おかえり ただいま
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「三郎は変装の名人で、普段は雷蔵の顔を借りて過ごしている。
腕は確かだったけど、センスは微妙だったよな。よく変な変装してたし」
「ほっとけ」
「あはは。…よく二人で一緒に悪戯して、怒られてよな~鉄丸先生の拳骨なんか本気で頭割れるかと思った…
雷蔵は真面目で優しい。けど、一度迷いだしたらとことん迷ってしまう迷い癖が弱点だったよな。で、以外と大雑把。めちゃくちゃ悩んだくせに「まあ、いっか」で片付けること、結構あったよな。
あ、そういえば俺が好きだった長編小説の続き、新刊出た?」
「あ、うん。図書室にもう入ってるよ」
「そっか!あれの続き気になってたんだよなぁ~早く読みたいけど、まあ、それは置いといて…
ハチは、すっごく面倒見のいいやつで、生物委員なだけあって生き物に詳しかったな。
あ、皇(すめらぎ)元気?」
皇とはやす菜が実家から連れてきた鷹のことだ。
「ああ…生物小屋で他のやつらと仲良くやってるよ」
「そっか。…ハチ達生物委員が世話してくれたんだよな?ありがとう」
「いや…」
「最後に…兵助」
俺の名前を呼ぶと、そこで一度口を閉じた。
「兵助は…入学して、初めて出来た友達で、俺の一番の親友だった。
真面目で、責任感が強くて、人数の少ない火薬委員会の上級生として頑張ってたよな。
で、豆腐が好きで、詳しいくせに豆腐小僧って呼ばれるの嫌がってたよな」
「実際それほど豆腐が好きってわけでは…」
「嘘吐け。俺がお前の揚げ出し豆腐食べたら怒って三日口きいてくれなかったくせに」
「それは…人の物を勝手に食べるからだろ!!」
「…『特製手作り豆腐キット~これでキミも豆腐名人☆~』」
「………………………………………………何だ、それは」
「俺らの部屋の押し入れの中に隠してあったんだよ!!豆腐の手作りキット買っといて、まだ豆腐を好きじゃないって言うのか!?」
「………」
俺はフイッと顔を背けた。
「…兵助…そんなもの買ってたんだ…」
雷蔵が苦笑しながら呟いた。三郎とハチが呆れたような顔で俺を見ている。
「…何だよ、お前ら…」
「兵助って豆腐に対して変なツンデレ発動するよな…
と、まあ、こんな具合にお前達のことを覚えているわけだけど…どう?」
「どうって…もうなんか、普通にやす菜と話している感じしかしない」
「もうお前やす菜だろ。やす菜以外の何者でもねーよ」
「うん。もう君はやす菜ってことで良いと思うよ」
「軽いノリだな。おい。
なんだ、やけにあっさり認めてくれたな。もっと疑われると思ってたよ」
拍子抜けした。と言う様に彼女…もとい、やす菜は頭を掻いた。
「そりゃ、最初はそんな突拍子もない話、信じられないと思ったさ」
「でも、話を聞いていると本当にやす菜っぽいし…」
「途中から、本当に当たり前にやす菜と話しているみたいになってたし…」
「それに、君は嘘吐いているようには見えないからね」
そう言って、雷蔵が笑った。
「…信じてもらえたのは嬉しいけど…何か複雑…」
仮にも忍者の卵である者が、こんな空から降ってきていきなり元・君たちの同級生です☆と言っているような得体の知れない自分の言うことをこんな簡単に信じて良いのか…?と微妙な顔をしていた。
「…生まれ変わったら、必ず会いに行く」
俺がそう言うと、ピクッと肩が少し跳ねた。
「そう言ったのは、お前だろ?やす菜」
やす菜は目を丸くして俺を見詰めた。
「………手紙…読んでくれたんだな…」
普段見つからないように隠してあったから…読んで貰えるか心配だったんだ。と言って、やす菜は嬉しそうに笑った。
「な、みんな…」
やす菜は伺うように、俺達を見た。
「俺と…また、友達になってくれるか?」
そう言われ、俺達は顔を見合わせて笑った。
「なーに言ってんだ」
「たとえ、この時代に生きていたお前が死んでしまっても」
「再び、生まれ落ちた時や場所は違えど」
「女の子になってしまっても」
「「「「俺(僕/私)達の絆は変わらない!!」」」」
「だから、俺達はずっと友達だ」
「そうだろう?」
やす菜は、大きく目を見開いた。
そして、すぐにクシャリ。と泣きそうな顔で笑い、
「…お前ら、ホンット最高…!!」
そう言うと、ポロポロと涙を零した。
「お、おい!?」
「やす菜!?」
突然泣き出したやす菜に俺達は驚いた。
…やす菜が泣くのを見るのはこれが初めてだ。
「…………んだ」
「え?」
「本当は…もう、諦めかけていたんだ。お前らに会うことも、自分を##NAME2####NAME3##だという意識を保っていることも、辞め掛けていた…俺が生きていた時代に…いくら捜しても、お前らはいなかった…俺を、“やす菜”と呼ぶ人間も…一人もいなかったから…」
こことは全く異なる時代
以前とは異なる性別
異なる名前…
自分を##NAME2####NAME3##だと思わせるものは…己の記憶のみ…形のないもの…
それが真実だと確証してくれる人物は、誰もいない…もう、自分かが何者なのか、とてもあやふやなになりかけていた…とやす菜は言った。
「ここに来れることになってからも…正直、不安だった…お前らに…俺という存在を否定されてしまうんじゃないかって…恐かったんだ…
でも…良かった…これで、俺は、自分を##NAME2####NAME3##だと…胸を張って名乗れる…!!」
グシッと涙を拭い、やす菜はニカッと笑った。
「また、よろしく頼むよ!!兵助!!三郎!!雷蔵!!ハチ!!」
おかえり ただいま
腕は確かだったけど、センスは微妙だったよな。よく変な変装してたし」
「ほっとけ」
「あはは。…よく二人で一緒に悪戯して、怒られてよな~鉄丸先生の拳骨なんか本気で頭割れるかと思った…
雷蔵は真面目で優しい。けど、一度迷いだしたらとことん迷ってしまう迷い癖が弱点だったよな。で、以外と大雑把。めちゃくちゃ悩んだくせに「まあ、いっか」で片付けること、結構あったよな。
あ、そういえば俺が好きだった長編小説の続き、新刊出た?」
「あ、うん。図書室にもう入ってるよ」
「そっか!あれの続き気になってたんだよなぁ~早く読みたいけど、まあ、それは置いといて…
ハチは、すっごく面倒見のいいやつで、生物委員なだけあって生き物に詳しかったな。
あ、皇(すめらぎ)元気?」
皇とはやす菜が実家から連れてきた鷹のことだ。
「ああ…生物小屋で他のやつらと仲良くやってるよ」
「そっか。…ハチ達生物委員が世話してくれたんだよな?ありがとう」
「いや…」
「最後に…兵助」
俺の名前を呼ぶと、そこで一度口を閉じた。
「兵助は…入学して、初めて出来た友達で、俺の一番の親友だった。
真面目で、責任感が強くて、人数の少ない火薬委員会の上級生として頑張ってたよな。
で、豆腐が好きで、詳しいくせに豆腐小僧って呼ばれるの嫌がってたよな」
「実際それほど豆腐が好きってわけでは…」
「嘘吐け。俺がお前の揚げ出し豆腐食べたら怒って三日口きいてくれなかったくせに」
「それは…人の物を勝手に食べるからだろ!!」
「…『特製手作り豆腐キット~これでキミも豆腐名人☆~』」
「………………………………………………何だ、それは」
「俺らの部屋の押し入れの中に隠してあったんだよ!!豆腐の手作りキット買っといて、まだ豆腐を好きじゃないって言うのか!?」
「………」
俺はフイッと顔を背けた。
「…兵助…そんなもの買ってたんだ…」
雷蔵が苦笑しながら呟いた。三郎とハチが呆れたような顔で俺を見ている。
「…何だよ、お前ら…」
「兵助って豆腐に対して変なツンデレ発動するよな…
と、まあ、こんな具合にお前達のことを覚えているわけだけど…どう?」
「どうって…もうなんか、普通にやす菜と話している感じしかしない」
「もうお前やす菜だろ。やす菜以外の何者でもねーよ」
「うん。もう君はやす菜ってことで良いと思うよ」
「軽いノリだな。おい。
なんだ、やけにあっさり認めてくれたな。もっと疑われると思ってたよ」
拍子抜けした。と言う様に彼女…もとい、やす菜は頭を掻いた。
「そりゃ、最初はそんな突拍子もない話、信じられないと思ったさ」
「でも、話を聞いていると本当にやす菜っぽいし…」
「途中から、本当に当たり前にやす菜と話しているみたいになってたし…」
「それに、君は嘘吐いているようには見えないからね」
そう言って、雷蔵が笑った。
「…信じてもらえたのは嬉しいけど…何か複雑…」
仮にも忍者の卵である者が、こんな空から降ってきていきなり元・君たちの同級生です☆と言っているような得体の知れない自分の言うことをこんな簡単に信じて良いのか…?と微妙な顔をしていた。
「…生まれ変わったら、必ず会いに行く」
俺がそう言うと、ピクッと肩が少し跳ねた。
「そう言ったのは、お前だろ?やす菜」
やす菜は目を丸くして俺を見詰めた。
「………手紙…読んでくれたんだな…」
普段見つからないように隠してあったから…読んで貰えるか心配だったんだ。と言って、やす菜は嬉しそうに笑った。
「な、みんな…」
やす菜は伺うように、俺達を見た。
「俺と…また、友達になってくれるか?」
そう言われ、俺達は顔を見合わせて笑った。
「なーに言ってんだ」
「たとえ、この時代に生きていたお前が死んでしまっても」
「再び、生まれ落ちた時や場所は違えど」
「女の子になってしまっても」
「「「「俺(僕/私)達の絆は変わらない!!」」」」
「だから、俺達はずっと友達だ」
「そうだろう?」
やす菜は、大きく目を見開いた。
そして、すぐにクシャリ。と泣きそうな顔で笑い、
「…お前ら、ホンット最高…!!」
そう言うと、ポロポロと涙を零した。
「お、おい!?」
「やす菜!?」
突然泣き出したやす菜に俺達は驚いた。
…やす菜が泣くのを見るのはこれが初めてだ。
「…………んだ」
「え?」
「本当は…もう、諦めかけていたんだ。お前らに会うことも、自分を##NAME2####NAME3##だという意識を保っていることも、辞め掛けていた…俺が生きていた時代に…いくら捜しても、お前らはいなかった…俺を、“やす菜”と呼ぶ人間も…一人もいなかったから…」
こことは全く異なる時代
以前とは異なる性別
異なる名前…
自分を##NAME2####NAME3##だと思わせるものは…己の記憶のみ…形のないもの…
それが真実だと確証してくれる人物は、誰もいない…もう、自分かが何者なのか、とてもあやふやなになりかけていた…とやす菜は言った。
「ここに来れることになってからも…正直、不安だった…お前らに…俺という存在を否定されてしまうんじゃないかって…恐かったんだ…
でも…良かった…これで、俺は、自分を##NAME2####NAME3##だと…胸を張って名乗れる…!!」
グシッと涙を拭い、やす菜はニカッと笑った。
「また、よろしく頼むよ!!兵助!!三郎!!雷蔵!!ハチ!!」
おかえり ただいま