんに突っ込まれるコナンはしょんぼりしながら黙って頷いていた。
「分かったよ」
そんなコナンの反応を見て、俺はこれから大変だなと思っている。きっと、これからずっと灰原さんには頭が上がらないだろう。だけど、それよりも、コナンが灰原さんを引っ張ってあげられる日が来ればと期待している。
そして、そろそろ帰るという二人を俺と蘭は玄関まで送り出した。
「じゃあね、兄ちゃん!」
「おう」
「ご馳走様でした。蘭さん、留学中なので来れないと思いますけど……元気な赤ちゃんを産んでください!」
「ええ、ありがとう」
灰原さんの挨拶に蘭は嬉しそうに返事を返していた。
「蘭ねーちゃん!赤ちゃんよかったね!生まれたら絶対来るから!」
「ありがとう。二人とも気をつけて帰るのよ?」
「うん!行こう、灰原!」
蘭にそう声を掛けられ、コナンは嬉しそうに灰原さんの手を繋いで引き連れるように歩きだし、帰っていった。
そんな二人を見ると、まるで小さい頃のコナンの手を引いてる自分を重ねて見ている気がした。俺の代わりが灰原さんになった事かなと、二人の背中を見つめながら思っていた。
俺はコナンを見て"まったく~"と思いながら頭をポリポリ掻きながら、玄関のドアを閉め家に入ると蘭は嬉しそうに話していた。
「コナン君、哀ちゃんの事本当に好きみたいね~」
「ああ、そうだな…将来大変かもしれないな」
俺はそう言い、俺は蘭のお腹に宿った小さな命を見ながら先程灰原さんに言われた事を思い出し言った。
「今度は甘やかし過ぎないようにしないとな…」
そういう俺に蘭は笑顔を向けて言ってきた。
「さっきの哀ちゃんが言ってた事?」
「ああ」
「いいじゃない、甘やかしても…この子もコナン君みたいに優しい子に育ってくれたらって思うの。」
「え!?」
蘭が自分のお腹に手を当てながらそんな風に言っていたことに不思議に思う。
「だって…コナン君、凄く優しい子に育ったって思うから…」
「そうか?」
「うん。私だって、生まれた頃から見ていたのよ、分かるよ。」
そう言って、蘭はクスッと笑ってコナンの事を思い出しながら再度口を開いた。
「でも、確かにコナン君…まだ照れ屋さんで恥ずかしがり屋で甘えは抜けてないけど…いいのよそれで…そんなコナン君だからこそ、哀ちゃんは好きになったんじゃないかな?コナン君だって、哀ちゃんにべったりだし…」
そう蘭に言われ、さっきまでの二人の仲良さそうな雰囲気を身に染みて感じていた事を思い出す。
「確かにそうだな。」
蘭の言葉を聞きながら、俺は納得する部分もあった。灰原さんに引っ張ってもらってると思っていたが、コナンもコナンで…灰原さんを引っ張ってる部分も確かにある。
二人とも、少しづつ前に進んでいるんだと思うと、嬉しくもあるが、俺にべったりだったコナンが少しづつ遠くに行ってることに寂しさもあった。
「二人共、大人になってるってことかな」
「うん。見守ってあげなきゃ」
「そうだな」
灰原さんが留学先に戻ったと同時に、コナンはまたやって来るだろう。あと1年弱…灰原さんの代わりに俺がコナンの傍に居てやらないと…きっと灰原さんが留学先のアメリカから帰国したら、俺を頼る事なんて少なくなるんだから……。
俺はそんな事を思い、甘ったれのまま大きくなった弟の事を考えながら、蘭のお腹に触れた。
少し遅くなってしまったが、父さんや母さんが知ったら驚いて喜んでくれるだろう。
そして、蘭の親父さんがどう反応するか分からないが、報告に行くのは少し緊張している。
久しぶりに二人になれたこの時間……もう一人の家族の誕生を楽しみになりつつ、俺と蘭は静かにお互いの唇に触れた。