コナン短編小説
銀行強盗に撃たれた俺は、直ぐに病院へ運ばれた。
手術前治療を終え、処置室からストレッチャーで運び出された時、蘭の悲鳴にも似た声が聞こえてきた。
「コナン君!?」
「ハァ~ハァ~ハァ……」
呼吸の苦しさで、酸素マスクの中で息をするのが精一杯で目を開けて蘭の声の方を見ることはできなかった。
手術室に向かう中…病院の先生や、看護師さんのバタバタと慌てながら掛けていく音が聞こえている。
ガラガラと押されていたストレッチャーが1度止まり、先生に駆け寄る看護師さんの慌てる声がしていた。
保存血が足らないと慌てる看護師さんの言葉に、俺はもうダメかもしれないと、半分諦め掛けたその時…近くにいた蘭の言葉で耳を疑う。
「わたしの血でよかったら…」
その言葉に驚き、やっとの思いで瞳を開けるとここ最近俺の正体を疑っていた蘭の確信にも似た言葉が聞こえてきた。
「私も……この子と同じ血液型ですから…」
その瞬間…俺の心臓はドクンと跳ねた。
(やっぱり…やっぱり、お前……気づいていたのか…?蘭……?)
最近の蘭の態度で薄々気づかれてるんじゃないかと思っていたその時……。
動かない身体で、何も言うことも出来ず…蘭の予想を確信へと導いてしまう事への恐怖する俺の身体は手術室へ運ばれて行った。
医者達の手術音を聞きながら……俺の意識は麻酔薬の影響でだんだんと遠のいて行った。
気がつくと、そこは病室だった。
いつの間にか俺の手術は終わり、個室病棟へと移動させられていた。
窓の外はすっかり明るくなり、朝になったんだと眩しい朝日の光で察した。
何とか生きてるんだなと、自分のしぶとさに安心し無理やり身体を起こすと、撃たれた手術跡に激痛が走る。
「いっ…」
そして、目の前には蘭がいた。病室のベットに体を預けて眠る蘭を見ると、昨日の事が脳裏に蘇ってくる。
“わたしもこの子と同じ血液型ですから…”
あの後、血液型が一致した事で、蘭の想像が確信に変わった事は容易に察する事が出来た。
「蘭に感謝しろよ…」
その時、大きな欠伸をしながら病室に入ってくるおっちゃんを目の前にして、ビクンとする。
おっちゃんの話だと、蘭は輸血を分け与えてくれた上に夜通し看病してくれたという。
その疲れのせいか、今は眠っている。
(けど、ごめんな……蘭。今はお前に話す事は出来ないんだ……)
俺は、輸血を分け与えてくれた蘭に本当の事が言えないでいる…その上、未だに誤魔化そうと自分の腕に繋がってる点滴を見ながらその理由を考えていた。
「おい!早く元気にならねーと、しょーちしねーぞ?」
「うん!」
おっちゃんもまた、そんな言葉をくれながら心の中では心配してくれていた。
暫くして、眠っていた蘭が目を覚まし、俺を見ると目を丸くしながら心配してきた。
「コナン君!!気がついたのね!大丈夫!?」
「うん!大丈夫!」
「気をつけなきゃダメよ?」
蘭のそんな言葉に、本当の事言うべきか迷っていた俺は、今はとりあえず触れないでおこうと決めた。
「ありがとう、蘭ねえーちゃん!その…血を分けてくれて…」
「当たり前じゃない!でも良かった、偶然同じ血液型で…」
(偶然……?)
蘭にきっと確信しているだろうと思っていた俺の心を貫くように……コナンの血液型なんか知らなかったような素振りで笑顔を向けられた。
言わなきゃ行けない時が来たのかな?そんな思いにさせられるような言葉と共に、蘭やおっちゃんの安心した表情を見て、助かってほっとしている自分がいた。
手術前治療を終え、処置室からストレッチャーで運び出された時、蘭の悲鳴にも似た声が聞こえてきた。
「コナン君!?」
「ハァ~ハァ~ハァ……」
呼吸の苦しさで、酸素マスクの中で息をするのが精一杯で目を開けて蘭の声の方を見ることはできなかった。
手術室に向かう中…病院の先生や、看護師さんのバタバタと慌てながら掛けていく音が聞こえている。
ガラガラと押されていたストレッチャーが1度止まり、先生に駆け寄る看護師さんの慌てる声がしていた。
保存血が足らないと慌てる看護師さんの言葉に、俺はもうダメかもしれないと、半分諦め掛けたその時…近くにいた蘭の言葉で耳を疑う。
「わたしの血でよかったら…」
その言葉に驚き、やっとの思いで瞳を開けるとここ最近俺の正体を疑っていた蘭の確信にも似た言葉が聞こえてきた。
「私も……この子と同じ血液型ですから…」
その瞬間…俺の心臓はドクンと跳ねた。
(やっぱり…やっぱり、お前……気づいていたのか…?蘭……?)
最近の蘭の態度で薄々気づかれてるんじゃないかと思っていたその時……。
動かない身体で、何も言うことも出来ず…蘭の予想を確信へと導いてしまう事への恐怖する俺の身体は手術室へ運ばれて行った。
医者達の手術音を聞きながら……俺の意識は麻酔薬の影響でだんだんと遠のいて行った。
気がつくと、そこは病室だった。
いつの間にか俺の手術は終わり、個室病棟へと移動させられていた。
窓の外はすっかり明るくなり、朝になったんだと眩しい朝日の光で察した。
何とか生きてるんだなと、自分のしぶとさに安心し無理やり身体を起こすと、撃たれた手術跡に激痛が走る。
「いっ…」
そして、目の前には蘭がいた。病室のベットに体を預けて眠る蘭を見ると、昨日の事が脳裏に蘇ってくる。
“わたしもこの子と同じ血液型ですから…”
あの後、血液型が一致した事で、蘭の想像が確信に変わった事は容易に察する事が出来た。
「蘭に感謝しろよ…」
その時、大きな欠伸をしながら病室に入ってくるおっちゃんを目の前にして、ビクンとする。
おっちゃんの話だと、蘭は輸血を分け与えてくれた上に夜通し看病してくれたという。
その疲れのせいか、今は眠っている。
(けど、ごめんな……蘭。今はお前に話す事は出来ないんだ……)
俺は、輸血を分け与えてくれた蘭に本当の事が言えないでいる…その上、未だに誤魔化そうと自分の腕に繋がってる点滴を見ながらその理由を考えていた。
「おい!早く元気にならねーと、しょーちしねーぞ?」
「うん!」
おっちゃんもまた、そんな言葉をくれながら心の中では心配してくれていた。
暫くして、眠っていた蘭が目を覚まし、俺を見ると目を丸くしながら心配してきた。
「コナン君!!気がついたのね!大丈夫!?」
「うん!大丈夫!」
「気をつけなきゃダメよ?」
蘭のそんな言葉に、本当の事言うべきか迷っていた俺は、今はとりあえず触れないでおこうと決めた。
「ありがとう、蘭ねえーちゃん!その…血を分けてくれて…」
「当たり前じゃない!でも良かった、偶然同じ血液型で…」
(偶然……?)
蘭にきっと確信しているだろうと思っていた俺の心を貫くように……コナンの血液型なんか知らなかったような素振りで笑顔を向けられた。
言わなきゃ行けない時が来たのかな?そんな思いにさせられるような言葉と共に、蘭やおっちゃんの安心した表情を見て、助かってほっとしている自分がいた。
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