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コ蘭短編小説

土曜日の早朝………。

俺は、小学校も休みという事もあって、日差しの照りつける中…冷房で身体を冷やしながら、布団に包まってぐっすり眠っていた……。

「クークー……」

すると、階段を駆け上がる音に少しだけ瞬きをするが…そのまま再度、目を瞑った……。

「コナン君っ、朝だよー!!」
「ん!?……」

いつもより増して明るい蘭の声が響くが、俺は起きようとしない……。

「ほら、いつまで寝てるの!?いい天気よ……」
「まだ、眠いんだよ……」

夕べ、少し夜更かしをしてしまい…AM9:00を過ぎても眠くて、なかなか布団から起きられず……蘭と布団を取り合いしながら駄々をこねていた。

「また、本読んでたんでしょ~!?いいから起きなさい……ちょっと手伝って欲しい事があるの……」
「今日、学校休みなんだから~もう少し寝かせてよ、蘭ね~ちゃん……」

蘭に腕を引っ張られながら、強引に起こされる俺は……大きな欠伸(あくび)一つすると、目をこすりながら、眼鏡をかける……。

「何言ってるの~!?今日は何の日~?いいから、着替えたら出かけるわよ……」
「何の日って……!?えっ!?どこに!?」

俺に返答する事もなく、不敵な笑みを浮かべた蘭はとっと部屋を出て行ってしまった……。

俺は仕方なく、服を着替えて蘭の元へ急いだ……。




探偵事務所を出て、ある場所へ向かう途中……蘭に真意を聞かされた……。

「あっ、そっか……今日は七夕なんだっけ……」
「そうよ……だから、皆で七夕パーティーしようと思うの……歩美ちゃん達誘ってね!!」

浮かれながら話す蘭に、俺は残念な知らせを告げた……。

「残念だけど、歩美ちゃん達なら来れないよ……」
「どうして!?」
「なんか今日、用事があるとかで……どっかに出かけるとか言ってたから……」

(どうせ、また何か企んでるんだろ……)

蘭に告げた後、俺はそう心の中で思っていた……。

「そっか……残念だな……仕方ないね……」
「うん……」

そう言って、一瞬視線を落とす蘭に連れられて……俺達は目的地に到着した……。




「こんにちは~~注文して置いた毛利です~」
「おやー、早かったね……じゃあ、コレね……」
「ありがとうございます……」

そう言うと、蘭は受付のお祖母さんに笹竹を渡された。

「おや、弟さんかい!?」
「いえ、この子は……」
「坊や……優しいおねーちゃんがいていいなぁ~二人でちゃんと持って行くんだよ……」
「うん!!」

俺の小学生特有の元気な返事に、蘭も俺が弟ではないという事を訂正するのを止め……俺を見ながら微笑んでいた……。



「しっかり持つのよ、コナン君……」
「う、うん!!」

笹竹が、小学生の身体では重い事に息が上がっていた……。

「ら、蘭ね~ちゃんこそ大丈夫!?」
「私は大丈夫よ……空手で鍛えてるから!!」

(ハハッ……そりゃそうか…………)

心の中でそう思いながら……俺は蘭と協力して笹竹を探偵事務所に向けて運んでいるところだった……。
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